規制なきトランプ世界 「自由」の代償、払うのは誰か-金融PLUS 米州総局 石川潤[2025/02/02 05:00 日経速報ニュース 1917文字 画像有 ]
1月20日に就任したトランプ米大統領が金融を含む幅広い分野で規制の見直しを進めている。官僚主義を打ち破り、自由な経済活動を促すという発想にはウォール街も喝采を送る。ただ、規制緩和が行き過ぎれば、企業は短期的な利益を優先し、バブルのようなゆがみを生み出す恐れがある。身勝手な「自由」の代償を、若い世代に背負わせることにもなりかねない。
トランプ氏「偽りの気候変動」
「銀行規制でひどい仕事をやってきた」。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の1月29日、トランプ氏はSNSで米連邦準備理事会(FRB)を痛烈に批判した。
「不必要な規制」が家計やビジネスへの融資を妨げてきたというのが、トランプ氏の金融規制に対する認識だ。FRBがDEI(多様性、公平性、包摂性)や偽りの気候変動(fake climate change)などに時間を掛けすぎていなければ、インフレは起きなかったとも書き込んだ。
トランプ氏の言い分すべてを支持するかは別にして、規制緩和については、ウォール街も歓迎している。
米シティグループのジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞社のインタビューで「(現在の規制は)成長を制約するという点で行き過ぎだ。行き過ぎた部分のいくつかは修正されるだろう」との見通しを示した。
規制緩和への期待でM&A(合併・買収)市場が活況を呈し、金融株やビットコインに投資マネーが向かっている。米国に「アニマルスピリッツが帰ってきた」(著名投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏)との高揚感も広がり始めた。
もっとも、「規制=コスト」という発想には危うさもある。
トランプシフトが最も鮮明に表れているのが脱炭素を巡る動きだ。JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどの大手金融機関はそろって、脱炭素を目指す国際的な枠組みである「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」からの脱退を表明した。
金融機関が脱炭素を進めるのは本来、気候温暖化防止に向けて経済構造が大きく変化するなか、自分たちがババ(不良債権)をつかまないようにするためだ。取引先企業に脱炭素を促し、業界別の融資割合などを少しずつ将来の経済にあった姿に変えていく。もし、そうした変化に自らブレーキを掛けるならば、自殺行為といえる。
銀行危機が生み出した「氷河期世代」
脱炭素だけではない。
FRBのマイケル・バー金融監督担当副議長が2月28日付けで副議長を辞任することになった。バー氏は2023年3月のシリコンバレーバンク(SVB)破綻は第1次トランプ政権時代の規制緩和が原因と主張していた。同年7月には国際的に活動する大手銀行に自己資本の上積みを求める規制の強化案をまとめ、銀行界の猛反発を受けた。
SVB破綻から2年もたたないうちに、バイデン政権が進めた規制強化は事実上、ついえたことになる。
歴史を振り返れば、金融規制の強化と緩和は振り子のように揺れ動いてきた。金融危機が起これば規制は強まり、危機が遠のけば自然とタガも緩みがちになる。
問題は、ひとたび金融危機に陥れば、影響が金融機関にとどまらず社会全体に広がることだ。1990年代後半の日本の銀行危機は長期のデフレと「氷河期世代」を生み出した。2008年のリーマン・ショックでは米国で政府やエリートに対する信頼が失墜し、トランプ政権の現在まで続く後遺症となっている。
今回も同じ轍(てつ)を踏むとは限らないが、規制の縛りが失われるなかで金融機関に自制を求めるのは至難の業だ。米シティグループのCEOだったチャック・プリンス氏が「音楽が鳴っている限り、踊らなければならない」と語ったのは、金融危機のきな臭さがすでに漂っていた07年7月のことだった。
世界で広がる「黙っているだけ」
「大人は悲観的になりすぎるな、私たちに任せてと言う。でも、結局は何もせずに黙っているだけ」。20年1月、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で、スウェーデンの環境活動家の少女、グレタ・トゥンベリさんはこう発言した。同じ会議でトランプ氏は「悲観ではなく、楽観になる時だ」と語っていた。
トランプ氏は今年1月のダボス会議にオンラインで参加したが、5年前と異なるのは、同氏への批判がほとんど目立たなかったことだ。世界は良くも悪くもトランプ氏の言動に慣れ、調子よく付き合った方が利益が大きいと感じている。
誰もが「黙っているだけ」の状況では、振り子は極端な方向へ振れかねない。そのことが次世代への負債を大きく膨らませるのだとすれば、それはトランプ氏だけでなく、同時代を生きる私たち全体の責任となる。
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国家資格の登録手続きデジタルに 公認会計士など40追加[2025/02/02 05:00 日経速報ニュース 1015文字 画像有 ]
政府はオンラインで免許登録の申請や氏名変更などの手続きができる国家資格の対象を広げる。公認会計士や司法書士など40ほどの資格を追加する。手続き時の添付書類の省略やデジタルによる資格証明を通じて利便性の向上や行政の効率化につなげる。
今国会にマイナンバー法改正案を提出し、成立をめざす。国民一人ひとりに割り振られるマイナンバーを誰がどのような場面で使ってよいかは法令や条例によって決まる。
2021年と23年の同法改正で、24年8月から介護福祉士、社会福祉士など4資格を対象に氏名などの変更手続きがオンラインでできるようになった。実際に対応可能なオンラインの手続きや可能になる時期は資格ごとに異なる。
医師や美容師など82の国家資格に関する事務でマイナンバーの利用が制度上可能となっている。今回の法改正で追加する公認会計士、司法書士、獣医師なども含めて25年度以降順次、オンライン手続きできるようになる。
利用者は個人向けサイト「マイナポータル」を通じて手続きする。免許申請の登録や証明書の発行、登録している住所・氏名の変更、紙の代わりとなるデジタル資格者証の取得がマイナポータル上でできる。
資格保有者は申請手続きで住民票や戸籍謄本の写しの添付が省略可能となるほか、登録免許税や手数料の支払いがオンラインでクレジットカード決済ができるなど時間や手間を減らせる。現状は紙での手続きが主流となっている。
婚姻や引っ越しによって住所・氏名が変わる際の手続きも簡単になる。マイナポータルのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を活用することで、外部のシステムへ資格情報が連携できるなど資格の利用の幅も広がる。
行政機関にとってもデジタルで資格の管理をすることで、事務の効率化や資格情報の正確性の担保が見込まれる。
今国会でマイナンバー法とあわせて住民基本台帳法も改正する予定だ。地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営する住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)に照会することができるようにする。
最新の氏名、住所、生年月日、性別をシステム照会によって確認できるようになり、住民票の写しの添付を省略することができる。
国家資格以外にも酒類免許に関する事務など、マイナンバーの利用や情報連携によって行政事務の効率化や利用者の利便性向上が可能と判断した事務については、マイナンバーを利用可能とする方針だ。
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米政権、金融監視強化を巻き戻し 保護局トップを解任[2025/02/02 04:15 日経速報ニュース 1082文字 画像有 ]
【ワシントン=高見浩輔】金融の消費者保護を担う米消費者金融保護局(CFPB)のロヒト・チョプラ局長は1日、退任を発表した。米メディアによると、トランプ米政権が同日解任を通知した。2021年にバイデン前政権で任命され、金融大手などに多くの処分を下してきた同氏の交代は、金融監視強化の流れが完全に反転したことを示す。
チョプラ氏は土曜日の朝9時に、X(旧ツイッター)で退任を表明した。AP通信などによると、ホワイトハウスからの連絡は電子メールのみだったという。本来の任期は2026年までだった。
トランプ大統領あての書簡も公開した。大手の金融機関や企業と対峙した実績を振り返り「わずかな人数の手に多くの権力が集中しているため、CFPBのような機関はかつてないほど重要になっている」と監視の継続を訴えた。
CFPBは住宅ローンやクレジットカードなど幅広い金融取引で不当な手数料が課せられていないかなどを監視する。リーマン危機後の規制強化を象徴するドッド・フランク法によって11年に誕生した。局長は連邦議会上院の承認を経て就任するが、最高裁判決で大統領による解任権が認められている。
チョプラ氏は就任後から相次ぎ規制強化や処分を実行した。22年には米銀大手ウェルズ・ファーゴに制裁金37億ドル(当時の為替レートで約4800億円)を課した。大統領選後の24年12月にも米送金アプリ「ゼル(Zelle)」の詐欺被害に十分な対策を打たなかったとして運営会社と米大手銀3行を提訴した。
金融業界団体からは「やり過ぎている」との反発が根強くあった。規制緩和を掲げて政府効率化省(DOGE)を率いる起業家のイーロン・マスク氏も24年11月に「CFPBを廃止せよ。重複する規制機関が多すぎる」とXに投稿した。共和党の保守強硬派にはかねて解体論がある。
今後はトランプ氏が自身の意向に沿ったトップを据える公算が大きい。第1次政権で局長代理に指名したニック・マルバニー氏は、事実上の機関停止を実行した。当時の米紙ニューヨーク・タイムズによると、職員の採用や制裁金の徴収、規制の制定などを止め、予算もほぼ要求しなかった。
オバマ政権でCFPBの設立を主導した民主の急進派、エリザベス・ウォーレン上院議員は1日、組織の継続を訴える声明を出した。トランプ氏が選挙戦で約束したクレジットカード金利の上限設定にはCFPBの協力が役立つと指摘した。「もしトランプ大統領と共和党がウォール街の億万長者に屈服し、CFPBを破壊することを決定すれば、彼らは自分たちの手で戦いを強いられるだろう」と強調した。
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個人向け社債、金利上昇で脚光 「優待」で顧客と接点[2025/02/02 04:00 日経速報ニュース 2002文字 画像有 ]
金利上昇で利回り商品としての個人向け社債に注目が集まっている。社債はNISA(少額投資非課税制度)の対象ではなく、これまで投資する層は限られていたが、発行額の増加もあって徐々に裾野が広がりつつある。株主優待に似た優待制度を新設するなど、企業も新たな手法で個人投資家にアプローチしている。
26分で完売――。ソフトバンクグループ(SBG)が昨年3月に発行した総額5500億円の大型社債で、SBI証券の販売分は募集開始から瞬く間に売り切れた。利率3.15%という高い利回りから、年末に発行した社債も即日完売。SBGは「利回りや昨年の格上げなどが評価されている」と手応えを語る。
アイ・エヌ情報センターによると、2024年の個人向け社債の発行額は前年比26%増の2兆7237億円と、過去最高を更新した。日本の社債市場は機関投資家向けを含めても米国の10分の1程度で小さいと言われるが、最近は発行が増えている。
利率はマイナス金利解除前までは0.5%前後が多かったが、日銀の利上げで基準となる国債利回りが上昇し、高格付けの電力債も1%に近づいている。QUICKの個人向け社債データを基に集計したところ、24年に発行した社債(固定利回り)のうち利率1%以上の社債は27件と6割強を占めた。
業種も金融機関や電力だけではなく、個人になじみのあるBtoC企業にも広がっている。昨年10月、20年ぶりに個人向け社債を発行したアサヒグループホールディングスは「機関投資家向けを毎年発行してきたが、投資家の多様化を図りたい」と狙いを語る。
金利が上昇すると調達コストも膨らむが、企業の発行意欲は旺盛だという。大和証券の熊沢悠債券営業部長は「銀行の借入金利も上がることなどから、個人投資家との接点を強めたいと考える企業が増えている」と語る。
個人への訴求として「優待」のような特典をつける例も増えている。昨年末に起債した東急や名古屋鉄道は、グループのホテルの宿泊券などを抽選でプレゼントする特典をつけた。SBI証券の小畠宏和キャピタルマーケット部長は企業側の思惑について「資金調達という目的を超えて、ファンを増やすなど本業への波及効果を狙うケースが多い。将来の株主を開拓したいという声も聞く」と話す。
昨年6月、初めて個人向け社債を起債したJR西日本は鉄道の優待割引券などの特典をつけたところ、1000人以上の個人が購入した。特典を付与する際に同社のウェブサービスに加入してもらったため、顧客との継続的な接点を獲得できた。社債の投資単位は100万円からが多いが、10万円からと単価を抑えたことも奏功し、株式よりも若年層の購入が目立ったという。
ブロックチェーン(分散型台帳)技術などを使って発行プロセスを電子化したデジタル社債の活用も広がっている。丸井グループは同社のクレジットカード「エポスカード」会員向けにポイントを付与する個人向け社債を4年前に始めた。
4回目となる昨年の社債は1.5億円の募集に対して約20億円分の申し込みが集まった。提携する再生可能エネルギー由来の電力会社と契約した場合、特典も含めた実質利回りは3%になる。「申込者はカード利用額が高まるなどエンゲージメント向上効果も確認できた」(ファイナンシャル・インクルージョンチームの紫関紀政氏)という。
大和証券グループ本社は昨年3月、国内で初めて電子マネー「楽天キャッシュ」で利払いするデジタル社債を発行した。ポイントなど自社の経済圏を持つ企業や、地方自治体などで同様のスキームを活用してもらうため実験的に起債した。大和証券の大津大シンジケート課長は「自治体独自の通貨で償還や利払いが行ったり、NFT(非代替性トークン)のような形式でその地域で使える会員権を提供したり、今までにない商品設計が可能になる」と構想を語る。
新興企業の社債を中心にオンラインで販売しているSiiibo(シーボ)証券(東京・中央)は昨年8月の相場下落の後、申し込みが急増したという。同社で販売する社債は、50人未満の投資家に売る「少人数私募債」の仕組みを使う。未公開企業が多いため、平均利率は5~7%と高い。
融資型クラウドファンディング(CF)サービスのファンズ(東京・渋谷)も社債に似た仕組みだ。ファンドに値動きはなく、融資先が破綻しなければ基本的に予定通りの金利付きで元本が戻ってくる。融資先を上場企業やそれに近い企業に絞ることでリスクの低さをうたっているのが特徴で、利回りは年率2~3%が中心だ。
「優待」が多いのも特徴で、マーケティングとして活用したいBtoC企業の案件が増えているという。昨秋に募集したスーパーのベルクは同社の電子マネー「ベルクペイ」をプレゼントすることで、利用登録を促した。
(安田亜紀代、安田龍也、小池颯)
[日経ヴェリタス2025年2月2日号]
カード決済額、コロナ前比1~10月、1人当たり、訪日中国人、消費3割増、百貨店↑免税店↓ 富裕層の個人旅行多く[2025/02/02 日本経済新聞 朝刊 7ページ 1322文字 PDF有 書誌情報]
訪日中国人が日本で使う金額が増えている。2024年1~10月の1人あたりのクレジットカード利用額は19年同期に比べ3割高い。団体客中心だった従前と異なり、足元では富裕層を中心とした個人旅行が多い。1月28日からは春節(旧正月)に伴う連休も始まった。富裕層消費をつかむことが観光業の成長に向けて必要となる。
三井住友カードが提供するデータ分析サービス「Custella(カステラ)」を用い、訪日外国人(インバウンド)客の決済動向を分析した。海外で発行したビザ、マスターカード、銀聯(ぎんれん)のカードを対象にした。
訪日中国人1人あたりのカード利用額は24年1~10月、19年同期と比べ28%上昇した。訪日客全体では1人あたり5%減るなかで、伸びが顕著だった。
カード利用先別にみるとホテル・旅館は、訪日中国人1人あたりの利用額が2・4倍だった。貴金属・時計店も1・9倍となった。
東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」(東京・中央)に旗艦店を構えるシチズン時計の担当者は、「20~40代の訪日中国人客が増えている。『ザ・シチズン』や『カンパノラ』など30万円以上の高額商品を買うケースも多い」と話す。
百貨店は36%増えた。高島屋では24年3~12月の中国人客数が23年同期比で2・3倍となった。客単価は新型コロナウイルス禍前から倍増しており、売れ筋の商品も化粧品から宝飾時計やブランド品に変化しているという。
一方、免税店では1人あたりの利用額は36%減った。家電製品や日用品などが売れていた家電量販店やショッピングセンターもそれぞれ1割減だった。
背景にあるのが、中国人客層の変化だ。観光庁のインバウンド消費動向調査によると、24年の団体旅行比率は11%と19年(26%)を大きく下回る。中国政府が23年8月に日本への団体旅行を解禁した後も低調だ。日本政府観光局(JNTO)によると、24年の年間訪日中国人客はコロナ前の19年の7割程度にとどまる。
中国では景気停滞が長期化している。中国国家統計局によると、100を下回ると消費者心理の悲観を示す消費者信頼感指数は24年11月に86・2と22年春以降は長らく低迷が続いている。結果として、訪日客も「一定の経済力がある個人富裕層に絞られている」(帝京大学の吉村久夫教授)。訪日客に占める富裕層の比率が上昇したため、1人あたりではカード利用額も増えた。
観光業界全体でみると今後、訪日中国人客への対応を変える必要がある。免税店利用が減っているように、コロナ禍前と同じ対応では富裕層消費をつかみきれない。時計・貴金属といった高額商品以外でも消費を取り込むことが求められる。
中国人の利用が多い決済サービス「支付宝(アリペイ)」の日本の利用状況は、レジャーや宿泊といったショッピング以外の割合が24年に約67%と19年比で17ポイント上昇した。
帝京大学の吉村教授は「訪日中国人の富裕層はリピーターも多く、秘境探索や温泉など日本でしか味わえない自然や四季に価値を感じる傾向がある。より日本独自の体験価値に焦点を当てたプランや商品づくりに取り組むことが観光業界の活性化につながるだろう」と話す。
仮想通貨の購入 チェコ中銀検討、欧州揺らす米政権の動き、背景に[2025/02/02 日本経済新聞 朝刊 7ページ 1235文字 PDF有 書誌情報]
チェコ国立銀行(中央銀行)が暗号資産(仮想通貨)のビットコインを保有する案を明らかにし、同国や欧州などで波紋が広がっている。前向きなミフル総裁に対し、チェコ政府は不安定な価格を問題視して懸念を示した。「通貨の番人」である中銀主導での仮想通貨購入論は異例だ。
チェコ中銀は1月30日の理事会で保有資産の対象拡大を検討すると決めた。ビットコインへの具体的な言及は避けたものの「資産の多様化が適切か検討する」と表明した。
先立つ29日にミフル氏は、ビットコインの購入計画を理事会で提案するとぶち上げた。英フィナンシャル・タイムズの取材に答えたもので、保有資産を多様化させるため仮想通貨の所有に前向きな姿勢を示した。
チェコは欧州連合(EU)に加盟するが、単一通貨のユーロは採用していない。同国中銀は独自に金融政策を運営し、投資目的として債券や株式を保有している。
突然のビットコイン購入論にチェコ政府からは異論が出た。米ブルームバーグ通信によると、同国のスタニュラ財務相はビットコインの価格変動の大きさを指摘して「中央銀行は安定性の象徴であるべきだ」と懸念を示した。
ミフル氏の計画を理事会が承認すれば、投資などにあてる資産全体の約1400億ユーロ(約22兆5000億円)相当のうち、5%程度にあたる数十億ユーロを充てる可能性があった。30日の理事会では導入の決定こそ見送ったが、具体的な金額を示すなど準備を進めてきた様子が見て取れる。
ドイツではショルツ政権で財務相を務めていたリントナー氏が独メディアで、欧州中央銀行(ECB)や独連邦銀行(中央銀行)を念頭に保有資産に仮想通貨を加えるべきだと主張して物議を醸した。
リントナー氏は「トランプ米政権は仮想通貨に関して極めて進歩的な政策を追求している」と指摘した。「ドイツと欧州は取り残されるべきではない」として持論を訴えている。念頭にあるのは米国の動きだ。トランプ米大統領は仮想通貨の利用を推進する大統領令に署名し「国家デジタル資産備蓄の創設・維持の可能性を評価する」ことを盛り込んだ。
ECBからは早速、反対の意見が出た。ラガルド総裁は30日の記者会見で、チェコを含むEU内の中銀が「保有資産にビットコインを入れることはないだろう」と述べた。
保有資産の条件についても「流動性があり安全で、マネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪行為の疑惑に巻き込まれないことだ」との見方を示した。中銀が保有する資産にはふさわしくないとの考えだ。
世界各国の中央銀行が参加する国際決済銀行(BIS)は、価格変動が激しい仮想通貨の取り扱いに警鐘を鳴らしてきた。2022年にまとめた報告書では「構造的な欠陥があるため通貨システムの基盤には不向きだ」とした。
中銀によるビットコインの購入案は、国家や地域の通貨の主権を持つ中銀が否定的な認識を持ってきた非中央集権的な通貨を持つという矛盾をはらむ。
(ロンドン=大西康平、フランクフルト=南毅郎)
訪日中国人、カード利用額3割上昇 個人富裕層が高額消費[2025/02/01 17:54 日経速報ニュース 1333文字 画像有 ]
訪日中国人が日本で使う金額が増えている。2024年1~10月の1人あたりのクレジットカード利用額は19年同期に比べ3割高い。団体客中心だった新型コロナウイルス禍前と異なり、足元では富裕層を中心とした個人旅行が多い。1月28日からは春節(旧正月)に伴う連休も始まった。富裕層消費をいかにつかむかが観光業の成長に向け求められる。
三井住友カードが提供するデータ分析サービス「Custella(カステラ)」を用い、訪日外国人(インバウンド)客の決済動向を分析した。海外で発行したビザ、マスターカード、銀聯(ぎんれん)のカードを対象にした。
訪日中国人1人あたりのカード利用額は24年1~10月、19年同期と比べ28%上昇した。訪日客全体では1人あたり5%減るなかで、伸びが顕著だった。
カード利用先別にみるとホテル・旅館は、訪日中国人1人あたりの利用額が2.4倍だった。貴金属・時計店も1.9倍となった。東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」(東京・中央)に旗艦店を構えるシチズン時計の担当者は、「20~40代の訪日中国人客が増えている。『ザ・シチズン』や『カンパノラ』など30万円以上の高額商品を買うケースも多い」と話す。
百貨店は36%増えた。高島屋では24年3~12月の中国人客数が23年同期比で2.3倍となった。客単価はコロナ禍前から倍増しており、売れ筋の商品も化粧品から宝飾時計やブランド品に変化しているという。
一方、免税店では1人あたりの利用額は36%減った。家電製品や日用品などが売れていた家電量販店やショッピングセンターもいずれも1割減だった。
背景にあるのが、中国人客層の変化だ。観光庁のインバウンド消費動向調査によると、24年の団体旅行比率は11%と19年(26%)を大きく下回る。中国政府が23年8月に日本への団体旅行を解禁した後も低調だ。日本政府観光局(JNTO)によると、24年の年間訪日中国人客はコロナ前の19年の7割程度にとどまる。
中国では景気停滞が長期化している。中国国家統計局によると、100を下回ると消費者心理の悲観を示す消費者信頼感指数は24年11月に86.2と22年春以降は長らく低迷が続いている。結果として、訪日客も「一定の経済力がある個人富裕層に絞られている」(帝京大学の吉村久夫教授)。訪日客に占める富裕層の比率が上昇したため、1人あたりではカード利用額も増えた。
観光業界全体でみると今後、訪日中国人客への対応を変える必要がある。免税店の利用が減っているように、コロナ禍前と同じ対応では富裕層消費をつかみきれない。時計・貴金属といった高額商品以外でも消費を取り込むことが求められる。
中国人の利用が多い決済サービス「支付宝(アリペイ)」の日本の利用状況は、レジャーや宿泊といったショッピング以外の割合が24年に約67%と19年比で17ポイント上昇した。
帝京大学の吉村教授は「訪日中国人の富裕層はリピーターも多く、秘境探索や温泉など日本でしか味わえない自然や四季に価値を感じる傾向がある。より日本独自の体験価値に焦点を当てたプランや商品づくりに取り組むことが観光業界の活性化につながるだろう」と話す。
(山口和輝)
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トランプ政権と米国株・原油・ビットコイン… 世界市場の今-連載「トランプストーム・赤く染まる市場」まとめ読み[2025/02/01 10:20 日経速報ニュース 885文字 画像有 ]
米国で第2次トランプ政権が発足して約2週間。大統領の一挙手一投足がグローバル市場を翻弄し続けています。M&A(合併・買収)増加期待を背景とした米国株高、原油価格の引き下げ要求、ビットコイン準備金構想――。トランプストーム(嵐)が吹き荒れる世界の市場の今を深掘りしました。
①トランプ旋風でマネー大転換 「親ビジネス」に市場熱狂
米国の投資家や企業には、トランプ政権の親ビジネスの側面に期待感が強い。米運用会社ギャベリー・ファンズはM&A(合併・買収)が増えるとみて、M&Aが株価上昇のカタリスト(材料)になりそうな銘柄への投資に力を入れる。…記事を読む
②トランプ氏か株主か 「掘りまくれ」、石油供給過剰のわな
「Make America affordable and energy dominant again(手ごろな価格で米国を再びエネルギー大国に)」――。エネ問題はトランプ政権が掲げる最優先政策の一つだ。もくろみ通り石油生産が増えれば、原油価格には下押し圧力となる。半面、相場下落は事業の採算悪化につながりかねない。…記事を読む
③米国の大豆農家「過去の過ち正して」 貿易戦争に戦々恐々
「前回のトランプ政権では収入が減り苦労した。願わくば過去の過ちを正してほしい」。アイオワ州で大豆・トウモロコシ農場を営むポール・ギーゼルマン氏は話す。前トランプ政権下では2018年に米中貿易摩擦が激化し追加関税の応酬となった。…記事を読む
④風力発電は「ゴミ」 脱・脱炭素で揺らぐ鉱物資源の青写真
トランプ米大統領は「脱・脱炭素」をもくろむ。銅を筆頭とした脱炭素資源には逆風が強まる。風力発電や電気自動車(EV)向け需要への期待は後退するか。鉱物資源の青写真が揺らいでいる。…記事を読む
⑤ビットコイン、大義みえぬ米政府備蓄 期待しすぎに注意
「Big things are coming(大きな出来事がやってくる)」――。米国時間23日夜、米共和党のシンシア・ルミス上院議員がX(旧ツイッター)でつぶやくと、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格が跳ね上がった。…記事を読む
<数表>ニューヨーク株式、ナスダック株式、ロンドン株式、フランクフルト株式[2025/02/01 日本経済新聞 夕刊 2ページ 3377文字 PDF有 書誌情報]
オリックス5株 105.79 ▲1.63
ソニーG1株 22.01 ▲0.29
武 田0.5株 13.39 ▲0.31
トヨタ10株 188.93 ▲2.04
野 村1株 6.48 △0.03
ホンダ3株 28.34 ▲0.33
みずほFG0.2株 5.48 ▲0.09
三井住友FG0.6株 14.88 ▲0.32
三菱UFJ1株 12.61 ▲0.14
アボット・ラボ 127.93 ▲0.88
アルコア 35.32 ▲0.21
アリババ 98.84 ▲3.90
アルトリア・グループ 52.23 △0.69
アメックス 317.45 ▲1.50
AIG 73.66 ▲1.76
アーチャーダニエルズ 51.23 ▲0.44
AT&T 23.73 ▲0.29
バンク・オブ・アメリカ 46.30 ▲0.42
バス&ボディワークス 37.61 ▲0.76
バクスター 32.56 ▲0.54
バークシャー・ハザウェイ 468.67 ▲3.68
ボーイング 176.52 ▲3.01
B P 31.06 ▲0.55
ブリストルマイヤーズ 58.95 ▲0.19
ブランズウィック 67.44 ▲1.60
キャタピラー 371.44 ▲3.54
シェブロン 149.19 ▲7.13
シエナ 87.14 △2.49
シティグループ 81.43 ▲0.43
コカ・コーラ 63.48 ▲0.57
コルゲート 86.70 ▲4.19
コノコ・フィリップス 98.83 ▲2.63
コンソリ・エジソン 93.74 ▲0.12
コーニング 52.08 △2.09
ディーア 476.56 ▲3.43
ダ ウ 39.05 △0.50
デュークエナジー 111.99 ▲0.27
イーライ・リリー 811.08 ▲12.15
エクソンモービル 106.83 ▲2.74
フットロッカー 20.05 ▲0.01
フォード 10.08 ▲0.08
Gダイナミクス 256.98 △0.05
GEエアロスペース 203.57 ▲2.00
G M 49.46 ▲0.04
ゴールドマンS 640.40 ▲5.30
H P 32.50 ▲0.30
ヒルトン・ワールドワイド 256.07 ▲0.72
ホーム・デポ 411.98 ▲2.52
IBM 255.70 ▲2.57
Iペーパー 55.63 ▲1.42
ジョンソン&J 152.15 ▲0.72
ジュニパーネットワークス 34.86 △0.48
モルガン・チェース 267.30 ▲0.93
キンバリークラーク 129.97 ▲0.88
ロッキードマーチン 462.95 △3.30
MMC 216.88 ▲3.95
マスターカード 555.43 ▲10.58
マクドナルド 288.70 ▲1.62
メルク 98.82 ▲0.13
モトローラ 469.25 ▲3.36
ニューモント 42.72 ▲0.37
ナイキ 76.90 ▲1.43
ノキア 4.60 ▲0.10
ノースロップ 487.27 △3.90
オキシデンタル 46.65 ▲2.27
オラクル 170.06 ▲0.32
ファイザー 26.52 ▲0.39
P&G 165.99 ▲1.42
ロックウェル 278.43 ▲0.57
RTX 128.95 ▲0.03
セールスフォース 341.70 ▲1.87
S&Pグローバル 521.41 ▲2.13
SLB 40.28 ▲0.74
シャーウィン・ウィリアムズ 358.16 ▲7.39
3 M 152.20 ▲2.20
トラベラーズ 245.18 ▲3.91
ウーバーテクノロジーズ 66.85 △0.26
ユニオンパシフィック 247.79 ▲2.13
ユニシス 6.66 ▲0.10
USスチール 36.85 △0.32
ユナイテッドヘルス 542.49 ▲3.08
VISA 341.80 ▲1.25
ベライゾン 39.39 ▲0.08
ウォルマート 98.16 ▲0.49
ディズニー 113.06 ▲0.37
ウェアーハウザー 30.62 ▲0.34
ワールプール 105.01 ▲3.38
(31日、ドル、△高▲安)
終値 前日比
(31日、ペンス、△高▲安)
終値 前日比
アストラゼネカ 11344.00 △30.00
アヴィヴァ 514.00 △0.40
BAEシステムズ 1224.00 △15.50
バークレイズ銀行 297.00 △1.20
B P 422.50 △1.00
BAT 3197.00 △19.00
BTグループ 141.90 ▲1.75
カーニバル 2050.00 ▲7.00
GSK 1405.00 △3.00
HSBCホールディングス 845.70 △5.50
キングフィッシャー 246.20 ▲2.00
ロイズ・バンキング・グループ 62.34 0
マークス&スペンサー 335.80 ▲4.40
ナットウエスト・グループ 433.10 ▲0.60
ピアソン 1342.50 ▲5.00
プルーデンシャル 678.20 ▲10.60
RELX 4025.00 △1.00
リオ・ティント 4891.00 △30.00
ロールス・ロイス 606.00 △10.00
セインズベリー 254.40 ▲3.80
シェル 2678.50 △15.50
Sチャータード銀行 1092.00 △6.00
テスコ 372.20 ▲1.50
ユニリーバ 4632.00 ▲30.00
ボーダフォン 68.68 ▲0.02
(31日、ドル、△高▲安)
終値 前日比
アーム1株 159.55 △6.32
シーラテクノロジーズ0.01株 1.68 ▲0.02
メディロム1株 0.93 △0.01
東京生活館10株 3.49 ▲0.24
アドビ 437.45 ▲8.55
アルファベット 204.02 △3.15
アマゾン・ドット・コム 237.68 △3.04
アメリカン電力 98.36 △0.33
アムジェン 285.42 △1.40
アップル 236.00 ▲1.59
アプライドマテリアルズ 180.35 ▲1.37
バイオジェン 143.93 ▲2.30
ブロードコム 221.27 △5.61
キャンベルスープ 38.77 ▲0.85
チェック・ポイント・ソフト 218.02 ▲0.97
シスコシステムズ 60.60 △0.13
コムキャスト 33.66 △0.41
eベイ 67.48 ▲0.04
フィフス・サード・バンコープ 44.31 ▲0.18
ハネウェル 223.72 ▲0.34
インテル 19.43 ▲0.58
メ タ 689.18 △2.18
マイクロソフト 415.06 △0.07
ネットアップ 122.10 ▲0.34
ノーザン・トラスト 112.29 ▲0.45
エヌビディア 120.07 ▲4.58
ペイチェックス 147.67 ▲0.38
ペイパル・ホールディングス 88.58 ▲0.99
ペプシコ 150.69 ▲1.21
クアルコム 172.93 △1.00
スターバックス 107.68 ▲1.32
テスラ 404.60 △4.32
ベリサイン 215.00 △0.99
ウォルグリーン 10.28 ▲1.18
ゼロックス 8.54 ▲0.13
インベスコQQQトラスト 522.29 ▲0.76
(31日、ユーロ、△高▲安)
終値 前日比
アリアンツ 314.40 ▲1.20
BASF 46.61 ▲0.65
バイエル 21.64 ▲0.22
BMW 78.60 ▲1.28
コメルツ銀行 18.68 △0.32
ドイツ銀行 18.94 △0.04
独テレコム 32.35 △0.06
DHLグループ 34.81 ▲0.25
エーオン 11.42 ▲0.04
ルフトハンザ 6.27 ▲0.06
メルセデス・ベンツ 58.92 ▲0.41
SAP 268.50 △0.45
シーメンス 207.45 △2.30
ティッセンクルップ 4.80 ▲0.03
フォルクスワーゲン 101.40 △0.70
国税庁、仮想通貨の海外取引を監視 54カ国・地域で情報共有 27年から、税逃れに包囲網[2025/02/01 日本経済新聞 朝刊 5ページ 1226文字 PDF有 書誌情報]
国税庁は2027年から暗号資産(仮想通貨)の取引情報を海外の税務当局と共有する。すでに銀行や証券の口座情報は交換する仕組みがあるが、仮想通貨にはなく、課税の抜け穴になっていた。主要コインの価格上昇などで取引が再び活況を呈する中、海外の交換業者を使った税逃れに網をかける。
仮想通貨の売却などで得た利益は日本では原則「雑所得」として所得税の確定申告が必要だ。海外の交換業者での取引も対象だが、現状は本人の申告によるところが大きい。
かねて脱税や申告漏れの温床となっているとの指摘が国内外であった。経済協力開発機構(OECD)は22年、各国の税務当局間で取引情報を共有する「暗号資産等報告枠組み(CARF)」を新設。日本政府は体制整備を行ってきた。
国税庁は26年分から国内業者に対して顧客情報を報告するよう求め、27年から海外当局との共有を始める。報告に応じない業者には罰則を課す。
初年は英国やフランスなど54カ国・地域で情報交換し、28年には米国なども加わる見込みだ。報告内容は利用者の氏名や実際の居住国、取引の総額などを想定する。交換した情報から申告していない利益が見つかれば課税する。
足元ではトランプ米大統領が仮想通貨の利用を推進する大統領令に署名。規制緩和への期待から代表的な仮想通貨のビットコインの価格が最高値を更新するなど取引は再び活気づいている。
仮想通貨の税務に詳しい坂本新税理士は「日本の交換業者で取引できる仮想通貨の銘柄はそれほど多くない。海外で口座を開き、希望する銘柄を取引する人もいる」と指摘。「新制度には脱税・租税回避のほか、資金洗浄(マネーロンダリング)の防止なども期待できる」とみる。
海外業者の場合、日本では2倍までしかかけられないレバレッジを、より高い倍率でかけられるサービスもある。仮想通貨分析のビットゲットリサーチによると、日本でのアクティブトレーダーは約35万人とされる。
中には日本で無登録のまま日本の居住者を顧客としている海外業者も存在する。無登録業者の場合、マネロン対策が徹底されていないだけでなく資産保護体制も未整備なケースが多い。金融庁は24年11月、セーシェルに拠点を置くKuCoin(クーコイン)など5社に警告した。
銀行の口座情報などはすでに各国・地域間で共有する仕組みがある。国税庁が31日に公表した23事務年度の実績では日本に住む人の口座情報を93カ国・地域から約246万件受領し、口座残高の総額は約14兆2000億円に上った。
外国に5千万円を超える資産を持つ人には「国外財産調書」の提出も14年から義務付けている。23年分は提出件数が1万3243件、総額で6兆4897億円といずれも過去最高だった。
各国が協調して監視を強める海外資産を使った税逃れやマネロン。今後は新たに仮想通貨の取引にも網がかかることになる。国税庁の担当者は「税務調査の端緒としての効果は期待できる」と話している。
金融庁、ビットバンク立ち入り 仮想通貨の交換業大手 リスク管理点検[2025/02/01 日本経済新聞 朝刊 5ページ 292文字 PDF有 書誌情報]
金融庁が暗号資産(仮想通貨)交換業大手のビットバンク(東京・品川)に立ち入り検査に入ったことが31日分かった。同庁はDMMビットコインからビットコインが不正に流出した事案を受け、自主規制団体を通じて交換業者に体制整備の確認を要請しており、検査もその一環とみられる。
ビットバンクは同日に「定期的に行われる通常の検査であり、当社のサービスや事業運営に影響を及ぼすものではない」と発表した。
金融庁は検査を通じて、情報管理やリスク管理体制の状況を調べているもようだ。
セキュリティー対策に関して現場からリスク管理部門、内部監査部門までの「3線防衛」が十分に機能しているかなどを検査する。
トランプストーム赤く染まる市場(5)ビットコイン「備蓄」の大義は 米政府に準備金構想 期待先行の急騰にリスク(終)[2025/02/01 日本経済新聞 朝刊 11ページ 1378文字 PDF有 書誌情報]
「Big things are coming(大きな出来事がやってくる)」――。米国時間23日夜、米共和党のシンシア・ルミス上院議員がX(旧ツイッター)でつぶやくと、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格が跳ね上がった。
「Big」の「B」をビットコインのシンボルマークで表記した投稿に、SNS上では「準備金のことか」と期待に満ちた反応が相次いだ。
トランプ氏や多くの共和党議員は仮想通貨業界から多額の献金を受け、新政権は公約の1つに仮想通貨業界の振興を掲げる。中でも市場関係者が固唾をのんで見守る政策が、米政府によるビットコインの準備金構想だ。
構想の焦点は大きく2つに分かれる。1つが、米司法省が管理する約20万BTC(ビットコインの単位)の取り扱い。違法取引の摘発などで押収したものだ。売却のうえ被害者補償や政府歳入に充当するのが一般的だが、トランプ氏は選挙期間中の24年7月に「売却せず国家戦略的な備蓄に充てる」と発言した。
もう1つが、トランプ氏の宣言に呼応してルミス議員が7月末に提出した「24年ビットコイン法」の実現だ。米財務省が年間20万BTCを上限に5年で合計100万BTCを購入することを義務付ける。司法省が押収した約20万BTCも備蓄に加えることを提案する。
ルミス議員の投稿は法案の提出者だけに思惑を呼んだ。ところが蓋を開けると、準備金構想とは無関係だった。同日にトランプ氏が署名した大統領令も「国家デジタル資産備蓄の創設・維持の可能性を評価する」という具体性を欠いた内容で失望売りを誘った。
法案成立はハードルが高い。第1に、上院(定数100)では共和党は53議席で、単独では民主党の議事妨害(フィリバスター)を回避できる60票に届かない。下院の優位も僅差にとどまる。
第2に「そもそもなぜビットコインを保有するのか、議論不足」(みずほリサーチ&テクノロジーズの安井明彦調査部長)だ。ルミス議員はビットコインの値上がりが米国の債務削減につながるなどと主張するが、下落するリスクもはらむ。世界の基軸通貨ドルを発行する米国は、為替介入に備えて外貨準備を積んでおく必要性も薄い。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、法案にある「リザーブ(Reserve)」が「備蓄か準備金か曖昧だ」と指摘する。例えば戦略石油備蓄(SPR)には災害など不測の事態に備える目的がある。外貨準備金は為替介入のほか外貨建て債務の支払いに利用する。
ビットコインの保有は、いずれの目的にも当てはまりにくい。野村総研の木内氏は「目的が不明確なまま備蓄として国家予算で買い増せば、相場下落時に税金の無駄遣いとの批判を避けられず、賛成したがらない議員は多い」とみる。
京都大学大学院の岩下直行教授は、仮想通貨がマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪に利用されやすいことを挙げ「国家秩序とは相容れない性質で、法案は実現性が低い」とみる。
トランプ氏が大統領選に勝利した昨年11月以降、ビットコインは急上昇し10万ドルを超えた。規制緩和の動きは具体化されていくとみれるが、準備金構想に期待しすぎるとしっぺ返しを食う。
=おわり
真田湧生、山田周吾、佐藤未乃里、河井優香、今堀祥和、大越優樹、越智小夏、ニューヨーク=南泰葉が担当しました。
ウェルネット、税引き益46%増[2025/02/01 日本経済新聞 地方経済面 北海道 1ページ 215文字 PDF有 書誌情報]
電子決済を手がけるウェルネットが31日発表した2024年7~12月期の単独決算は、税引き利益が前年同期比46%増の5億6300万円だった。クレジットカードや電子マネーなど複数の決済手段を一括で導入できる「マルチペイメントサービス」など主力商材の需要が拡大した。
売上高は14%増の55億円となった。営業利益は45%増の8億1600万円。チケット予約から購入までを一括でできる交通事業者向けシステムの導入が進み、利益を押し上げた。
道内自治体 健康寿命延長へ 中札内村、報酬で運動習慣 江別市 スマホ貸与し体重記録(データで読む地域再生)[2025/02/01 日本経済新聞 地方経済面 北海道 1ページ 1297文字 PDF有 書誌情報]
強度など異なる4コース
北海道内の自治体が住民の健康寿命を延ばす対策に力を入れている。民間事業者の取り組みに成果報酬を支払う仕組みで成果を引き出したり、無料で貸し出したスマートフォンにダウンロードした独自アプリで健康に関するデータを測定したりしている。
厚生労働省が国民生活基礎調査をもとに健康寿命を公表しており、公表データを基に男女平均の健康寿命を算出した。2022年の北海道の健康寿命は74.17歳と全国平均の74.01歳を上回った。10年比で2.56歳のびた。
江別市は政府の「デジタル田園都市国家構想推進交付金事業」の一環で、希望する市民にウエアラブル端末とスマートフォンを無料で貸与して健康を支援する取り組みを進めている。貸与期間は3年間で、希望すればその後も借りられる。市によると、足元で50~70代を中心に約8500人にウエアラブル端末を貸与しているという。
利用者は専用アプリ「eダイアリーアプリ」に体重や食事などを記録する。入力データは人工知能(AI)が分析し、別のアプリ「eライフトレーナー」を通じて個人に健康アドバイスが届く。分析には北海道情報大学(江別市)の研究成果が生かされている。eライフトレーナーでは普段の食事の取り方に関する助言をアプリに表示する。
民間の知見を生かす仕組みを取り入れるのは中札内村だ。運動習慣がない人にも運動をしてもらおうと、24年度から「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」の枠組みを活用した取り組みを始めた。民間事業者の提案に基づいて事業を実施し、事業の成果に応じて自治体が報酬を支払う仕組みだ。
帯広畜産大学系の一般社団法人、ちくだいKIPがSIBの事業を担う。運動強度などが異なるプログラムを4コース用意。ストレッチとパーソナルトレーニングを組み合わせた「からだメンテナンスコース」や、運動後に参加者同士で酒ものめる「おわったらカンパイコース」などへの住民の参加を促す。各コースとも定員は25人としているが、定員を超えることもあるという。
ちくだいKIPの村田浩一郎理事は「何かしら付加価値をつけて運動をしてもらえるきっかけになってほしい。将来は地元信金や団体などを巻き込んでいきたい」と意気込む。村の担当者は「民間ならではのアイデアを活用して運動習慣を身につけてもらい、医療費抑制にもつなげられれば」と話す。
札幌市は高齢者が地下鉄やバスに乗る際に使う「敬老優待乗車証制度(敬老パス)」の見直しに伴い、高齢者に外出する機会を促す専用アプリを開発中だ。歩いたり、ボランティア活動に参加したりするとポイントがたまり、公共交通機関で使える電子マネーに変えられる。歩く習慣を早いうちから身につけてもらうため40歳以上からアプリを使えるようにするが、64歳までは電子マネーとしては使えない。
市は10年間のまちづくり計画である「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン」で「ウェルネス」を重要概念の一つにおいている。市はサツドラホールディングスなど30社以上と協定を結び、市民の健康寿命を延ばすことに関わる情報発信などで協力している。
(燧芽実)
健康寿命、PRで長く 奈良県、「養生訓」ラップ動画 京都市は「1日+1000歩」推進(データで読む地域再生)[2025/02/01 日本経済新聞 地方経済面 関西経済 10ページ 1607文字 PDF有 書誌情報]
厚生労働省の調査をもとに関西2府4県の男女平均の健康寿命をみると、2022年は滋賀がトップで京都、奈良が続く。10年と比べると和歌山を除く5府県が2年以上延ばした。健康になれる環境づくり、歩きたくなるまちづくりといった取り組みが成果を発揮している。
奈良県は健康寿命をさらに延ばそうと、効果的な啓発を模索する。そのひとつが24年11月、インターネット上に公開したショート動画「YOJO 1STEP」だ。ラップの軽快なリズムで適正飲酒や減塩、休養・睡眠などを呼びかける。江戸時代の儒学者、貝原益軒が健康な生活の教えをまとめた「養生訓」にちなむ。
体に優しい塩加減でベジ(野菜)を増やす「やさしおベジ増し」プロジェクトも展開中だ。24年10月には、管理栄養士を養成する県内の4大学の学生らでつくる「ヘルスチーム菜良(なら)協議会」とイオンリテールの協力を受けて「野菜のとれるお弁当」を販売した。
京都府の取り組みの特徴は「健康に関するデータを分析して、府内の全市町村向けに丁寧に支援している」(古川浩気・健康福祉部健康対策課長)ことだ。15年度にデータを収集・分析する「きょうと健康長寿・未病改善センター」を設置。18年度からデータに基づく対応策を提供してきた。
例えば「糖尿病の比率が高い」市町村には「働き盛りの世代が受診しやすい土日のメタボ健診」、「脳血管疾患の比率が高い」場合は「高血圧予防の減塩教室」といった具合だ。適切な塩加減と野菜摂取量向上を狙い、スーパーの売り場での啓発活動も展開する。
京都市は健康寿命の延伸に向けた取り組みに賛同する団体や企業が参加する「健康長寿のまち・京都市民会議」を16年に設立し、地域ぐるみで取り組む。主体的に活動している個人や団体を表彰している。
1月22日にあった24年度の表彰式で松井孝治市長は「市の長期ビジョンや新京都戦略の策定を進めているが、究極の目標は市民が健康で長生きして幸せであること」と挨拶した。市は1日の歩数を1000歩増やす「プラスせんぽ」の推進など、市民・地域主体の健康行動の定着を図っている。
100歳以上の人口比率が全国平均の約3倍に上る京都府京丹後市。京都府立医科大学は17年から京丹後市立弥栄病院と協力し、65歳以上の高齢者を対象に長寿健診を実施し、研究を積み重ねている。
府立医大副学長の的場聖明・大学院医学研究科教授は「同居人数が少なくても、日々努力して体を動かすこと、歩くことが長生きの秘訣」と強調。1日あたり9000歩が目標だが「500歩よりも1000歩、1000歩よりも2000歩と伸ばせば効果がある」と話す。
大阪府の健康寿命の延びに寄与したとみられるのが、府が19年に開始した健康管理アプリ「アスマイル」だ。会員は50代を中心に府民約44万人に上る。
朝食や歯磨きの記録や歩数、健診結果などを入力すると、ポイントが付与される。たまると、電子マネーがあたるなどの特典がある。府内の国民健康保険加入者の特定健診受診率は3割程度だが、会員は約6割だった。
21年には特定健診データなどを活用した「健康予測AI」を搭載し、会員の活動記録によって生活習慣病の発症確率を算出する。また、アスマイルで取得した健康データを府内の大学に提供し、ヘルスケア分野などの研究にも役立てている。府の担当者は「今後も工夫を重ね、府民の継続的な健康づくり活動の促進を図っていきたい」と語る。
立命館大学副学長の伊坂忠夫・スポーツ健康科学部教授は「平均寿命と健康寿命の差などのデータに基づいた啓発が奏功し、運動する人々が増え、健康寿命が延びるという循環が生じている」と分析。平均的な数値を基本にしながらも「過去の運動歴など個人差は大きいので、個々の生活スタイルに合わせた取り組みを考え、楽しみながら続ける工夫が重要だ」と話している。
(小林茂、高田哲生、下田恵太)
航空マイルがたまるカード、年会費無料など選択肢広がる(ポイント賢者)[2025/02/01 日経プラスワン 3ページ 739文字 PDF有 書誌情報]
新しいANAカードの発表がありました。18~29歳が対象で年会費無料のANA JCB CARD FIRSTと、年会費が3万9600円で招待制のANA JCB CARD Preciousです。
全日本空輸のマイルがたまるANAカードや、日本航空のJALカードは、学生向けカードを除けば年会費が高く、なかなか継続保有するのが難しいクレジットカードでした。
ANA JCB CARD FIRSTはマイル還元率1%で、新社会人にも申し込みやすくなっています。毎年継続すると3000マイルもらえます(一般カードは1000マイル)。年間100万円以上利用すると5000マイルのボーナスマイルがもらえます。
一方、ANA JCB CARD Preciousは年会費を抑えたプラチナカードです。JALカードのプラチナは年会費3万4100円ですが、ANAプレミアムカードは年会費7万7000~17万500円とJALカードよりも高額なことがネックでした。
提供サービスは、コンシェルジュデスクの利用、国際線ラウンジを利用できるプライオリティ・パスの付帯、300万円以上利用した場合にマイル還元率が1・2%になり入会・継続で毎年5000マイルもらえるなどです。上手に使えば多くのマイルを獲得できます。
ただし、ANA JCBワイドゴールドカード(一部対象外カードあり)を年間300万円以上利用したときに招待されるクレカで、誰でも申し込めるわけではありません。
最近はANAとJALのマイルの利用先も増えており、無料航空券に交換するだけでなく、マイルで特別体験に参加したり、スマホ決済のANA PayやJAL Payにチャージしてコンビニなどでの買い物に利用したりできます。
(ポイ探代表 菊地 崇仁)
金融庁、仮想通貨交換業のビットバンクに立ち入り検査[2025/01/31 21:37 日経速報ニュース 437文字 画像有 ]
金融庁が暗号資産(仮想通貨)交換業大手のビットバンク(東京・品川)に立ち入り検査に入ったことが31日分かった。同庁はDMMビットコインからビットコインが不正に流出した事案を受け、自主規制団体を通じて交換業者に体制整備の確認を要請しており、検査もその一環とみられる。
ビットバンクは同日に「定期的に行われる通常の検査であり、当社のサービスや事業運営に影響を及ぼすものではない」と発表した。
金融庁は検査を通じて、情報管理やリスク管理体制の状況を調べているもようだ。セキュリティー対策に関して現場からリスク管理部門、内部監査部門までの「3線防衛」が十分に機能しているかなどを検査する。
仮想通貨をめぐってはDMMビットコインのウォレット(電子財布)から2024年5月、482億円相当のビットコインが不正流出した。金融庁は自主規制団体の日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)を通じ、加盟社にリスク管理体制などの自主点検を要請しており、事業者への個別のヒアリングも実施している。
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ウェルネットの24年7~12月、税引き益46%増[2025/01/31 18:42 日経速報ニュース 277文字 ]
電子決済を手がけるウェルネットが31日発表した2024年7~12月期の単独決算は、税引き利益が前年同期比46%増の5億6300万円だった。クレジットカードや電子マネーなど複数の決済手段を一括で導入できる「マルチペイメントサービス」など主力商材の需要が拡大した。
売上高は14%増の55億円となった。営業利益は45%増の8億1600万円。チケット予約から購入までを一括でできる交通事業者向けシステムの導入が進み、利益を押し上げた。
25年6月期通期の単独業績見通しは据え置いた。売上高は前期比18%増の120億円、税引き利益は20%増の10億円を見込む。
オープンハウスグループ、暗号資産での支払いを受付開始[2025/01/31 17:00 日経速報ニュース 1178文字 PDF有 画像有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月31日
暗号資産での不動産販売を開始いたします
グローバルなお客さまの日本不動産物件探し・購入・管理・売却を身近に
株式会社オープンハウスグループ(本社 東京都千代田区、代表取締役社長 荒井正昭、以下「当社」)は、グローバルからのお客様が、日本不動産を購入される際に、より便利にご利用いただけるよう、暗号資産での支払いの受付を開始いたします。当初は、BitcoinとEthereumに対応し、当社グループ各社の強みを活かして、物件探しから、購入、管理、売却の相談について、総合的にワンストップでご提供できるよう、順次対応してまいります。
・Open House Global ホームページ https://global.openhouse-group.com/
※参考画像は添付の関連資料を参照
暗号資産を代表するBitcoinは、2024年、そのネットワーク内で決済された取引額が19兆ドルを超え、2023年の8.7兆ドルを大幅に上回りました。2024年にアメリカでSECが初のBitcoinETFを承認してから、それまで直接保有が難しかった機関投資家による投資額も増加し、12月には米財務省やFRBのパウエル議長からもビットコインをデジタルゴールドのようなものとする発言やレポートが相継いだことなどから、史上初の1Bitcoin=10万ドルにも到達しました。第47代アメリカ大統領に就任したトランプ氏は、「アメリカをビットコイン超大国に」と掲げる親ビットコイン派としても知られています。
また、日本国内においても、昨年12月20日には自民党デジタル社会推進本部と金融調査会が暗号資産に関する緊急提言を取りまとめ、加藤金融担当大臣に、取引所の口座開設数が1100万口座を超え、利用者預託金が2.9兆円に達している事実等を鑑み、「暗号資産を国民経済に資する資産へ」という内容の申し入れが行われました。従前web3PTの動きを継承し、自民党に新たに組成された「web3ワーキンググループ」は、新たな法的整理の素案づくりを全力で進めており、本年1月23日には関係省庁と意見交換も行っています。なお、本日の衆議院予算委員会でも加藤金融担当大臣より、有識者会議において与党税制改正大綱に沿った議論が進んでおり、本年6月までに何らかの結論を出すという発言も伺えました。
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach/686256/01_202501311601.jpg
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/686256/02_202501311601.pdf
日本クレジット協会、24年11月のクレジットカード動態調査集計結果を発表[2025/01/31 16:30 日経速報ニュース 542文字 PDF有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月31日
クレジットカード動態調査集計結果について
一般社団法人日本クレジット協会(会長 山本 豊)は、クレジットカード信用供与額等の月次の動向把握を目的に、クレジットカード発行会社26社を対象としたクレジットカード動態調査を実施しており、2024年11月分の集計値をとりまとめた。
これによると、2024年11月分のクレジットカードショッピング信用供与額は8,871,686百万円で、前月比では2.1%の増加となっている。キャッシング融資額は、134,440百万円で、前月比で8.6%の増加となっている。信用供与額合計は、9,006,126百万円で、前月比2.2%の増加となった。
なお、クレジットカードショッピングにおける契約件数は、1,771,709,855件となっている。
※「2024年11月分集計値」および「クレジットカード動態調査集計結果 一覧」は添付の関連資料を参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
「2024年11月分集計値」および「クレジットカード動態調査集計結果 一覧」
https://release.nikkei.co.jp/attach/686252/01_202501311535.pdf
仮想通貨の海外取引を監視 税逃れ阻止へ54カ国で包囲網[2025/01/31 16:00 日経速報ニュース 1723文字 画像有 ]
国税庁は2027年から暗号資産(仮想通貨)の取引情報を海外の税務当局と共有する。すでに銀行や証券の口座情報は交換する仕組みがあるが、仮想通貨にはなく、課税の抜け穴になっていた。主要コインの価格上昇などで取引が再び活況を呈する中、海外の交換業者を使った税逃れに網をかける。
仮想通貨の売却などで得た利益は日本では原則「雑所得」として所得税の確定申告が必要だ。海外の交換業者での取引も対象だが、現状は本人の申告によるところが大きい。
かねて脱税や申告漏れの温床となっているとの指摘が国内外であった。経済協力開発機構(OECD)は22年、各国の税務当局間で仮想通貨の取引情報を共有する「暗号資産等報告枠組み(CARF)」を新たに設けた。
日本政府は24年度の税制改正で租税条約実施特例法を見直すなどの体制整備に着手した。国税庁は26年分から国内業者に対して顧客情報を報告するよう求め、27年から海外当局との共有を始める。報告に応じない業者には罰則を課す。
初年は英国やフランスなど54カ国・地域で情報交換し、28年には米国なども加わる見込みだ。報告内容は利用者の氏名や実際の居住国、取引の総額などを想定する。交換した情報から申告していない利益が見つかれば課税する。
海外当局との情報共有を前に、国税庁は取引監視に力を入れている。23事務年度は仮想通貨取引に絡み535件の税務調査を実施した。申告漏れ所得金額は126億円、追徴税額は35億円だった。
足元ではトランプ米大統領が仮想通貨の利用を推進する大統領令に署名。規制緩和への期待から代表的な仮想通貨のビットコインの価格が最高値を更新するなど取引は再び活気づいている。
日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)によると、国内の仮想通貨の取引業者は24年12月末時点で31社。同年11月の仮想通貨の現物取引高は約2兆6705億円で、前年同月比で約2.9倍に膨らんだ。市場規模に伸びしろがあり、投資家らが新たな資産形成の手段として積極的な取引に乗り出している。
仮想通貨の税務に詳しい坂本新税理士は「日本の交換業者で取引できる仮想通貨の銘柄はそれほど多くない。海外で口座を開き、希望する銘柄を取引する人もいる」と指摘。「新制度には脱税・租税回避のほか、資金洗浄(マネーロンダリング)の防止なども期待できる」とみる。
海外業者の場合、日本では2倍までしかかけられないレバレッジを、より高い倍率でかけられるサービスもある。仮想通貨分析のビットゲットリサーチによると、日本でのアクティブトレーダーは約35万人。ある登録交換業者の社長はこの数字を基に「海外の交換業者やブロックチェーン(分散型台帳)基盤上で勝手に動くDeFi(分散型金融)サービスを使っている日本人は10万~50万人いるのではないか」と推測する。
中には日本で無登録のまま日本の居住者を顧客としている海外業者も存在する。無登録業者の場合、マネロン対策が徹底されていないだけでなく資産保護体制も未整備なケースが多い。金融庁は24年11月、セーシェルに拠点を置くKuCoin(クーコイン)など5社に警告した。
仮想通貨に先行し、銀行の口座情報などはすでに各国・地域間で共有する仕組みがある。OECDは14年に銀行や証券の口座情報に関する「共通報告基準(CRS)」を策定。日本も18年から情報共有を始めた。
国税庁が31日に公表した23事務年度の実績では日本に住む人の口座情報を93カ国・地域から約246万件受領し、口座残高の総額は約14兆2000億円に上った。税務調査で情報を活用し、多額の申告漏れの指摘につながったケースもある。
外国に5千万円を超える資産を持つ人には「国外財産調書」の提出も14年から義務付けている。23年分は提出件数が1万3243件、総額で6兆4897億円といずれも過去最高だった。
各国が協調して監視を強める海外資産を使った税逃れやマネロン。今後は新たに仮想通貨の取引にも網がかかることになる。国税庁の担当者は「CARFはいわば『仮想通貨版のCRS』だ。税務調査の端緒としての効果は期待できる」と話している。
(斉陸、関口慶太)
【関連記事】
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<東証>住信SBI銀が上場来高値 Baas好調で[2025/01/31 15:21 日経速報ニュース 451文字 ]
(15時15分、スタンダード、コード7163)住信SBI銀が急伸している。午前に前日比535円(12.31%)高の4880円を付け、上場来高値を更新した。午後も高い。30日発表した2024年4~12月期の連結決算は、純利益が前年同期比7%増の195億円だった。銀行機能を外部企業に提供する「Baas(バンキング・アズ・ア・サービス)」事業の拡大などが好感され、買いを集めている。
Baas事業の業務粗利益は約5割増の92億円と伸長した。本業のもうけを示す実質業務純益(単体)は14%増の270億円だった。デジタルバンク事業については、資金運用収益の増加に加え、主力事業である住宅ローンの実行による貸出事務手数料や振込やデビットカードなどの決済関連手数料の増加などが寄与した。
市場では「Baasが好調だった点が評価できるほか、同社は住宅ローン融資も行っており、日銀の利上げ継続の思惑も株価の追い風となっている」(国内シンクタンクの研究員)との声が聞かれた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
auCL、au PAYマーケットの「不正ゼロ」で安心・安全に買い物できる売り場づくりの実現に向けた取り組みについて発表[2025/01/31 14:00 日経速報ニュース 829文字 PDF有 画像有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月31日
au PAYマーケットの「不正ゼロ」で安心・安全にお買い物できる売り場づくりの実現に向けた取り組みについて
~やらせレビューは年間20万件を削除、偽造品・模倣品対策はブランド権利者と共に対策強化~
auコマース&ライフ株式会社(以下、当社)は、総合ショッピングサイト「au PAYマーケット」において、「不正ゼロ」で安心・安全にお買い物できる売り場づくりの実現に向けた取り組みを推進しています。
今般、当社が2024年度において推進している不正対策強化のための5つの取り組みをご紹介します。
*参考画像は添付の関連資料を参照
■取り組みの背景
コロナ禍でEC利用が定着して以降、日本の国内EC市場規模は年々拡大を続けており、経済産業省の調査によると、2023年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は24.8兆円となり、今後も伸長する(※1)ことが予想されます。
一方で、ECサイトでの買い物においては、クレジットカードの不正利用や偽造品・模倣品の蔓延など、トラブルが多発しています。実際に国内ECサイトのクレジットカード不正利用額は2023年に540.9億円、2024年上半期(1月~6月)に268.2億円で過去最多(※2)というデータもあります。
当社では、「共に創る不正ゼロの安心と信頼のプラットフォーム」をスローガンに、お客さまへ安心・安全な売り場をご提供するため、店舗さまと共にサイト健全化に向けて取り組みを強化しています。
*以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach/686236/01_202501311348.jpg
添付リリース
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ビットコインとイーサリアム複合ETFが前進 SECが上場を初期承認[2025/01/31 13:20 日経速報ニュース 488文字 ]
米証券取引委員会(SEC)は米東部時間30日、米資産運用会社ビットワイズによる暗号資産(仮想通貨)のビットコインとイーサリアムの現物を組み合わせて運用する複合上場投資信託(ETF)の上場について、第1段階の審査で承認した。ほぼ1カ月前には同業のフランクリン・テンプルトンやハッシュデックスによる同様の複合ETFが承認されており、SECは仮想通貨取引の承認手続きを迅速に進めていると受け止められた。
ビットワイズの複合ETFは、ビットコインとイーサリアムの比率が時価総額に基づく加重平均となる。ニューヨーク証券取引所(NYSE)傘下の電子取引所であるNYSE Arca(アーカー)に上場する予定だ。ブルームバーグ通信によると、SECは取引開始の全体的な手続きの1つとされるフォーム19bー4を今回承認しており、実際の取引開始には保留中のもう一つの登録申請の承認が必要となるという。SECでは仮想通貨業界に厳しいゲンスラー氏が20日付で委員長を退任しており、トランプ米大統領は仮想通貨推進派のポール・アトキンス氏を委員長に指名している。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
奈良県、養生訓ラップ動画 減塩・休養で健康寿命長く-データで読む地域再生 関西[2025/01/31 11:00 日経速報ニュース 1610文字 画像有 ]
厚生労働省の調査をもとに関西2府4県の男女平均の健康寿命をみると、2022年は滋賀がトップで京都、奈良が続く。10年と比べると和歌山を除く5府県が2年以上延ばした。健康になれる環境づくり、歩きたくなるまちづくりといった取り組みが成果を発揮している。
奈良県は健康寿命をさらに延ばそうと、効果的な啓発を模索する。そのひとつが24年11月、インターネット上に公開したショート動画「YOJO 1STEP」だ。ラップの軽快なリズムで適正飲酒や減塩、休養・睡眠などを呼びかける。江戸時代の儒学者、貝原益軒が健康な生活の教えをまとめた「養生訓」にちなむ。
体に優しい塩加減でベジ(野菜)を増やす「やさしおベジ増し」プロジェクトも展開中だ。24年10月には、管理栄養士を養成する県内の4大学の学生らでつくる「ヘルスチーム菜良(なら)協議会」とイオンリテールの協力を受けて「野菜のとれるお弁当」を販売した。
京都府の取り組みの特徴は「健康に関するデータを分析して、府内の全市町村向けに丁寧に支援している」(古川浩気・健康福祉部健康対策課長)ことだ。15年度にデータを収集・分析する「きょうと健康長寿・未病改善センター」を設置。18年度からデータに基づく対応策を提供してきた。
例えば「糖尿病の比率が高い」市町村には「働き盛りの世代が受診しやすい土日のメタボ健診」、「脳血管疾患の比率が高い」場合は「高血圧予防の減塩教室」といった具合だ。適切な塩加減と野菜摂取量向上を狙い、スーパーの売り場での啓発活動も展開する。
京都市は健康寿命の延伸に向けた取り組みに賛同する団体や企業が参加する「健康長寿のまち・京都市民会議」を16年に設立し、地域ぐるみで取り組む。主体的に活動している個人や団体を表彰している。
1月22日にあった24年度の表彰式で、松井孝治市長は「市の長期ビジョンや新京都戦略の策定を進めているが、究極の目標は市民が健康で長生きして幸せであること」と挨拶した。市は1日の歩数を1000歩増やす「プラスせんぽ」の推進など、市民・地域主体の健康行動の定着を図っている。
100歳以上の人口比率が全国平均の約3倍に上る京都府京丹後市。京都府立医科大学は17年から京丹後市立弥栄病院と協力し、65歳以上の高齢者を対象に長寿健診を実施し、研究を積み重ねている。
府立医大副学長の的場聖明・大学院医学研究科教授は「同居人数が少なくても、日々努力して体を動かすこと、歩くことが長生きの秘訣」と強調。1日あたり9000歩が目標だが「500歩よりも1000歩、1000歩よりも2000歩と伸ばせば効果がある」と話す。
大阪府の健康寿命の延びに寄与したとみられるのが、府が19年に開始した健康管理アプリ「アスマイル」だ。会員は50代を中心に府民約44万人に上る。
朝食や歯磨きの記録や歩数、健診結果などを入力すると、ポイントが付与される。たまると、電子マネーがあたるなどの特典がある。府内の国民健康保険加入者の特定健診受診率は3割程度だが、会員は約6割だった。
21年には特定健診データなどを活用した「健康予測AI」を搭載し、会員の活動記録によって生活習慣病の発症確率を算出する。また、アスマイルで取得した健康データを府内の大学に提供し、ヘルスケア分野などの研究にも役立てている。府の担当者は「今後も工夫を重ね、府民の継続的な健康づくり活動の促進を図っていきたい」と語る。
立命館大学副学長の伊坂忠夫・スポーツ健康科学部教授は「平均寿命と健康寿命の差などのデータに基づいた啓発が奏功し、運動する人々が増え、健康寿命が延びるという循環が生じている」と分析。平均的な数値を基本にしながらも「過去の運動歴など個人差は大きいので、個々の生活スタイルに合わせた取り組みを考え、楽しみながら続ける工夫が重要だ」と話している。
(小林茂、高田哲生、下田恵太)
【関連記事】健康寿命を延ばせ 静岡県、ビッグデータ使い男女とも1位
北海道中札内村、成果連動型「SIB」で健康寿命長く-データで読む地域再生 北海道[2025/01/31 11:00 日経速報ニュース 1287文字 画像有 ]
北海道内の自治体が住民の健康寿命を延ばす対策に力を入れている。民間事業者の取り組みに成果報酬を支払う仕組みで成果を引き出したり、無料で貸し出したスマートフォンにダウンロードした独自アプリで健康に関するデータを測定したりしている。
厚生労働省が国民生活基礎調査をもとに健康寿命を公表しており、公表データを基に男女平均の健康寿命を算出した。2022年の北海道の健康寿命は74.17歳と全国平均の74.01歳を上回った。10年比で2.56歳のびた。
江別市は政府の「デジタル田園都市国家構想推進交付金事業」の一環で、希望する市民にウエアラブル端末とスマートフォンを無料で貸与して健康を支援する取り組みを進めている。貸与期間は3年間で、希望すればその後も借りられる。市によると、足元で50~70代を中心に約8500人にウエアラブル端末を貸与しているという。
利用者は専用アプリ「eダイアリーアプリ」に体重や食事などを記録する。入力データは人工知能(AI)が分析し、別のアプリ「eライフトレーナー」を通じて個人に健康アドバイスが届く。分析には北海道情報大学(江別市)の研究成果が生かされている。eライフトレーナーでは普段の食事の取り方に関する助言をアプリに表示する。
民間の知見を生かす仕組みを取り入れるのは中札内村だ。運動習慣がない人にも運動をしてもらおうと、24年度から「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」の枠組みを活用した取り組みを始めた。民間事業者の提案に基づいて事業を実施し、事業の成果に応じて自治体が報酬を支払う仕組みだ。
帯広畜産大学系の一般社団法人、ちくだいKIPがSIBの事業を担う。運動強度などが異なるプログラムを4コース用意。ストレッチとパーソナルトレーニングを組み合わせた「からだメンテナンスコース」や、運動後に参加者同士で酒ものめる「おわったらカンパイコース」などへの住民の参加を促す。各コースとも定員は25人としているが、定員を超えることもあるという。
ちくだいKIPの村田浩一郎理事は「何かしら付加価値をつけて運動をしてもらえるきっかけになってほしい。将来は地元信金や団体などを巻き込んでいきたい」と意気込む。村の担当者は「民間ならではのアイデアを活用して運動習慣を身につけてもらい、医療費抑制にもつなげられれば」と話す。
札幌市は高齢者が地下鉄やバスに乗る際に使う「敬老優待乗車証制度(敬老パス)」の見直しに伴い、高齢者に外出する機会を促す専用アプリを開発中だ。歩いたり、ボランティア活動に参加したりするとポイントがたまり、公共交通機関で使える電子マネーに変えられる。歩く習慣を早いうちから身につけてもらうため40歳以上からアプリを使えるようにするが、64歳までは電子マネーとしては使えない。
市は10年間のまちづくり計画である「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン」で「ウェルネス」を重要概念の一つにおいている。市はサツドラホールディングスなど30社以上と協定を結び、市民の健康寿命を延ばすことに関わる情報発信などで協力している。
(燧芽実)
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トランプ2.0「原油増産もインフレやまず」丸紅経済社長-米政権と市場の見方[2025/01/31 10:46 日経速報ニュース 3100文字 画像有 ]
トランプ米大統領が就任して1週間あまり。追加関税を巡る発言などが世界の金融市場を揺らす「トランプ劇場」は2期目も健在だ。就任後のここまでの動きや今後をどうみるか。米国駐在時に1期目の就任演説を聞き、米国の経済・政治に詳しい丸紅経済研究所の今村卓社長に、トランプ政権の政策や日本製鉄が目指すUSスチール買収について聞いた。
――トランプ氏の大統領就任以降の印象は。
「今回の就任式は余裕がある印象だった。『米国の殺りくは今ここで止まる』と発言した1期目の就任演説と比べて、今回は『米国の黄金時代はいま始まる』と前向きな表現になった。4年間大統領を務めた経験を経て余裕が出たようにみえる。インフレへの対応に苦慮するバイデン前大統領を目にして返り咲きに自信を持ち、2期目にじっくり備えていたのではないか。ただし、2024年11月の米大統領選でトランプ氏は圧勝したわけでない。過信には注意が必要だ」
――トランプ氏は就任演説で化石燃料について『ドリル・ベイビー・ドリル(掘って掘って掘りまくる)』と述べたが、もくろみ通りにインフレを抑え込めるか。
「化石燃料の増産だけでインフレが収まるとは考えにくい。米国のシェール企業の損益分岐点は、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の原油先物価格で1バレル=65ドル前後と高い。掘削すればすぐに油が出てくるような良質な油田はかなり掘り尽くした。米政府が増産を求めても、損失を出してまで採掘する業者はいないだろう」
「昨年の大統領選では、バイデン前政権下で高まったインフレに対する不満からトランプ氏を支持した国民も多い。トランプ氏がそうした不満を解消できなければ支持率が低下する可能性もある。中間選挙が控える26年まで、それほど時間的な余裕があるわけではない」
――トランプ政権での経済関係の人事をどうみるか。
「関税政策では2つの勢力がある。1つは強硬な『MAGA(Make America Great Again)派』だ。ピーター・ナバロ大統領上級顧問や商務長官に指名されたハワード・ラトニック氏が筆頭格だ。米国への輸入品に関税をかけて相手国の競争力を削ぎ、米国の製造業を救う方針を持つ。米国での生産を促し、労働者階級への良質な仕事を生み出す考え方だ。割安な製品を求める消費者が労働者を犠牲にしているという、同派の主張は米国内で説得力を持っている。前に『緊急事態宣言』を出して大統領権限による一律関税の導入を検討すると米メディアが報じたが、MAGA派の意向だろう」
「もう1つは比較的穏健な市場重視派だ。スコット・ベッセント財務長官や国家経済会議(NEC)委員長候補のケビン・ハセット氏が該当する。品目を限定して関税を課す考えのようだ。トランプ氏は就任初日に不公正な貿易慣行や通貨政策がないか調査を命じる大統領に署名し、公約に掲げていた対中関税の即時発動は見送った。トランプ氏が経済の安定を優先して、市場重視派の考えを尊重した結果ではないか。トランプ氏は1期目でも通商法301条に基づく関税発動にあたり、不公正な貿易慣行などを調査したうえで、中国側に米国製品の輸入目標を作らせて交渉の余地を与えた経緯がある。2期目についても、まず経済への影響にも配慮した現実路線で進めていく方針なのだろう」
――金融市場で期待の高い減税政策や規制緩和は具体策がみえてこない。先ほど話に出た関税や不法移民対策など不透明感が先行し、日本株のリスクにならないか。
「トランプ氏に対する金融市場の見方は楽観的過ぎたのではないか。就任演説をみるかぎり、減税や規制緩和の優先順位は低かった。労働者階級の支持をつなぎ留めるにあたって、すぐに成果が出やすい不法移民の強制送還や流入規制強化が優先された。移民が減ればインフレ圧力につながる。労働者階級のなかには不法移民がいなくなれば自分たちの賃金が上がるとの見方があるが、誤りだ。不法移民が従事するのは住宅の建設現場など肉体的な負担が重い仕事だ。移民を追い出しても労働者がそうした仕事に進んで就くとは考えにくい。消費性向が高い移民が減れば購買力が落ち込むため、米景気にとってマイナスだ」
「もうひとつトランプ政権が重視する関税についても、実際に引き上げずに相手国の譲歩を引き出すディール(取引)の材料にするだけでは、一般的な労働者階級には恩恵がない。例えば、関税引き上げをちらつかせて相手国に農産品の輸入拡大をのませただけでは、恩恵を受けるのは農産物の生産者だけだ。こうしたケースが増えると、労働者階級からの支持がトランプ政権から離れるかもしれない」
「不法移民対策や関税政策に不透明感があるとはいえ、AI(人工知能)や暗号資産(仮想通貨)に関連した業界の規制緩和など、米国の経済活性化につながる政策には期待が残る。日本には景気回復や賃上げによる消費回復、企業のガバナンス改革による収益構造の改善など固有の好材料もある。日経平均株価が年内に昨年7月に付けた最高値(4万2224円)を試す展開はありうる」
――株式市場で話題を集めた日本製鉄によるUSスチール買収方針は政治問題化し、法廷闘争に発展した。
「今回の場合、日本製鉄が買収のタイミングを選べたわけではない。USスチールが日本製鉄への身売りを決めたのが23年12月で、買収交渉の期間が24年の米大統領選のタイミングと運悪く重なっただけだ。激戦州のペンシルベニア州に組合員を抱える全米鉄鋼労働組合(USW)の支持獲得を目指す、共和党と民主党の票取りに巻き込まれた格好だ。米国の鉄鋼業界は関税で守られた閉鎖的な市場で、中国が過剰生産する鋼材の流入が抑えられている。日本製鉄がUSスチールの買収により、収益を得やすい米国の鉄鋼市場で一定のシェアを取りに行くことは非常に合理的だ」
「バイデン前大統領の買収阻止命令は『国家安全保障』を単なる口実にしたに過ぎない。鉄鋼は軍事技術でも使われるが、その比率は微々たるものだ。日本製鉄がUSスチールを買収せずに鉄鋼の減産をもたらすリスクの方が大きい。米国の鉄鋼メーカーは関税に守られた結果、副作用として技術革新に向けた投資を怠り、競争力が低下した。トランプ政権下でも米国の鉄鋼産業の厳しさが認識されなければ、買収阻止命令を無効にして対米外国投資委員会(CFIUS)に再審査を求めるのは難しいだろう」
「同盟国である日本企業による米企業買収を阻止する初めてのケースとあって、日本製鉄の訴訟は未知の領域だが、『国家安全保障』を巡る定義が焦点となる。このままでは、『国家安全保障』を盾にすれば政権側の言い分が何でも通ってしまう恐れがある。何を根拠にCFIUSや大統領が買収を阻止するのか、目安が示されることが重要だ。仮に買収阻止命令の無効やCFIUSの再審査が認められなくても、裁判を通じて『今回は極めて例外的なケース』であるとの判断が出る可能性もある。買収阻止の理由を明確にするためにも、訴訟そのものに十分な意味がある」
今村 卓(いまむら・たかし)氏の略歴 2008年から17年まで丸紅米国会社ワシントン事務所長。17年からは丸紅経済研究所を率いて、米国政治経済から世界経済、国際政治、経済安全保障まで分析、論説する。21年から25年までアジア太平洋経済協力会議(APEC)ビジネス諮問委員会(ABAC)日本代理委員。23年から日本経済団体連合会外交委員会企画部会長を務める。一橋大学商学部商学科卒業。
〔日経QUICKニュース(NQN) 池田幹〕
<米国・時間外>ビザ高い 10~12月期の営業収益拡大 個人支出は健全[2025/01/31 09:04 日経速報ニュース 421文字 ]
(コード@V/U)30日夕の米株式市場の時間外取引で、クレジットカードのビザが上昇している。通常取引を前日比2.13%高の343.05ドルで終えた後、時間外では一時352ドル台半ばまで買われて終値を3%近く上回った。同日夕に発表した2024年10~12月期決算で事業会社の売上高にあたる営業収益などが市場予想を上回り、好感された。
10~12月期の営業収益は前年同期比10%増の95億1000万ドルと、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(93億4000万ドル)以上だった。国境をまたぐクロスボーダーの取引高が16%増えて、決済取扱高は9%伸びた。ライアン・マキナニー最高経営責任者(CEO)は決算資料で業績について「ホリデーシーズンの健全な個人支出を反映した」とコメントした。純利益は5%増の51億1900万ドル。特別項目を除く1株利益は2.75ドルと市場予想(2.66ドル)を上回った。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
トランプ2.0を聞く「原油増産でインフレ収まらず」・丸紅経済研の今村社長[2025/01/31 08:23 日経速報ニュース 3200文字 ]
トランプ米大統領が就任して1週間あまり。追加関税を巡る発言などが世界の金融市場を揺らす「トランプ劇場」は2期目も健在だ。就任後のここまでの動きや今後をどうみるか。米国駐在時に1期目の就任演説を聞き、米国の経済・政治に詳しい丸紅経済研究所の今村卓社長に、トランプ政権の政策や日本製鉄が目指すUSスチール買収について聞いた。
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――トランプ氏の大統領就任以降の印象は。
「今回の就任式は余裕がある印象だった。『米国の殺りくは今ここで止まる』と発言した1期目の就任演説と比べて、今回は『米国の黄金時代はいま始まる』と前向きな表現になった。4年間大統領を務めた経験を経て余裕が出たようにみえる。インフレへの対応に苦慮するバイデン前大統領を目にして返り咲きに自信を持ち、2期目にじっくり備えていたのではないか。ただし、2024年11月の米大統領選でトランプ氏は圧勝したわけでない。過信には注意が必要だ」
――トランプ氏は就任演説で化石燃料について『ドリル・ベイビー・ドリル(掘って掘って掘りまくる)』と述べたが、もくろみ通りにインフレを抑え込めるか。
「化石燃料の増産だけでインフレが収まるとは考えにくい。米国のシェール企業の損益分岐点は、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の原油先物価格で1バレル=65ドル前後と高い。掘削すればすぐに油が出てくるような良質な油田はかなり掘り尽くした。米政府が増産を求めても、損失を出してまで採掘する業者はいないだろう」
「昨年の大統領選では、バイデン前政権下で高まったインフレに対する不満からトランプ氏を支持した国民も多い。トランプ氏がそうした不満を解消できなければ支持率が低下する可能性もある。中間選挙が控える26年まで、それほど時間的な余裕があるわけではない」
――トランプ政権での経済関係の人事をどうみるか。
「関税政策では2つの勢力がある。1つは強硬な『MAGA(Make America Great Again)派』だ。ピーター・ナバロ大統領上級顧問や商務長官に指名されたハワード・ラトニック氏が筆頭格だ。米国への輸入品に関税をかけて相手国の競争力を削ぎ、米国の製造業を救う方針を持つ。米国での生産を促し、労働者階級への良質な仕事を生み出す考え方だ。割安な製品を求める消費者が労働者を犠牲にしているという、同派の主張は米国内で説得力を持っている。前に『緊急事態宣言』を出して大統領権限による一律関税の導入を検討すると米メディアが報じたが、MAGA派の意向だろう」
「もう1つは比較的穏健な市場重視派だ。スコット・ベッセント財務長官や国家経済会議(NEC)委員長候補のケビン・ハセット氏が該当する。品目を限定して関税を課す考えのようだ。トランプ氏は就任初日に不公正な貿易慣行や通貨政策がないか調査を命じる大統領に署名し、公約に掲げていた対中関税の即時発動は見送った。トランプ氏が経済の安定を優先して、市場重視派の考えを尊重した結果ではないか。トランプ氏は1期目でも通商法301条に基づく関税発動にあたり、不公正な貿易慣行などを調査したうえで、中国側に米国製品の輸入目標を作らせて交渉の余地を与えた経緯がある。2期目についても、まず経済への影響にも配慮した現実路線で進めていく方針なのだろう」
――金融市場で期待の高い減税政策や規制緩和は具体策がみえてこない。先ほど話に出た関税や不法移民対策など不透明感が先行し、日本株のリスクにならないか。
「トランプ氏に対する金融市場の見方は楽観的過ぎたのではないか。就任演説をみるかぎり、減税や規制緩和の優先順位は低かった。労働者階級の支持をつなぎ留めるにあたって、すぐに成果が出やすい不法移民の強制送還や流入規制強化が優先された。移民が減ればインフレ圧力につながる。労働者階級のなかには不法移民がいなくなれば自分たちの賃金が上がるとの見方があるが、誤りだ。不法移民が従事するのは住宅の建設現場など肉体的な負担が重い仕事だ。移民を追い出しても労働者がそうした仕事に進んで就くとは考えにくい。消費性向が高い移民が減れば購買力が落ち込むため、米景気にとってマイナスだ」
「もうひとつトランプ政権が重視する関税についても、実際に引き上げずに相手国の譲歩を引き出すディール(取引)の材料にするだけでは、一般的な労働者階級には恩恵がない。例えば、関税引き上げをちらつかせて相手国に農産品の輸入拡大をのませただけでは、恩恵を受けるのは農産物の生産者だけだ。こうしたケースが増えると、労働者階級からの支持がトランプ政権から離れるかもしれない」
「不法移民対策や関税政策に不透明感があるとはいえ、AI(人工知能)や暗号資産(仮想通貨)に関連した業界の規制緩和など、米国の経済活性化につながる政策には期待が残る。日本には景気回復や賃上げによる消費回復、企業のガバナンス改革による収益構造の改善など固有の好材料もある。日経平均株価が年内に昨年7月に付けた最高値(4万2224円)を試す展開はありうる」
――株式市場で話題を集めた日本製鉄によるUSスチール買収方針は政治問題化し、法廷闘争に発展した。
「今回の場合、日本製鉄が買収のタイミングを選べたわけではない。USスチールが日本製鉄への身売りを決めたのが23年12月で、買収交渉の期間が24年の米大統領選のタイミングと運悪く重なっただけだ。激戦州のペンシルベニア州に組合員を抱える全米鉄鋼労働組合(USW)の支持獲得を目指す、共和党と民主党の票取りに巻き込まれた格好だ。米国の鉄鋼業界は関税で守られた閉鎖的な市場で、中国が過剰生産する鋼材の流入が抑えられている。日本製鉄がUSスチールの買収により、収益を得やすい米国の鉄鋼市場で一定のシェアを取りに行くことは非常に合理的だ」
「バイデン前大統領の買収阻止命令は『国家安全保障』を単なる口実にしたに過ぎない。鉄鋼は軍事技術でも使われるが、その比率は微々たるものだ。日本製鉄がUSスチールを買収せずに鉄鋼の減産をもたらすリスクの方が大きい。米国の鉄鋼メーカーは関税に守られた結果、副作用として技術革新に向けた投資を怠り、競争力が低下した。トランプ政権下でも米国の鉄鋼産業の厳しさが認識されなければ、買収阻止命令を無効にして対米外国投資委員会(CFIUS)に再審査を求めるのは難しいだろう」
「同盟国である日本企業による米企業買収を阻止する初めてのケースとあって、日本製鉄の訴訟は未知の領域だが、『国家安全保障』を巡る定義が焦点となる。このままでは、『国家安全保障』を盾にすれば政権側の言い分が何でも通ってしまう恐れがある。何を根拠にCFIUSや大統領が買収を阻止するのか、目安が示されることが重要だ。仮に買収阻止命令の無効やCFIUSの再審査が認められなくても、裁判を通じて『今回は極めて例外的なケース』であるとの判断が出る可能性もある。買収阻止の理由を明確にするためにも、訴訟そのものに十分な意味がある」
今村 卓(いまむら・たかし)氏の略歴 2008年から17年まで丸紅米国会社ワシントン事務所長。17年からは丸紅経済研究所を率いて、米国政治経済から世界経済、国際政治、経済安全保障まで分析、論説する。21年から25年までアジア太平洋経済協力会議(APEC)ビジネス諮問委員会(ABAC)日本代理委員。23年から日本経済団体連合会外交委員会企画部会長を務める。一橋大学商学部商学科卒業。
〔日経QUICKニュース(NQN) 池田幹〕
NY株ハイライト テスラはビットコイン関連株か、評価額6倍10億ドル[2025/01/31 08:09 日経速報ニュース 1252文字 画像有 ]
【NQNニューヨーク=川上純平】30日の米株式市場ではテスラの株価が方向感に欠けた。前日夕に発表した2024年10~12月期決算と見通しが強弱入り交じる内容だったためだ。新たに適用した会計規則で暗号資産(仮想通貨)を収益に反映し始めたのもあり、投資家は株価の先行きを読みあぐねている。
テスラは24年10~12月期に代表的な仮想通貨であるビットコインを含む「デジタル資産」の評価額を10億7600万ドルと計上し、24年7~9月期(1億8400万ドル)の6倍に引き上げた。さらにビットコインによる純利益の押し上げ額が6億ドルになったと明らかにした。24年10~12月期決算での純利益(23億1700万ドル)の4分の1に相当する。
米財務会計基準審議会(FASB)は財務情報をより適切に反映することを目的に、25年から始まる四半期までに仮想通貨の時価評価を始めることを企業に求めている。テスラはこれを適用したようだ。これまでは仮想通貨の保有期間中に記録した最低額を報告することになっており、評価額は一気に跳ね上がった。
24年10~12月期はテスラの特別項目を除く1株利益は0.73ドルだったが、市場では「ビットコインから生じた6億ドルを含んだ利益で、それを除けば我々の予想より大幅に弱い」(バンク・オブ・アメリカ)との指摘がある。エバコアISIのアナリストは一時的な収益を差し引けば1株利益が0.53~0.56ドルになると分析。QUICK・ファクトセットの集計では、市場予想は0.77ドルだった。
仮想通貨情報サイトのコインデスクによれば、ビットコイン価格は昨年10~12月に6割ほど上昇した。トランプ氏が昨年11月の米大統領選で仮想通貨を支持する姿勢を示したためだ。実際、大統領に就任した後は仮想通貨の利用を推進する大統領令に署名。ビットコイン価格は足元で12月末よりもさらに水準を切り上げている。
テスラの経営陣は「今後も四半期ごとにデジタル資産を時価評価する」と説明した。世界中の仮想通貨保有量を追跡する「ビットコイン・トレジャリーズ」によると、テスラのビットコイン保有量は上場企業で6番目に大きい。テスラは「ビットコイン関連銘柄」の様相を呈し、株価変動が大きくなるかもしれない。
肝心の本業はさえない。24年10~12月期は電気自動車(EV)の売上高が前年同期比で8%減少した。需要鈍化に値下げで対抗し、売上高総利益率も悪化した。ニーダムは「25年も業界全体で新車の販促が続くとみられ、利益率に一段と低下圧力がかかる」と指摘する。ただ、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が完全自動運転サービスを早期に始めると明らかにするなどし、決算は総じて強弱材料が混在した。
30日はテスラの株価が前日比2.8%高で終えたが、取引時間中は下げに転じる場面もあった。自動運転の規制緩和に影響力を強めるマスク氏の言動やEV、ビットコイン――。株価の先行きを見極める上での不透明要素は増えている。
クレジットカードのマスターカード(@MA/U) △3.13%[2025/01/31 08:05 日経速報ニュース 204文字 ]
◎クレジットカードのマスターカード(@MA/U) △3.13%
【NQNニューヨーク】30日発表の2024年10~12月期決算で売上高や特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。決済取扱高や国境をまたぐクロスボーダーの取引高が堅調に伸びた。1月も良好な流れが続いているとの見方も示した。キーバンク・キャピタル・マーケッツは米国の取扱高の伸びが加速していることも、投資家から「高く評価される」と受け止めた。
米個別株騰落 IBM12.9%高 ウエスタンデジタル4.7%高 UPS14.1%安[2025/01/31 07:10 日経速報ニュース 2130文字 ]
【NQNニューヨーク=戸部実華】30日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎IBM(@IBM/U) △12.96%
29日夕発表の2024年10~12月期決算で特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。人工知能(AI)関連の需要が収益を支えた。25年12月期通期の売上高は為替変動を除くベースで前期比5%以上増えるとの見通しを示した。市場は4%程度を見込んでいた。ソフトウエアの堅調が続き、後半には企業の基幹業務で使うメインフレーム(大型汎用機)も強含むとみる。決算を受け、複数のアナリストが目標株価を引き上げた。
◎半導体メモリーのウエスタンデジタル(@WDC/U) △4.74%
29日夕に発表した24年10~12月期決算で売上高が市場予想を上回った。データセンター向けの主力のクラウド部門が前年同期から大幅に伸びた。NAND型フラッシュメモリーの平均販売価格の下落などを背景に25年1~3月期の収益見通しは市場予想に届かなかった。ただ、市場では米国のハイパースケーラーを中心とする需要を追い風にハードディスクドライブ(HDD)への収益期待が指摘された。
◎メタプラットフォームズ(@META/U) △1.55%
29日夕発表の24年10~12月期決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った。ネット広告収入が好調だった。AIに積極投資するなか「25年を通じて力強い売上高の伸びをもたらす機会を得る」と見込む。中国の生成AI企業DeepSeek(ディープシーク)の台頭による設備投資などへの影響を判断するのは時期尚早との考えも示した。バンク・オブ・アメリカは「AIの収益化サイクルはまだ初期段階」と指摘。複数のアナリストが目標株価を上方修正した。
◎カジノのラスベガス・サンズ(@LVS/U) △11.07%
29日夕に発表した24年10~12月期決算で売上高が市場予想を上回った。シンガポール事業が市場予想以上だった。主力のマカオ事業は市場予想に届かなかったものの、一部施設の改修などが一時的に響いたとの受け止めがあった。シティグループはシンガポール事業は引き続き成長を維持し、マカオ事業も回復がみられるとみて、目標株価を引き上げた。
◎クレジットカードのマスターカード(@MA/U) △3.13%
30日発表の24年10~12月期決算で売上高や特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。決済取扱高や国境をまたぐクロスボーダーの取引高が堅調に伸びた。1月も良好な流れが続いているとの見方も示した。キーバンク・キャピタル・マーケッツは米国の取扱高の伸びが加速していることも、投資家から「高く評価される」と受け止めた。
◎テスラ(@TSLA/U) △2.87%
29日夕に発表した24年10~12月期決算で電気自動車(EV)の販売が振るわず、市場予想を下回る内容となった。もっとも、説明会で「完全(高度運転支援システム)フルセルフドライビング(FSD)の有料サービスを6月にも(テキサス州)オースティンで開始する」と明らかにした。年末にかけてカリフォルニア州など他地域に広げる計画といい、市場では想定よりも早い展開への期待が広がった。
◎物流のUPS(@UPS/U) ▲14.11%
30日に発表した24年10~12月期決算で売上高が市場予想を下回った。法人向けサプライチェーン関連が振るわなかった。25年12月期通期の売上高見通しも市場予想に届かなかった。併せてアマゾン・ドット・コムと26年6月までに輸送量を50%以上減らすことで合意したと発表した。今後の収益に影響するとの懸念が広がった。
◎クラウド業務管理のサービスナウ(@NOW/U) ▲11.44%
29日夕に発表した24年10~12月期決算でサブスクリプション(定額課金型)収入などが市場予想を下回った。25年1~3月期と12月期通期もサブスクリプション収入の見通しが市場予想に届かなかった。決算を受け、アナリストからはAIを利用したサービスや大口顧客の契約の伸びへの評価がみられたが、収益が切り上がっていた期待値に届かなかったと受け止められた。
◎建機のキャタピラー(@CAT/U) ▲4.64%
30日発表の24年10~12月期決算で売上高が市場予想以上に前年同期から減った。ディーラーの在庫調整が響き、販売量が減少した。建機や鉱山機械、エネルギー・輸送機器といった各部門が軒並み減収となった。25年12月期通期は小幅な減収を見込むという。市場は前期比1%ほどの増収を予想していた。
◎マイクロソフト(@MSFT/U) ▲6.18%
29日夕に発表した24年10~12月期決算は市場予想を上回ったものの、25年1~3月期の売上高見通しは市場予想に届かなかった。成長をけん引するクラウド基盤の「アジュール」の24年10~12月期の為替変動を除く増収率は7~9月期から減速したうえ、25年1~3月期の増収率見通しも市場予想を下回った。AI関連の需要は堅調ながら、それ以外の分野が低調との見方もあり、一部のアナリストは目標株価を引き下げた。
Z世代の投資、SNSが情報源 日本国内の詐欺被害3.1倍に-YOUTH FINANCE⑳[2025/01/31 05:00 日経速報ニュース 1611文字 画像有 ]
金融(Finance)とインフルエンサーをあわせた造語「フィンフルエンサー」。SNSなどで金融や投資に関する知識を発信する人を指す。ソーシャルメディアの情報を中心に投資するデジタルネーティブの若年層が金融トラブルに巻き込まれないよう、フィンフルエンサーに対応を促す動きが広がっている。
■米国の18~25歳、投資で最も使うのはソーシャルメディア
「ファイナンシャルアドバイザーが出す記事や、新聞メディアなど知名度が高い情報源を利用するよう心がけている」。米テキサス州の航空学校で働くローシャンさん(23)は、投資を考える際、ソーシャルメディア上の情報元を慎重に選んでいると明かす。
証券アナリストの業界団体、米CFA協会が18~25歳を対象に調査したところ、56%が投資経験があると回答した。その人たちに金融や投資について学ぶ際に最も使う情報源を聞くと、SNSなどのソーシャルメディアが48%で最も高かった。
「高リスク商品の推奨や情報の不透明性といったリスクがある」。証券監督当局の国際機関である証券監督者国際機構(IOSCO)は2024年11月に公表したフィンフルエンサーに関する市中協議文書で、発信される情報についてこう指摘した。
各国では既に対応策がとられている。フランスではインフルエンサーが外国為替証拠金取引(FX)や暗号資産(仮想通貨)などの高リスク商品を宣伝することを禁じる法律を施行した。違反した場合、2年の禁錮刑と30万ユーロまでの罰金が科される可能性がある。
英国の金融行動監視機構(FCA)は24年3月、フィンフルエンサーや広告を依頼する企業に対し、順守すべき項目を示すガイダンスを公表した。例えば、金融商品を宣伝する際にリターンだけではなく、リスクも明示することを求めた。
欧州は個人投資家を保護する姿勢が強い。大和総研の谷京研究員は「08年のリーマン・ショックを発端とする金融危機以降、資本市場に対する信頼確保に向け、消費者保護に近い文脈で投資家保護を進めてきた」と指摘する。
■金融庁、虚偽情報の投稿主に課徴金
日本では現状、フィンフルエンサーに新たに規制をもうけるといった動きはない。金融商品取引法やステルスマーケティングを規制する景品表示法といった枠組みが整備されているためだ。
ただ、ソーシャルメディア上で真偽が不透明な情報が発信されている状況は日本も同じ。金融庁は24年9月、インターネット上の金融情報サイトに虚偽の情報を投稿し、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズの株価を上昇させた事案を巡り、投稿主に209万円の課徴金の納付を命じた。
大和総研の森駿介研究員は「ソーシャルメディア上の虚偽の情報で株価が変動する事例が相次ぐと、資本市場への信頼性が失われ、個人の資産形成を阻害する要因になりうる」と指摘する。
SNS型投資詐欺も増加傾向にある。24年1~11月の被害件数は前年同期比3.1倍の5939件だった。金融庁は24年の金融行政方針で、金融犯罪の被害を防止するための対策を進める方針を明記した。
投資の際にソーシャルメディア上のコンテンツを参考にする若者は多い。大手メーカーに勤める関根周さん(仮名・23)は大学の時からユーチューブで投資の勉強を始めた。わかりやすいコンテンツが多く、倍速機能で効率よく学べるのが魅力という。
今は個別株のほか、仮想通貨にも投資をしている。関根さんは「ソーシャルメディア上の仮想通貨の情報は虚偽のものも多いのが実情だ。情報源を取捨選択していくことが重要」とみている。
虚偽の情報も、有益でわかりやすい情報も混在するソーシャルメディア。国内の首長選挙などをみてもその存在感は若者を中心に、高まる傾向にある。投資家の保護と、有益な情報への接点の拡大をいかに両立するか。「貯蓄から投資」の流れが加速するポイントの一つになりそうだ。
(城川和真)
【YOUTH FINANCE まとめ読み】
①~③働き方、資産形成に悩む20代 答えは同世代の声にあり
④~⑥「推し活」と金融 人気歌手LiSAライブのNFTから読み解く
⑦~⑪「部下ガチャ」と言われぬように… ある若者の葛藤
⑫~⑯20代が語るクレカの基準「ライフスタイルが充実するか」
⑰Z世代が変える住宅ローンの常識 「フラット50」2.6倍
⑱脱毛サロン倒産最多、未返金リスクで都度払い選ぶ若者も
⑲海外志望なら国内金融機関? 英米勤務確約の新卒採用
ビットコイン、大義みえぬ米政府備蓄 期待しすぎに注意-トランプストーム・赤く染まる市場⑤[2025/01/31 05:00 日経速報ニュース 1434文字 画像有 ]
「Big things are coming(大きな出来事がやってくる)」――。米国時間23日夜、米共和党のシンシア・ルミス上院議員がX(旧ツイッター)でつぶやくと、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格が跳ね上がった。
「Big」の「B」をビットコインのシンボルマークで表記した投稿に、SNS上では「準備金のことか」と期待に満ちた反応が相次いだ。
米国にビットコイン準備金構想
トランプ米大統領や多くの共和党議員は仮想通貨業界から多額の献金を受け、新政権は公約の一つに仮想通貨業界の振興を掲げる。市場関係者が固唾をのんで見守る政策が、米政府によるビットコインの準備金構想だ。
構想の焦点は大きく2つ。1つが、米司法省が管理する約20万BTC(ビットコインの単位)の取り扱い。違法取引の摘発などで押収したものだ。売却して被害者補償や政府歳入に充てるのが一般的だが、トランプ氏は選挙期間中の2024年7月に「売却せず国家戦略的な備蓄に充てる」と発言した。
もう1つが、トランプ氏の宣言に呼応してルミス議員が7月末に提出した「24年ビットコイン法」の行方だ。年間20万BTCを上限に5年で合計100万BTCを購入することを米財務省に義務付ける。司法省が押収した約20万BTCも備蓄に加えるよう提案する。
ルミス議員は法案の提出者だけにSNSへの投稿は思惑を呼んだ。蓋を開けると上院銀行委員会のデジタル資産専門委員会の議長に任命されたことで、準備金構想とは無関係だった。同日にトランプ氏が署名した大統領令も「国家デジタル資産備蓄の創設・維持の可能性を評価する」という具体性を欠く内容で失望売りを誘った。
何のため?納得感乏しく
法案成立はハードルが高い。第1に、上院(定数100)では共和党は53議席で、単独では民主党による議事妨害(フィリバスター)を回避できる60票に届かない。下院の優位も僅差にとどまる。
第2に「そもそもなぜビットコインを保有するのか、議論不足」(みずほリサーチ&テクノロジーズの安井明彦調査部長)だ。ルミス議員はビットコインの値上がりが米国の債務削減につながるなどと主張するが、下落するリスクもはらむ。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、法案にある「リザーブ(Reserve)」が「備蓄か準備金か曖昧だ」と指摘する。例えば、戦略石油備蓄(SPR)には、災害など不測の事態に備える目的がある。外貨準備金の場合は、為替介入のほか外貨建て債務の支払いに利用する。
ビットコインの保有は、いずれの目的にも当てはまりにくい。基軸通貨ドルを発行する米国は、為替介入に備えて外貨準備を積んでおく必要性も薄い。野村総研の木内氏は「目的が不明確なまま備蓄として国家予算で買い増せば、相場下落時に税金の無駄遣いとの批判を避けられず、賛成したがらない議員は多い」とみる。
京都大学大学院の岩下直行教授は、仮想通貨がマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪に利用されやすいことを挙げ「国家秩序とは相いれない性質で、法案は実現性が低い」とみる。
トランプ氏が大統領選に勝利した昨年11月以降、ビットコインは急上昇し10万ドルを超えた。規制緩和の動きは具体化されていくとみられるが、準備金構想に期待しすぎるとしっぺ返しを食う。
真田湧生、山田周吾、佐藤未乃里、河井優香、今堀祥和、大越優樹、越智小夏、ニューヨーク=南泰葉が担当しました。
【トランプストーム・赤く染まる市場】
・トランプ旋風でマネー大転換 「親ビジネス」に市場熱狂
・トランプ氏か株主か 「掘りまくれ」、石油供給過剰のわな
・米国の大豆農家「過去の過ち正して」 貿易戦争に戦々恐々
・風力発電は「ゴミ」 脱・脱炭素で揺らぐ鉱物資源の青写真
ビットコイン、中銀購入論が波紋 チェコは決定持ち越し[2025/01/31 04:14 日経速報ニュース 1382文字 画像有 ]
チェコ国立銀行(中央銀行)による暗号資産(仮想通貨)のビットコインを保有する案が波紋を広げている。導入に前向きなミフル総裁に対し、チェコ政府は不安定な価格を問題視して懸念を表明した。不正流出や資金洗浄への悪用も相次ぐだけに「通貨の番人」である中銀主導での購入論は異例だ。
チェコ中銀は30日の理事会で保有資産の対象拡大を検討すると決めた。ビットコインへの具体的な言及は避けたものの「資産の多様化が適切かを検討する」と表明した。
先立つ29日にミフル氏はビットコインの購入計画を理事会で提案するとぶち上げた。英フィナンシャル・タイムズの取材に答えたもので、保有資産を多様化させるため仮想通貨の所有に前向きな姿勢を示した。
チェコは欧州連合(EU)に加盟しながら単一通貨のユーロ圏には入っていない。チェコ中銀が独自の金融政策を手がけており、投資目的として債券や株式を保有している。
突然のビットコイン購入論にチェコ政府からは異論が出た。米ブルームバーグ通信によると、同国のスタニュラ財務相はビットコインの価格変動の大きさを指摘して「中央銀行は安定性の象徴であるべきだ」と懸念を示した。
ミフル氏の計画を理事会が承認すれば、投資などにあてる資産全体の約1400億ユーロ(約22兆5000億円)相当のうち、5%程度にあたる数十億ユーロを充てる可能性があった。30日の理事会では導入の決定こそ見送ったものの、具体的な金額を示すなど準備を進めてきた様子が見て取れる。
中央銀行の資産にビットコインを導入すべきだという議論はチェコだけではない。2月に総選挙が迫るドイツでも、リントナー前財務相が欧州中央銀行(ECB)や独連邦銀行(中央銀行)を念頭に保有資産に仮想通貨を加えるよう提案して物議を醸した。
リントナー氏は独メディアに「トランプ米政権は仮想通貨に関して極めて進歩的な政策を追求している」と指摘した。「ドイツと欧州は取り残されるべきではない」として持論を訴えている。
念頭にあるのは米国の動きだ。米トランプ大統領は仮想通貨の利用を推進する大統領令に署名し「国家デジタル資産備蓄の創設・維持の可能性を評価する」ことを盛り込んだ。選挙戦ではビットコイン備蓄の構想を掲げていた。
ECBからは早速、反対の声が出た。ラガルド総裁は30日の記者会見で、ECBの理事会に関わる各国の中銀が「保有資産にビットコインを入れることはない」と全否定した。
保有資産のあり方を巡っても「流動性があり安全で、マネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪行為の疑惑に巻き込まれないことだ」と警告した。通貨の番人である中銀が保有する資産にはふさわしくないとの考えだ。
世界各国の中央銀行が参加する国際決済銀行(BIS)は、価格変動が激しい仮想通貨の取り扱いに警鐘を鳴らしてきた。2022年にまとめた報告書では「構造的な欠陥があるため通貨システムの基盤には不向きだ」とし、金融安定の観点から投機的な取引の過熱を警戒する。
これまで主要中銀はビットコインの普及も踏まえ、中銀自身が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)と呼ばれる電子上の通貨の研究を進めてきた。ビットコインの購入論は、通貨の主権を握る中銀自らが非中央集権的な通貨を持つという皮肉もみせる。
(ロンドン=大西康平、フランクフルト=南毅郎)
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「みずほポイント」開始へ 楽天ポイントと交換 銀行取引で付与[2025/01/31 日本経済新聞 朝刊 1ページ 638文字 PDF有 書誌情報]
みずほ銀行は新たなポイントサービスを4月中旬にも始める。給与の受取口座に指定したり、インターネットバンキングで送金したりすると「みずほポイント」を付与する。会員数が1億人を超える楽天ポイントに交換できるようにして、顧客基盤を拡大する。
一部のクレジットカードやスマートフォンの決済アプリを使った場合も毎月ポイントをためられる。手数料を優遇する会員制サービス「みずほマイレージクラブ」は今後も続ける。
新たなポイントは、ネットバンキングアプリ内に新設する「みずほポイントモール」で管理し商品交換に充てられるが、目玉は共通ポイントとの交換だ。みずほは楽天証券や楽天カードに相次いで資本参加して楽天との距離を縮めており、ポイントサービスでも連携を深める。
顧客は銀行取引で集めたみずほポイントを楽天ポイントに同じポイント数で交換できる。交換すれば楽天が運営する電子商取引(EC)モールでの買い物やクレジットカードの支払いにも使える。顧客の多様なニーズを踏まえ、楽天以外の複数企業とポイント交換や、その際の交換条件について協議を進めている。
みずほ銀行の個人口座数は約2400万で、日本人の5人に1人が使っている計算だが、日銀の利上げを受けて銀行間で預金獲得競争は激しさを増している。
ネット銀行は新規の口座開設数で大手銀行をしのぎ、最近の金利上昇で大手行より高い預金金利を提示している。若年層を中心に流出が続けば、大手行にとっては顧客基盤の弱体化につながりかねないとの懸念がある。
ヤマト、POS端末で配達時決済対応 機能集約で効率化[2025/01/31 日本経済新聞 朝刊 15ページ 514文字 PDF有 書誌情報]
ヤマト運輸は5月にも、配達員が持ち運ぶPOS(販売時点情報管理)端末で荷物の代金引換や着払いに対応できるようにする。NTTデータのタッチ決済アプリを導入する。約7万台ある決済専用端末の使用はやめ、維持管理や更新にかかるコストをなくす。
ヤマトの配達員は宛先ラベルを作る印刷端末や業務用携帯電話など、合わせて4種類の端末を携行している。今回の取り組みで3種類に減らし、配達員の作業の煩雑さや負担を緩和する狙いがある。
人手不足に悩む物流業界では、人工知能(AI)を使った配送ルートの最適化や集配予測精度の向上といった取り組みが相次ぐ。ヤマトはデジタル技術による生産性向上に弾みをつけたい考えだ。
クレジットカードなどをかざすタッチ決済向けアプリは、リクルートや決済代行サービス大手の米ブロックなどが先行する。アプリをスマートフォンにインストールすれば利用できるため、飲食店や小売店での採用が増えている。
2024年9月にタッチ決済向けアプリを投入したNTTデータは後発になる。競合との差異化を図るため、顧客の仕様に合わせたカスタマイズや、得意とする企業向け基幹システムとの連携を訴求する。大企業を中心に業務端末市場の開拓を狙う。
三菱UFJニコス(会社人事)[2025/01/31 日本経済新聞 朝刊 18ページ 51文字 PDF有 書誌情報]
三菱UFJニコス
(4月1日)営業第1本部コミュニケーション推進部東京中央コールセンター長、山本貴靖
<数表>第3四半期(決算数字)[2025/01/31 日本経済新聞 朝刊 20ページ 8745文字 PDF有 書誌情報]
決算期 売上高 経常益 利 益 1株益
(億円) (百万円) (百万円) (円)
住石ホールディングス(1514)
23.4-12 168 5377 5300 101.8
24.4-12 97 2363 2306 43.4
ユアテック(1934)
23.4-12 1729 6390 4107 57.4
24.4-12 1817 10216 6807 95.8
25.3予 2560 16000 11000 160.2
1株配(円) 25.3予=63.0
■三晃金属工業(1972)
23.4-12 310 2530 1726 447.8
24.4-12 330 2888 1978 513.2
25.3予 450 3900 2700 700.3
1株配(円) 25.3予=350.0
NECネッツエスアイ(1973)
23.4-12 2494 12190 7698 51.7
24.4-12 2657 16372 9635 64.7
25.3予 3850 29000 18000 120.8
日本M&Aセンターホールディングス(2127)
23.4-12 311 11676 7306 22.4
24.4-12 298 10712 6810 21.5
ブルボン(2208)
23.4-12 752 2217 1607 66.9
24.4-12 828 5200 3682 153.1
25.3予 1122 6800 5000 206.8
コア(2359)
23.4-12 173 2275 1573 109.9
24.4-12 179 2192 1400 97.6
■養命酒製造(2540)
23.4-12 79 882 615 44.5
24.4-12 77 572 424 30.7
25.3予 101 620 670 48.4
綿半ホールディングス(3199)
23.4-12 961 2485 1522 76.5
24.4-12 1009 3217 2146 107.6
1株配(円) 25.3予=記29.0
野村不動産ホールディングス(3231)
23.4-12 5183 69626 43225 248.4
24.4-12 5718 88069 62408 361.3
25.3予 7600 102000 72000 419.3
1株配(円) 25.3予=170.0
アツギ(3529)
23.4-12 157 ▲29 1231 76.9
24.4-12 158 ▲47 793 49.5
25.3予 222 150 1300 81.2
ドリコム(3793)
23.4-12 76 729 97 3.4
24.4-12 82 ▲78 ▲823 ―
25.3予 135 400 ▲200 ―
1株配(円) 25.3予=0
ODKソリューションズ(3839)
23.4-12 31 ▲277 ▲213 ―
24.4-12 35 ▲396 ▲320 ―
ニッポン高度紙工業(3891)
23.4-12 112 1846 1349 126.7
24.4-12 121 2135 1557 146.4
■田中化学研究所(4080)
23.4-12 359 2009 1728 53.1
24.4-12 270 1055 1098 33.8
25.3予 380 1000 1100 33.8
積水化学工業(4204)
23.4-12 9239 72814 58432 137.2
24.4-12 9553 86097 68495 163.7
25.3予 13077 106000 80000 191.6
1株配(円) 25.3予=77.0
積水樹脂(4212)
23.4-12 432 4267 2902 79.6
24.4-12 517 3393 1729 54.3
ニフティライフスタイル(4262)
23.4-12 23 567 370 58.3
24.4-12 34 654 403 63.4
1株配(円) 25.3予=32.0
野村総合研究所(4307)国際基準
23.4-12 5500 89274 61093 104.7
24.4-12 5682 101587 71795 125.2
25.3予 7700 132000 92000 160.9
1株配(円) 25.3予=63.0
Jストリーム(4308)
23.4-12 84 542 295 11.9
24.4-12 89 864 512 20.6
25.3予 117 886 498 20.0
シーティーエス(4345)
23.4-12 82 2122 1424 33.6
24.4-12 89 2365 1606 38.3
ブロードメディア(4347)
23.4-12 103 875 653 89.8
24.4-12 117 484 106 14.9
シンプレクス・ホールディングス〓国際基準(4373)
23.4-12 299 6307 4245 73.9
24.4-12 341 6951 4682 80.3
グローバルセキュリティエキスパート(4417)
24.4-12 62 1103 716 95.3
武田薬品工業(4502)国際基準
23.4-12 32128 100313 147085 94.1
24.4-12 35281 282383 211083 133.7
25.3予 45900 162000 118000 74.4
イマジニア(4644)
23.4-12 42 404 268 27.9
24.4-12 48 797 529 55.0
オリエンタルランド(4661)
23.4-12 4662 142499 99831 60.9
24.4-12 5051 135964 95765 58.3
さくらケーシーエス(4761)
23.4-12 164 982 689 61.6
24.4-12 153 669 665 59.4
SBIグローバルアセットマネジメント(4765)
23.4-12 75 2007 1258 14.0
24.4-12 86 2064 1300 14.5
東映アニメーション(4816)
23.4-12 671 20300 14593 356.9
24.4-12 727 24368 16907 82.7
日本精線(5659)
23.4-12 331 2462 1712 279.3
24.4-12 354 3586 2467 80.4
SBIリーシングサービス(5834)
23.4-12 349 3667 2585 332.4
24.4-12 322 4453 3088 396.4
エムケー精工(5906)
23.4-12 226 2315 1510 103.1
24.4-12 229 2350 1579 107.5
東洋シヤッター(5936)
23.4-12 158 946 614 97.1
24.4-12 149 808 530 83.8
中央発条(5992)
23.4-12 776 2422 1464 58.0
24.4-12 822 4509 2816 111.6
25.3予 1090 4300 2600 103.0
1株配(円) 25.3予=記40.0
ツガミ(6101)国際基準
23.4-12 628 10100 3633 75.9
24.4-12 748 16169 7764 164.7
エスティック(6161)
23.4-12 48 1090 761 76.6
24.4-12 57 1154 781 78.5
アイチコーポレーション(6345)
23.4-12 387 4665 3406 45.3
24.4-12 413 4887 3767 50.5
小森コーポレーション(6349)
23.4-12 692 2201 1284 24.0
24.4-12 768 3899 2913 54.9
1株配(円) 25.3予=55.0
マースグループホールディングス(6419)
23.4-12 273 9834 6725 395.7
24.4-12 347 11301 7198 393.8
大豊工業(6470)
23.4-12 846 2543 1788 62.0
24.4-12 833 381 ▲3103 ―
25.3予 1125 600 ▲4000 ―
富士電機(6504)
23.4-12 7596 56639 37255 260.8
24.4-12 7910 68370 55415 388.0
山洋電気(6516)国際基準
23.4-12 865 10663 7814 645.4
24.4-12 717 5492 4001 335.6
愛知電機(6623)
23.4-12 827 6451 4495 473.7
24.4-12 875 7232 4998 531.5
25.3予 1180 8200 5600 596.1
1株配(円) 25.3予=180.0
メディアリンクス(6659)
23.4-12 18 ▲339 ▲340 ―
24.4-12 14 ▲705 ▲705 ―
NEC(6701)国際基準
23.4-12 23932 68154 34040 127.8
24.4-12 23218 114329 71554 268.5
アンリツ(6754)国際基準
23.4-12 777 5636 3924 29.8
24.4-12 808 7247 4903 37.2
リオン(6823)
23.4-12 185 2694 2002 162.7
24.4-12 204 3129 2128 172.9
1株配(円) 25.3予=記70.0
菊水ホールディングス(6912)
23.4-12 86 1254 824 98.4
24.4-12 93 1498 997 120.2
協栄産業(6973)
23.4-12 470 1322 828 275.5
24.4-12 432 669 881 293.2
東海理化(6995)
23.4-12 4749 39565 26965 295.2
24.4-12 4594 27573 22666 268.0
サノヤスホールディングス(7022)
23.4-12 152 ▲289 ▲410 ―
24.4-12 159 118 169 5.1
25.3予 240 400 400 12.0
住信SBIネット銀行(7163)
23.4-12 853 25097 18254 121.1
24.4-12 1035 26725 19538 129.6
■今村証券(7175)
23.4-12 35 1044 697 131.1
24.4-12 32 850 585 114.5
ヒロセ通商(7185)
23.4-12 81 3442 2339 383.2
24.4-12 75 2442 1571 258.3
日野自動車(7205)
23.4-12 11415 4063 ▲10267 ―
24.4-12 12802 19699 ▲265366 ―
25.3予 16500 17000 ▲265000 ―
フタバ産業(7241)
23.4-12 6101 15609 10765 120.4
24.4-12 5264 9806 2792 31.2
25.3予 7000 15000 7000 78.2
太平洋工業(7250)
23.4-12 1559 14345 10905 185.9
24.4-12 1513 13058 10138 175.8
25.3予 2030 16500 12000 209.8
小糸製作所(7276)
23.4-12 7149 53149 36711 117.1
24.4-12 6751 34218 29218 97.7
エクセディ(7278)国際基準
23.4-12 2318 12627 8206 174.7
24.4-12 2333 16525 10175 235.3
25.3予 3000 19000 11500 285.3
1株配(円) 25.3予=250.0
愛三工業(7283)
23.4-12 2334 15959 11506 183.6
24.4-12 2531 17097 11741 188.0
25.3予 3300 21500 14000 224.1
1株配(円) 25.3予=68.0
ノジマ(7419)
23.4-12 5606 23168 14215 144.8
24.4-12 6163 34794 23076 238.8
25.3予 8100 43000 26000 272.0
伯東(7433)
23.4-12 1403 5943 4008 214.1
24.4-12 1408 6138 4286 227.8
ネットワンシステムズ(7518)
23.4-12 1430 11636 7937 97.7
24.4-12 1553 14246 9567 120.6
ウェッズ(7551)
23.4-12 277 2133 1339 83.5
24.4-12 277 2132 1352 84.4
ジーエフシー(7559)
23.4-12 180 880 577 104.5
24.4-12 182 761 475 86.0
25.3予 225 582 352 63.7
1株配(円) 25.3予=0
橋本総業ホールディングス(7570)
23.4-12 1158 2787 1759 86.7
24.4-12 1224 2839 1877 94.3
日本エム・ディ・エム(7600)
23.4-12 169 1225 732 27.9
24.4-12 184 1194 879 33.4
■ミクリード(7687)
23.4-12 44 306 200 91.7
24.4-12 51 350 229 34.8
トプコン(7732)
23.4-12 1568 4588 353 3.4
24.4-12 1535 ▲2133 ▲2864 ―
25.3予 2110 3500 0 0
アートネイチャー(7823)
23.4-12 319 2713 2002 61.6
24.4-12 319 1595 887 27.3
25.3予 433 2067 976 30.0
KIMOTO(7908)
23.4-12 71 168 103 2.3
24.4-12 86 1254 991 21.5
■小松ウオール工業(7949)
23.4-12 313 2688 1850 198.8
24.4-12 316 2016 1362 74.0
東海エレクトロニクス(8071)
23.4-12 465 1338 845 401.0
24.4-12 414 707 387 183.5
サンワテクノス(8137)
23.4-12 1281 4924 3911 257.3
24.4-12 1023 2484 1833 121.0
25.3予 1400 3600 2600 171.3
秋田銀行(8343)
23.4-12 307 4567 3219 183.1
24.4-12 400 5648 3296 186.6
信金中央金庫(8421)
23.4-12 3072 30690 22592 3367.9
24.4-12 3446 46672 33283 3822.0
岡三証券グループ(8609)
23.4-12 608 11384 9782 47.6
24.4-12 622 11963 9511 47.0
丸三証券(8613)
23.4-12 132 2567 1771 27.0
24.4-12 143 3332 2235 33.8
東洋証券(8614)
23.4-12 84 763 695 8.7
24.4-12 85 900 1577 19.7
■水戸証券(8622)
23.4-12 101 1687 1320 20.4
24.4-12 108 2105 1624 25.6
いちよし証券(8624)
23.4-12 135 1628 1113 33.0
24.4-12 144 2120 1395 41.5
日本取引所グループ(8697)国際基準
23.4-12 1116 66024 46591 89.5
24.4-12 1215 69510 46967 45.1
アイザワ証券グループ(8708)
23.4-12 134 1109 1135 30.2
24.4-12 152 1841 2760 86.6
池田泉州ホールディングス(8714)
23.4-12 637 13275 9517 33.9
24.4-12 686 15783 10950 39.0
空港施設(8864)
23.4-12 194 2899 1842 36.7
24.4-12 210 3694 1697 33.8
25.3予 310 4343 2404 47.8
1株配(円) 25.3予=20.0
南海電気鉄道(9044)
23.4-12 1840 25630 21904 193.5
24.4-12 1871 30624 20210 178.5
杉村倉庫(9307)
23.4-12 80 920 615 37.7
24.4-12 83 1004 668 40.9
キムラユニティー(9368)
23.4-12 453 3841 2501 113.3
24.4-12 457 4343 2757 128.1
1株配(円) 25.3予=63.0
エージーピー(9377)
23.4-12 92 674 431 33.0
24.4-12 103 975 668 51.2
沖縄セルラー電話(9436)
23.4-12 584 13664 9577 192.0
24.4-12 624 13778 9477 198.4
25.3予 830 17600 12250 259.4
東京電力ホールディングス(9501)
23.4-12 51050 518457 351367 219.3
24.4-12 49633 348724 243159 151.8
北陸電力(9505)
23.4-12 5937 85146 60349 289.1
24.4-12 6267 73589 54112 259.1
東邦ガス(9533)
23.4-12 4495 33202 25474 242.3
24.4-12 4606 27703 22043 216.1
25.3予 6400 33000 25000 251.7
メタウォーター(9551)
23.4-12 907 322 ▲439 ―
24.4-12 984 ▲338 ▲984 ―
25.3予 1800 9100 6200 142.1
1株配(円) 25.3予=50.0
セゾンテクノロジー(9640)
23.4-12 179 667 331 20.5
24.4-12 184 1568 1028 63.5
東洋テック(9686)
23.4-12 231 715 377 36.8
24.4-12 249 608 431 41.8
メイテックグループホールディングス(9744)
23.4-12 954 14335 9804 125.1
24.4-12 1003 15253 9801 127.0
大丸エナウィン(9818)
23.4-12 210 557 335 43.9
24.4-12 233 657 421 55.1
Genki Global Dining Concepts(9828)
23.4-12 461 3839 2450 138.8
24.4-12 502 5570 3588 203.2
JBCCホールディングス(9889)
23.4-12 492 3576 2496 158.8
24.4-12 523 4887 3373 217.5
ジェコス(9991)
23.4-12 963 4846 3261 96.5
24.4-12 823 4811 3165 93.9
会社名(証券コード番号)の後の数字は総会予定日、または配当支払い開始日。■は単独決算。予は業績の予想数値。企業側が財務情報を、XBRL形式で予想数値データとして公開している場合は原則採用しつつ日経独自予想を踏まえて掲載。◆は決算期変更または変則決算、▲は損失、記は記念配含む。不動産投資信託などの配当は分配金、一部は利益超過金含む。予想1株益は自己株式を除く株式数で算出、( )内は会社公表ベース。―は損失または未公表。連結決算で利益と1株益は原則として親会社株主に帰属する当期純利益ベース、1株配は本体の配当で本決算は期間の累計配当、四半期は期末配当。米国基準、国際基準の経常利益は税引き前利益。銀行、保険、信用金庫の第2四半期は中間決算。決算数値の前年同期は遡及修正値
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千葉銀、AIで顧客接点拡大 エンジニア1万人 強み エッジテクノを買収 データ活用・企業支援を深化[2025/01/31 日本経済新聞 地方経済面 千葉 39ページ 1214文字 PDF有 書誌情報]
千葉銀行が異例のTOB(株式公開買い付け)を経てAI(人工知能)システム企業、エッジテクノロジーの完全子会社化に踏み切った。千葉銀はエッジテクノの最大の強みを「約1万人のAIなどの専門家がいること」とする。外部人材を生かし、データを使ったマーケティングの強化や企業支援の幅を拡充して顧客との接点を広げる。
千葉銀は約90億円を投じて2024年12月にエッジテクノを完全子会社化した。地銀がTOBで事業会社を買収した事例は国内初とみられる。エッジテクノはフリーランスのAIエンジニアなどが参画するサービスを運営する。1万人近いエンジニアと関係を持ち、AIシステムなどによる企業の業務支援を手掛ける。
千葉銀が業務提携などにとどまらず、TOBに踏み切った目的は何か。1つが銀行が持つビッグデータに基づいたマーケティング施策を強化することだ。
同行は累計口座登録数が100万人を超えるというアプリやメールを使った「非対面」での営業に力を入れている。エッジテクノの子会社化を通じ、AIに詳しいフリーランスの力を取り入れる。
具体的には、金融資産の額や職業、年齢などビッグデータを分析。結果を踏まえ、住宅や車のローン、デビットカードの案内を必要そうな人に効率よくメッセージや通知を送る。25年度中の始動を目指す。
従来はローンの一部案内を「小学生の子どもがいる家庭に送る」などといったルールに基づいて配信してきた。だが裏付けが乏しく、効果が見えにくい側面があった。同行の担当者は「フリーランスの方々は非常にレベルが高い。グループ会社にすることで、精緻なデータ分析をする上での制約を可能な限りなくした」と説明する。
もう1つのポイントはAI技術を使った企業支援策を増やすことだ。人手不足で苦しむ取引先は多く、窓口での接客対応や工場での部品の異常検知など幅広い分野で省力化を望む声は大きい。
これまでは行員が対応してきたが「専門知識が必要な場合もあり、全て対処するには限界がある」(同行)。今後はエッジテクノのフリーランスらが解決できるような仕組みを作る。
このほかにも自行の業務効率化からマネーロンダリング対策まで、幅広くエッジテクノと協調するという。子会社化による効果を概算できる部分について、28年度末までに30億円とした。
今回のTOBを担当した官沢太郎執行役員は「融資の承認を得る稟議(りんぎ)書ひとつとっても、余計な手間と時間がかかる。25年を千葉銀版『AI元年』にし、業務改革する」と強調した。
千葉銀はスマート農業を手がける地元企業を3月に子会社化するなど、異業種との連携を進めている。銀行業務の幅が広がり、複雑化しているのが背景だ。千葉銀は特にDX(デジタルトランスフォーメーション)に力を入れてきたといい、業務を担う一翼を外部人材に振り向けた。千葉銀とエッジテクノの両者が思い描く形で足並みをそろえられるかが焦点となる。
大谷選手活躍、日常と絡め 「サラっと川柳」100句[2025/01/30 19:53 日経速報ニュース 509文字 ]
「大谷の 二冠祝って あと二缶」――。第一生命保険は30日、「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」の2024年の入選作100句を発表した。米大リーグ史上初の50本塁打、50盗塁を達成し、本塁打王と打点王の2冠に輝いた大谷翔平選手の活躍と日常をユーモラスに絡める作品が目立った。
「チェックする 今日の株価と オオタニサン」や「なぜだろう 大谷結婚 妻が許可」と、大谷選手の一挙手一投足に公私にわたって注目が集まった。
「物価高 マスクで凌ぐ 美容代」は、ささやかな工夫で出費を抑える様子を表現した。「ワイキキの オーシャンビューで カップ麺」は、旅行先にも円安の波が押し寄せる悲哀を詠んだ。
昨年は主食のコメが品薄になり価格が高騰する「令和の米騒動」も起きた。「面くらう 米の高値に 麺喰らう」や「米不足 やっとみつけて ひとめぼれ」は戸惑いを笑いに変えるセンスが光る。
約20年ぶりにデザインを刷新した新紙幣が発行された一方、電子決済の普及も進み「新札と 対面できぬ キャッシュレス」と詠んだ句もあった。
応募総数は5万2255句に上った。入選作を対象に人気投票を実施し、5月下旬にベスト10を発表する。〔共同〕
ヤマト、POS端末で決済も対応 NTTデータのアプリ導入[2025/01/30 19:01 日経速報ニュース 514文字 画像有 ]
ヤマト運輸は5月にも、配達員が持ち運ぶPOS(販売時点情報管理)端末で荷物の代金引換や着払いに対応できるようにする。NTTデータのタッチ決済アプリを導入する。約7万台ある決済専用端末の使用はやめ、維持管理や更新にかかるコストをなくす。
ヤマトの配達員は宛先ラベルを作る印刷端末や業務用携帯電話など、合わせて4種類の端末を携行している。今回の取り組みで3種類に減らし、配達員の作業の煩雑さや負担を緩和する狙いがある。
人手不足に悩む物流業界では、人工知能(AI)を使った配送ルートの最適化や集配予測精度の向上といった取り組みが相次ぐ。ヤマトはデジタル技術による生産性向上に弾みをつけたい考えだ。
クレジットカードなどをかざすタッチ決済向けアプリは、リクルートや決済代行サービス大手の米ブロックなどが先行する。アプリをスマートフォンにインストールすれば利用できるため、飲食店や小売店での採用が増えている。
2024年9月にタッチ決済向けアプリを投入したNTTデータは後発になる。競合との差異化を図るため、顧客の仕様に合わせたカスタマイズや、得意とする企業向け基幹システムとの連携を訴求する。大企業を中心に業務端末市場の開拓を狙う。
【関連記事】
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銀行取引で「みずほポイント」 楽天と交換、経済圏接近-【イブニングスクープ】[2025/01/30 18:00 日経速報ニュース 1017文字 画像有 ]
みずほ銀行は新たなポイントサービスを4月中旬にも始める。給与の受取口座に指定したり、インターネットバンキングで送金したりすると「みずほポイント」を付与する。会員数が1億人を超える楽天ポイントに交換できるようにして、顧客基盤を拡大する。
一部のクレジットカードやスマートフォンの決済アプリを使った場合も毎月ポイントをためられる。手数料を優遇する会員制サービス「みずほマイレージクラブ」は今後も続ける。
新たなポイントは、ネットバンキングアプリ内に新設する「みずほポイントモール」で管理し商品交換に充てられるが、目玉は共通ポイントとの交換だ。みずほは楽天証券や楽天カードに相次いで資本参加して楽天との距離を縮めており、ポイントサービスでも連携を深める。
顧客は銀行取引で集めたみずほポイントを楽天ポイントに同じポイント数で交換できる。交換すれば楽天が運営する電子商取引(EC)モールでの買い物やクレジットカードの支払いにも使える。顧客の多様なニーズを踏まえ、楽天以外の複数企業とポイント交換や、その際の交換条件について協議を進めている。
みずほ銀行の個人口座数は約2400万で、日本人の5人に1人が使っている計算だが、日銀の利上げを受けて銀行間で預金獲得競争は激しさを増している。
ネット銀行は新規の口座開設数で大手銀行をしのぎ、最近の金利上昇で大手行より高い預金金利を提示している。若年層を中心に流出が続けば、大手行にとっては顧客基盤の弱体化につながりかねないとの懸念がある。
ポイントの導入で新たな顧客の獲得につなげると同時に、既存の利用者には日々の生活に必要なお金の出し入れに使うメイン口座としての利用を促す。ポイントの交換状況などからニーズを把握し、顧客にあった金融商品やサービスを提案できるようにもする。
三井住友フィナンシャルグループはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のTポイントを統合し、24年4月にVポイントとして衣替えした。銀行取引でポイントをためられるほか、集めたポイントは日常の買い物に使えたり、景品に交換できたりする。
野村総合研究所によると、2023年度に国内12業界が年間に発行したポイントやマイレージは約1兆2900億円だった。28年度には1兆6000億円以上に伸びると予測する。
日常生活でポイントの存在感が高まるなか、銀行にとっても顧客との接点を確保するうえでポイントの重要性が増している。
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人事、三菱UFJニコス[2025/01/30 17:07 日経速報ニュース 42文字 ]
(4月1日)営業第1本部コミュニケーション推進部東京中央コールセンター長、山本貴靖
キュリネスと日立ソリューションズ・クリエイト、日本国内の大規模小売店向け会員サービス「I-VIP コミー」を提供開始[2025/01/30 15:13 日経速報ニュース 945文字 PDF有 画像有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月30日
キュリネスが日本国内の大規模小売店向け会員サービス「I-VIPコミー」を提供開始
インバウンド需要の高い業態の中華系富裕層のエンゲージメント向上による購買の活性化を強力にサポート
株式会社キュリネス(本社:東京都港区、取締役社長:花 東江、以下、キュリネス)と株式会社日立ソリューションズ・クリエイト(本社:東京都品川区、取締役社長:南 章一、以下、日立ソリューションズ・クリエイト)は共同で日本国内の大規模小売店向けに中華系インバウンド会員サービス「I-VIPコミー」の提供を2025年3月1日から開始します。
キュリネスの中華系顧客に対する知見に基づくサービス企画力に、日立ソリューションズ・クリエイトの「CRM(会員・ポイント管理)基盤」を提供することで、大規模小売店の中華系インバウンド顧客に対するきめ細かい会員サービスの提供を実現し、中華系富裕層のエンゲージメント向上による購買の活性化を強力にサポートします。
昨今、訪日客が増加し、インバウンド需要が大きくなっています。中でも中華系のインバウンド顧客は購買意欲が旺盛です。日本国内の大規模小売店では、国内の顧客向けに外商カード・クレジットカード・会員カード経由で顧客を識別し、顧客管理を行っています。しかし、インバウンド顧客向けの会員サービスを行っていないことが大半であり、購買後の接点がなく、大きな機会損失になっています。
そこで、今回、キュリネスが提供を開始する会員サービス「I-VIPコミー」は、従来型のサービスに不足している旅行前、旅行後のアプローチと旅行中の支援にも着目し、これらの接点で会員へ魅力ある情報を提供することでエンゲージメントの向上と購買意欲の活性化を可能にします。
※参考画像は添付の関連資料を参照
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach/686175/01_202501301511.png
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/686175/02_202501301511.pdf
<東証>ビットコイン保有のメタプラが昨年来高値 FRB議長「仮想通貨、規制で有益」発言[2025/01/30 13:37 日経速報ニュース 545文字 ]
(13時35分、スタンダード、コード3350)メタバース関連事業を手がけ、ビットコインを保有するメタプラが3日続伸している。午後に前日比620円(14.18%)高の4990円を付け、昨年来高値を更新した。ロイター通信が29日、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で暗号資産(仮想通貨)に一段の規制を導入することが有益になるとの見解を示したと報じた。パウエル氏の発言を受けて、ビットコインが上昇し、仮想通貨の値上がりによる収益拡大に期待した買いが集まっている。エネルギー事業を主軸に仮想通貨投資にも注力するリミックス(3825)や仮想通貨運用を手掛けるクシム(2345)も高い。
報道によると、パウエル氏は「イノベーションに反対しているわけではない」とした上で、「仮想通貨を巡っては包括的な規制の枠組みが有益になる。米議会がそのような取り組みを行うことは極めて建設的だ」と述べた。トランプ米大統領は23日に仮想通貨の利用を推進する大統領令に署名し、財務長官や米証券取引委員会(SEC)委員長など関係閣僚で構成する作業部会をホワイトハウス内に設け、約6カ月以内に仮想通貨の規制の枠組み提案を命じている。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
サンワサプライ、かざすだけでスマホが動くNFCタグ「MM-NFCT100」を発売[2025/01/30 10:30 日経速報ニュース 1640文字 PDF有 画像有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月30日
家電やお部屋のスマート化に!
かざすだけでスマホが動くNFCタグを発売
サンワサプライ株式会社(本社 : 岡山市北区田町1-10-1、代表取締役社長 山田和範)は、スマートフォンをかざすだけで通信できたり情報を取得したりできるNFCタグ「MM-NFCT100」を発売しました。
Wi-FiやBluetoothのON/OFF、カレンダーや天気・お料理・ナビなどのアプリもNFC用アプリでタスクを書き込めば、かざすだけで起動させることができる便利なシールです。大容量100枚入りで、会社やキャンペーンのURLをタグに書き込んでポスターやはがきに貼って読んでもらうなど、販促品としても最適です。
タグの情報は上書きが可能で、何度でも内容を書き換えることができます。
*参考画像は添付の関連資料を参照
【掲載ページ】
・品名 : NFCタグ(100枚入り・ホワイト)
・品番 : MM-NFCT100
・標準価格 : 24,200円(税抜き22,000円)
・製品ページ : https://www.sanwa.co.jp/product/syohin?code=MM-NFCT100
■NFCとは?
NFCとは、「Near Field Communication」の略でスマホやカードをかざすだけで通信できる通信規格を意味します。おサイフ機能付きスマホや、交通系ICカード、クレジットカードなどさまざまなサービスに利用されています。
■NFCタグでこんなことができます
NFCの技術を小さなシールに埋め込んだのが「NFCタグ」です。
アプリの起動・Webページの読み込み・Wi-Fi接続などの動作をあらかじめNFCタグに登録しておけば、シールにスマホをかざすだけで登録された動作が実行されます。
■NFCタグ+スマートリモコンで家電を操作
スマホとの連携に対応していない古い家電でも、リモコンの赤外線を記憶できる「スマートリモコン」に登録すれば、スマホをリモコン代わりにして操作できるようになります。
このスマートリモコンの動作をNFCタグに登録すれば、あらゆる家電がNFCタグにかざすだけで操作できるようになります。最新の家電に買い直さなくてもお部屋のスマートホーム化が実現できます。
■ビジネスにも大活躍
タッチだけで様々な情報を発信できるNFCタグはビジネスにも最適です。
販促品としてはもちろん、物品管理にも役立ちます。
■使い方はかんたん
Android端末の場合は、サンワサプライNFCタグ専用アプリ「NFCかんたん設定アプリ」をご使用ください。
iPhoneの場合は、iOS標準の「ショートカット」アプリを使用してNFCタグの設定ができます。
■いろんな場所に貼れるシールタイプ
直径2.2cmのコンパクトなシールタイプのタグです。
壁面やカーブ面など様々な場所に貼ることができます。
※アルミなどの金属面には対応していません。電波を遮断して読み込めない場合があります。
■他の製品と一緒に使えばさらに使い方が広がります
NFCタグをスマホスタンドやBluetoothスピーカーなど、他の製品と組み合わせることでさらに多彩な使い方が可能になります。自分に合ったオリジナルの環境を作り、生活をより快適でスマートにしましょう。
■特注サービス
スーパーの販促POPや各種ポスター、ちらし、イベントでのDM・クーポン発行なども可能です。
オリジナルプリントも可能でアピール力もアップします。
*以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach/686123/01_202501301027.jpg
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/686123/02_202501301027.pdf
<東証>航空電子が一時10%安 4~12月期決算を嫌気、「通期計画達成のハードル高い」の声[2025/01/30 10:30 日経速報ニュース 419文字 ]
(10時30分、プライム、コード6807)コネクター大手の航空電子が急落している。一時、前日比290円(10.02%)安の2603円まで下げた。29日発表した2024年4~12月期の連結決算で、営業利益は前年同期比で微減の114億円だった。市場予想の平均であるQUICKコンセンサスの129億円(6社、21日時点)を下回り、嫌気した売りが優勢になっているようだ。
主力である接続部品のコネクターがスマートフォンや産業機器向けを中心に伸び悩んだ。25年3月期通期の営業利益は170億円を見込むが、24年4~12月期の進捗率は67%にとどまる。モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤昌司株式アナリストらは29日付リポートで、北米スマホ向けのコネクターの低迷などで「通期計画の達成ハードルが高い」と指摘。同証券の営業利益予想を下方修正したうえで、目標株価を従来の3000円から2900円に引き下げた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
FRB議長「インフレ鈍化さらに見極める」 記者会見要旨[2025/01/30 09:17 日経速報ニュース 8661文字 画像有 ]
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は29日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「インフレに関するさらなる進展が期待できる。インフレ鈍化の進展を見極めたい」と述べ、今後も金融政策の調整を慎重に進める姿勢を示した。主な発言は以下の通り。
本日の会合でFOMCはフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を4.25~4.50%に据え置くと決めた。
金融引き締めを緩めるペースが速すぎたり過度に緩めたりすれば、インフレに関する進捗を妨げる可能性があると理解している。同時に、緩和のペースが遅すぎれば、あるいは緩和が足りなければ経済活動と雇用の過度な弱体化につながることも理解している。
FFレートの誘導目標のさらなる調整を検討する上で、委員会はデータを精査し、変化する(経済の)展望とリスクのバランスをとる。我々は決まったコースを歩んでいるわけではない。
経済が変化するなか、我々の目標である最大雇用と物価の安定を実現するため政策スタンスを調整する。経済が強さを維持し、インフレ率がより持続可能な2%へ順調に低下しなかった場合、我々は引き締め的な政策を維持することが可能だ。
労働市場が我々の予想以上に弱まれば、それに応じて政策を緩和できる。現在の金融政策は直面するリスクや不確実性に対応しつつ、「デュアル・マンデート(2つの使命)」を達成できるポジションにある。
米経済は「目標達成に向け大きく進展」
米経済は全体を通して強く、過去2年間で目標達成に向け大きく進展した。労働市場は以前の過熱した状態から減速し、堅調さも維持する。インフレ率は長期目標の2%とさらに近づいたものの、依然として目標をいくらか上回る。
直近の指標は経済活動が堅調なペースで拡大したことを示す。2024年の米実質国内総生産(GDP)成長率は個人消費が支え、2%程度となった模様だ。設備・無形資産への投資は24年第4四半期に減速したが、24年全体では強かった。住宅セクターは昨年の半ばに弱さを見せたが、活動は安定した。
労働市場の状態はなお堅調だ。過去3カ月の就業者数の伸びは月平均17万人だった。失業率は上昇したのち、24年半ばから安定し24年12月には4.1%まで落ち着いた。名目賃金の上昇率は過去1年間で緩んだ。雇用と労働者の(需給)ギャップも縮んだ。
幅広い指標が労働市場のバランスが取れていることを映す。労働市場は重要なインフレ要因ではない。
物価上昇は過去2年間で大幅に緩和されたが、我々の長期目標である2%をやや上回る。消費者物価指数(CPI)などのデータを基にした試算は個人消費支出(PCE)物価指数が12月、前年同月比で2.6%上昇したことを示す。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は2.8%上昇した。長期的なインフレ期待は(比較的低い水準に)つなぎ留められている。
――個人消費の動向は。
「現在、インフレ率は目標の2%をいくらか上回っており、一段の物価沈静を示す数値が続くことを望んでいる。食料品店などでモノを購入する消費者は、現在の物価上昇率を踏まえた消費行動になっているはずだ」
――労働市場は堅調に推移しているようにみえるが、一部の指標では弱含みの兆候がある。これは懸念事項か。
「我々は失業率、労働参加率、賃金、離職率など幅広い指標を見ており、特に重要なのは現在の低い採用率だ。現在仕事を持っている人にとっては問題ないが、仕事を探している人にとって問題となる。労働市場は持続可能な水準で、もはや過熱していない。これ以上の労働市場を冷やす必要はない」
――現在の経済状況は依然として引き締めが必要であると示しているのか。仮にさらに0.25ポイントの利下げを行った場合でもなお政策は引き締め的だと判断するか。
「我々の政策スタンスは非常に適切に調整されており、2つの目標(物価安定と最大雇用)のバランスを取るように設計されている。政策は、2%のインフレ目標に向けたさらなる進展を促すのに十分な引き締め状態であるべきだ。しかし目標達成のために労働市場のさらなる弱まりを必要とするわけではない。労働市場はおおむね安定している。直近のインフレ指標からも分かるとおり、我々は結果に過剰反応することはない。政策の立ち位置は適切だと考えている」
――住宅セクターの活動が安定してきたというが、30年物のローン金利は7%に再び上昇した。今後、住宅ローン金利の上昇を考えると、住宅セクターの活動は安定していると思うか。また経済全体への影響は。
「政策金利を100ベーシスポイント引き下げた後、長期金利は上昇した。これは政策金利の先読みやインフレへの期待によるものではなく、上乗せ金利(ターム・プレミアム)によるものだ。金利上昇が持続すれば、住宅市場への重荷となるだろう。この金利上昇がいつまで続くのかによる」
――今週、米株式市場で発生した人工知能(AI)関連銘柄の急落は金融情勢について何か示唆するものだったか。
「今週のAI関連の出来事は株式市場にとっては大ごとだった。一方、我々にとって最も重要なのはマクロ経済で、それは一定期間持続する金融情勢の大幅な変化などを含む。つまり、こうした事象に我々はレッテルを貼らないが、我々も関心をもって見守っている」
インフレ目標「達成への道筋は見えている」
――さまざまな指標でインフレ期待が急上昇している。その一因として関税政策への懸念が指摘されているが、一方でCPIなどのデータには前向きな要素も見られる。特にトランプ氏の政策に対する懸念をどのように評価するか。
「短期的なインフレ期待はやや上昇しているものの、より重要な長期的な期待はそれほど変わっていない。その要因として確かに新政権の政策が関係している可能性もあるが、FRBとしてはまずどのような政策が実際に導入されるのかを見極める段階にある。関税や移民政策、財政政策、規制等がどうなるか現時点でほとんど見えておらず、判断を下すには時期尚早だ」
――インフレ率のさらなる改善を望むと言ったが、物価高騰に不満を抱いている人も多い。インフレ率が目標に戻るまで利下げを待つべきだと考えるのか。
「いや、そうは言っていない。利下げをするためには目標を達成しなければならないと言ったことはない。いつでも経済を見て、物価安定のもとで最大限の雇用を達成するために私たちの政策スタンスが正しいかどうかを考えている」
――声明文からは「物価上昇率が2%目標に向かって前進を続けてきた」との文言が削除された。これはどう解釈すべきか。
「最初の段落を見て欲しい。少し表現を整理することにした。単に文章を短くしたということだ。直近のインフレ指標は2%の目標と整合的な内容が2回続いている。しかし良いデータが2回続いたからといって過剰に評価することはないし、逆に悪いデータが続いたからといって過剰に反応することもない。今回の判断に特別なメッセージが込められているわけではない。ただ一つ言えるのは、我々は依然として2%のインフレ目標の持続的な達成に向けて取り組んでいるということだ」
――先月、将来の利下げはインフレのさらなる進展に大きく依存するといっていた。その重要性はさらに高まっているのか。
「同じだと思う。引き続きインフレの進展を確認する必要がある。特に、過去12か月間のインフレ率が重要だ。季節要因を除いているためだ」
「達成への道筋は見えている。例えば、持ち家の帰属家賃や住宅サービスの価格は着実に低下している。これはインフレの主な要因の一つだった。最近のインフレの超過部分の大半は非市場型サービスによるもので、これは通常、インフレ動向の強いシグナルを発するものではない」
「これらを総合的に捉えると、インフレ(鈍化)のさらなる進展が期待できる。しかし進展の準備が整ったのと、実際に進展することは別だ。更なるインフレ鈍化の進展を見極めたい」
金融政策は「急いで調整する必要はない」
――3月会合の利下げはまだ検討しているのか。
「経済も労働市場も強い。労働市場のリスクも減った。我々は急いで金融政策を調整する必要がないと考える」
――失業率は低水準で安定との見解を示したが、悪化するリスクはあるか。
「企業が人員を削減し、レイオフ(一時解雇)が急増すれば採用のペースが遅いため失業率が大きく上昇する可能性がある。また、所得の低い世帯は多大な圧力を感じている。全体的に労働市場の状態は良い。失業率は4.1%で、6~7カ月間に渡り健全な水準で推移する。人口増加率も低下するため、雇用創出のペースは失業率を維持できるレベルにある」
「全体の数字は良いが、低所得層は日常品のコスト高に苦しんでいる。インフレというよりも、物価高というほうが正しい。インフレ率は目標に近づいたが、人々は(インフレ率の減速を)感じていない」
――参加者の何人かは、前回のFOMCで政策が引き締め的であるとの認識を示した。金融市場や経済の状況が変化する中で、引き締め的な金利水準という評価についての自信はどのように変わったか。
「私の評価は基本的に変わっていない。強い経済データが出た一方で長期金利は上昇しており、これが金融環境の引き締めを示している可能性がある。過去1年間を振り返ると、特に住宅など金利に敏感なセクターに与えた影響を見れば政策が引き締め的であったことがわかる。目標変数の達成度を見ると、経済は2%のインフレ目標に向かって進んでおり、ほぼ最大雇用の状態にある。我々はこのような指標を見ながら評価を行っている」
「現在の政策は利下げ開始前と比較すると1%ほど引き締めの度合いが弱まっている。そのためさらなる政策調整を検討する前に、インフレの進捗や労働市場にある程度の弱さが見られるのを確認する必要がある」
――2%の物価目標の変更を検討しない理由は。
「物価目標は長期間に渡り、役に立ってきた。国際的な基準ともいえる。中央銀行が物価目標を変更する場合、目標に至っていない時点で検討するのは適切ではないと考える。目標を変えるつもりは全くないと断言する」
――5年前は労働市場の堅調さを維持するため、インフレ率が明らかに上昇するまで利上げには踏み切らないと発言した。考えは変わったか。
「我々は物価上昇の確かな根拠をつかむまで利上げをしないと言った。当時、失業率は低く、インフレ率の上昇を示す根拠もなかった。根拠もないのに人々を失業させるわけにはいかない。その判断は間違っていなかったと思う」
「我々はインフレ率が2%を下回るなか、インフレ率が2%をある程度上回ることを許容すると言った。その後に発生した高インフレはパンデミックという外因性の出来事がもたらした結果だ。我々はやるべきことを決めてからは威勢をもって行動した」
――今回の委員会で保有資産の圧縮(量的引き締め、QT)とQT終了のスケジュールについて議論はあったか。
「まずランオフ(自然減)について話そう。直近のデータを見る限り、準備金は依然として豊富である。準備金は自然減の開始時とほぼ同水準にあり、FF金利は目標範囲内で非常に安定している。我々は多くの指標を確認しているが、それらは準備金が豊富であることを示す」
「バランスシートを効率的かつ効果的な水準まで縮小し、十分な準備金残高に移行することを目指している。我々は様々な指標を注視し、十分よりやや多い可能性のある項目に注意を払っている。特定の時期について伝えることはない。いつもどおり、我々は金融政策の円滑な移行を支援するため、経済・金融情勢を踏まえ、手順の詳細を調整し適切な措置を講じる用意がある」
不確実性は経済的ではなく政治的
――あなた方はよく、政策の方向性について「経済が予想通り推移すれば」という前提をつける。しかし現政権の財政政策がどうなるか不透明な中、現時点で自信を持って中長期の経済見通しを示すことは難しいのではないか。
「どのような状況においても経済予測は一定の前提に基づいており、常に不確実性を伴う。特に現在は関税や移民、財政政策、規制といった重要な政策がまだ明確に示されておらず、1~2カ月先を超える予測は非常に難しいのが現実だ。ただこうした不確実性も時間とともに解消され、最終的には通常の範囲内に戻ると考えている」
「今のところFRBを含め市場の予測者たちはある程度仮の前提を置いて経済見通しを立てているが、これはあくまで暫定的なものにすぎない」
――米政権の移民政策を巡る不確実性がある。企業やFRBの判断への影響は。
「まだ(移民政策の影響に関する)データは確認していない。一方で、建設業など移民労働者に頼る事業から採用活動が突然難しくなったという声は耳にしている」
――あらゆる事柄の不確実性が高まるなか、中央銀行を運営するために参考としていることはあるか。
「不確定要素は常に存在する。予想に反する事象の発生確率を低く見積もるのは人間の本質ともいえる。我々はあらゆる事象の確率を正規分布として考えることが多いが、経済は正規分布に当てはまらない。予想外のことも起こりえる。経済的な不確実性が高かったパンデミック(世界的大流行)の最初の数カ月を思い出してほしい。いつ経済活動を再開できるのか。どのぐらい時間がかかるのか」
「一方、現在の労働市場は良い状態にある。経済の成長率も2~2.5%だ。インフレは2.6%まで低下した。高インフレが物価高につながり人々はこれを肌で感じている。人々の感覚が間違っているわけではないが、これは経済の不確実性によるものではなく、我々(FRB)が評価や批判する立場にない政策の不確実性によるものだ。こうした政策は選挙を通し選ばれた代表が経済をよくするために実施する。現在の経済はとても強い。よって、私は現状を世界金融危機などと比較しない」
――大規模な国外退去や移民政策の変更が労働市場やインフレに与える影響について、FRBはすでに分析を始めているか。
「我々のスタッフは、常に幅広いシナリオを分析している。シナリオには非常に良い結果から、かなり厳しい結果まで含まれている。FRBの経済見通しをまとめた資料を見れば、5年前にも様々な代替シナリオが検討されていたことが分かるだろう。我々のスタッフは基準となるシナリオを設定した上で、6~7種類の異なるシナリオを提示している。これには非常に楽観的なシナリオから、悲観的なものまでが含まれる」
「こうした分析は、政策決定者が不確実性を考慮し、より深く理解するための材料となる。可能性は常に広範囲にわたり、予測が困難であることを認識することが重要だ。例えば、新型コロナウイルス禍の発生は誰も予測していなかったが、経済環境を一変させた。我々は様々な分析を行っているが、予測だけで行動を起こすことはない」
――不法移民が減少する一方で、国外退去が増加している。失業率にはどのような影響があると考えるか。
「現在、国境を越える移民の流れは大幅に減少していて、今後もこの傾向が続くだろう。同時に、雇用の増加ペースも鈍化している。両者が同時に減少すれば、失業率が安定する可能性がある。つまり、人口増加が鈍化することで、労働市場が必要とする新規雇用の数も減少する。そのため、失業率が安定しているようにみえる」
――関税のリスクに関しては。
「コメントを避けたい。それは我々の仕事ではない。ただ、18年頃の貿易に関する政策を振り返ると、不確実性が高まると企業が投資判断を下す際などに影響が出始めると分かっている。そのような影響はまだ出ていない。これは我々も注視する」
トランプ政権とFRBの関係
――FRBは政治的な影響を受けることなく独立性を維持できるのか。
「(独立性を保つことが)我々の本質であり、かつ我々の仕事のやり方だ。データを分析し経済見通しやリスクのバランスにどのような影響を与えるかを評価し、それに基づいて最善の方法で政策を実行することだ。これは過去も現在も、そしてこれからも変わらない。中央銀行が独立性を持って運営することが、最も効果的な政策運営につながるということは多くの研究で証明されている。国民のためにこの目標を達成することに専念している」
――トランプ大統領がガスなどのエネルギーコストを下げることでインフレを沈静化させると表明したが、その効果をどうみるか。
「新政権のどの政治家の政策についても我々はコメントをしない」
――大統領令にFRBが従うかどうか。法的義務はあるのか。
「我々は大統領令で言及された政策とFRBの政策を一致させるよう取り組んできた。ただ、ここではそれ以上深入りしてコメントすることは差し控える」
――トランプ大統領は世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で金利の引き下げを求める発言をした。実際にトランプ氏は、あなたにそのような要求をしたか。またそれに対するあなたの反応や、このようなトランプ氏の発言が金融政策に影響を与える可能性について教えて欲しい。
「トランプ氏の発言について回答やコメントをするつもりはない。我々はこれまで通り目標達成のために手段を選ばず、職務に専念していく」
――19年にも世界的な貿易戦争が起きたが、当時はインフレ率も成長率も現在と大きく異なっていた。もし、その時と同じような規模の関税が導入されれば、今回は何が変わると思うか。
「高水準のインフレを経験し、企業は価格転嫁をし、消費者は物価上昇に耐えられないという状態を経た現在、当時と今の状況は異なる。そのため、高関税が導入される場合の影響を把握するのは難しい。しかも通商問題は単に中国だけに集中しているのではなく、メキシコなど他の地域にも広がっている。関税政策の中身は現時点で不明なため臆測は避けたい」
――FRBは世界の金融監督当局や中央銀行で構成する「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)」から脱退したが、なぜか。
「我々は他の中央銀行の調査内容を知ることで我々が利益を受けるためにこの団体に参加した。しかし、これに参加することはFRBに課された職務権限をはるかに超えているていると判断し、脱退することにした」
「このプロセスを始めたのは3年ほど前まで遡り、数カ月前に理事会に決定をはかることにした。これは政治的な理由によるものではなく、この団体の役割とFRBの任務の間にある乖離(かいり)が理由だ。他の中央銀行は異なる任務を持ち、この団体に所属しており彼らを批判するつもりはない」
――著名起業家のイーロン・マスク氏は「FRBは人員過剰だ」と指摘している。
「我々は厳格な予算管理を行っていて、公的機関としての責任を十分に認識している。それ以上のコメントは控える」
パウエル氏、多様性をなお重視
――かつて「公的・民間のキャリアを通じて、最も優れた組織や成功している組織は、強固で継続的なダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)への取り組みを持つ傾向があることを見てきた」と話していたが、今でもこの考えを支持するか。
「イエスだ」
――ダイバーシティとインクルージョンの取り組みを禁止する最近の大統領令をどう捉えているか。
「他の組織同様、大統領令の詳細を確認しながら対応を進めている。これまでも歴代政権の方針に適切かつ法に則った形で対応してきた。今回も、適用される法律と整合性を取りながら政策を調整していく。この件について、今日はこれ以上具体的なコメントはしない」
――ドット・フランク法は、少数派と女性のインクルージョンを担当するオフィスを維持することが求めているが。
「先ほども申し上げたが、適用される法律に則って行動する」
米銀行は「仮想通貨のリスクを理解している」
――金融安定監督評議会(FSOC)の年次報告は仮想通過をリスクの1つとして挙げたが、具体的なリスクとはなにか。また、仮想通貨という規制が緩い資産クラスが家計のウェルビーイング(家庭の経済面で安心感のある良い状態)を脅かすと考えるか。
「ビットコインなどの仮想通貨について考えるうえで重要なのは銀行を見ることだ。我々は銀行が(仮想通貨の)リスクを理解し、制御できる限り仮想通貨の顧客と取り引きを続けることは可能だと考える」
「我々が監督する銀行はリスクを理解し、制御できている。銀行が仮想通貨を扱うためのハードルは少し高い。なぜなら、(仮想通貨が)あまりにも新しく、我々は間違いを犯したくないからだ。連邦預金保険に加盟する銀行内の取り引きは安全でなくてはならない。我々はイノベーションに反対するつもりはないし、法律上の問題がない顧客と銀行の関係を解消するような行動はとりたくない」
「人々は自身が参加する金融活動についてもっと理解を深めてほしい。そのために証券取引に関する法律が存在し、金融商品にはリスクを説明する記述がある。仮想通貨を所管する監督機関が設立されれば役に立つと考える。連邦議会はこれを検討しており、我々も議員と協力して考えを練った」
(赤木俊介、佐藤璃子、三島大地、伴百江、野一色遥花)
トランプメディア、金融事業に参入 仮想通貨など投資[2025/01/30 08:53 日経速報ニュース 731文字 画像有 ]
【ニューヨーク=斉藤雄太】トランプ米大統領の立ち上げたSNS運営会社のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は29日、金融サービス事業に参入すると発表した。まず自己資金を暗号資産(仮想通貨)などに投資し、組成した運用商品を個人投資家に販売する計画とみられる。
TMTGはSNS「トゥルース・ソーシャル」の運営と動画の配信サービスを手がける。新たな柱として「トゥルースFi」のブランド名で金融ビジネスを始める。投資戦略の助言や運用商品の組成で個人向け金融大手のチャールズ・シュワブなどと提携する。
TMTGはまず、2024年末時点で抱える現預金など7億ドル(約1100億円)超の手元資金のうち最大2億5000万ドルを投資に回す。ビットコインなどの仮想通貨や、独自に組成する上場投資信託(ETF)などに資金を振り向ける。
新たに組成するETFなどの運用商品は米経済の成長重視や製造業、エネルギー企業への投資など、トランプ政権の掲げる「米国第一主義」に沿った内容にするという。TMTGの公表文には計画の詳細を明記していないが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは同社が一般投資家向けに運用商品の販売に乗り出す構えだと報じた。
29日の米株式市場でTMTGの株価は急伸し、前日比7%高で終えた。
トランプ氏はTMTGの株式を53%(29日終値で約37億ドル相当)保有する筆頭株主だ。利益相反を避けるため大統領就任前に家族が管理する信託に保有株を移した。TMTGの経営は元共和党下院議員のデビン・ヌネス氏が担っている。もっとも、仮想通貨の振興や米国第一の経済政策を自ら打ち出すなかで、TMTGが関連ビジネスを拡大する構図には危うさがつきまとう。
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交流サイト(SNS)のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(@DJT/U) △6.75%[2025/01/30 08:05 日経速報ニュース 249文字 ]
◎交流サイト(SNS)のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(@DJT/U) △6.75%
【NQNニューヨーク】29日に取締役会が金融サービス事業を始め、フィンテックの「トルゥースFi」を展開することを承認したと発表した。詳しい事業内容を明らかにしていないが、まずは2億5000万ドルを暗号資産(仮想通貨)や上場投資信託(ETF)などに投じるという。ネット証券のチャールズ・シュワブと口座管理などで提携し、米ファンドのヨークビル・アドバイザーズの関連企業が投資アドバイザーに就く。
仮想通貨交換業のバックト・ホールディングス(@BKKT/U) ▲28.30%[2025/01/30 08:05 日経速報ニュース 220文字 ]
◎仮想通貨交換業のバックト・ホールディングス(@BKKT/U) ▲28.30%
【NQNニューヨーク】調査会社ニンギ・リサーチが29日、X(旧ツイッター)への投稿でバックトを空売りしていると明らかにした。トランプ米大統領が立ち上げた交流サイトを運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループによる買収は「可能性が検討されていない」と指摘し、株高期待が薄れた。同買収案は昨年11月に報じられ、バックトの株価は大幅に上昇していた。
米個別株騰落 ASML4.2%高 トランプ・メディア6.7%高 バックト28.3%安[2025/01/30 07:07 日経速報ニュース 1383文字 ]
【NQNニューヨーク=横内理恵、川上純平】29日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎オランダの半導体製造装置のASMLホールディング(@ASML/U) △4.28%
29日に発表した2024年10~12月期決算は、売上高と受注額が市場予想を上回った。受注額は24年7~9月期の2.7倍となり、市場では「25年の収益も安心できる」との受け止めがあった。中国の人工知能(AI)開発企業DeepSeek(ディープシーク)が低コストのAIモデルを開発したのを受けて株価は下げていたが、決算を受けて買い直された。
◎交流サイト(SNS)のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(@DJT/U) △6.75%
29日に取締役会が金融サービス事業を始め、フィンテックの「トルゥースFi」を展開することを承認したと発表した。詳しい事業内容を明らかにしていないが、まずは2億5000万ドルを暗号資産(仮想通貨)や上場投資信託(ETF)などに投じるという。ネット証券のチャールズ・シュワブと口座管理などで提携し、米ファンドのヨークビル・アドバイザーズの関連企業が投資アドバイザーに就く。
◎スターバックス(@SBUX/U) △8.13%
28日夕に発表した2024年10~12月期決算は売上高が市場予想ほど落ち込まなかった。昨年9月に就任したブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)のもとで経営の立て直しが進んでいるとの見方から買いが入った。アナリストの間では、業績が低迷していた過去1年に比べて「歓迎すべき変化だ」などと前向きな評価が相次いだ。
◎仮想通貨交換業のバックト・ホールディングス(@BKKT/U) ▲28.30%
調査会社ニンギ・リサーチが29日、X(旧ツイッター)への投稿でバックトを空売りしていると明らかにした。トランプ米大統領が立ち上げた交流サイトを運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループによる買収は「可能性が検討されていない」と指摘し、株高期待が薄れた。同買収案は昨年11月に報じられ、バックトの株価は大幅に上昇していた。
◎物流支援を手掛けるマンハッタン・アソシエイツ(@MANH/U) ▲24.48%
28日夕に2024年10~12月期決算とあわせて公表した25年12月期通期の売上高見通しが市場予想に届かず、1株利益は市場の増加予想に反して減少を見込んだ。決算資料では「波乱含みのマクロ環境を引き続き慎重にみている」との見解を示した。ドル高や一時的な要因も影響するとみられる。24年10~12月期の収益は市場予想を上回っており、「事業の勢いは強い」とも説明した。見通しを受けて複数のアナリストが目標株価を引き下げた。
◎「バンズ」などアパレルのVFコーポレーション(@VFC/U) ▲3.87%
29日発表の2024年10~12月期決算は売上高が市場予想を上回った。ブランド別で「ザ・ノースフェイス」の販売が伸びた。地域別ではアジア太平洋が好調だった。25年1~3月期は調整後の営業損益がトントンから3000万ドルの赤字になると見込むが、赤字幅の見通しは市場予想ほど大きくなかった。株価は上昇して始まったものの、前日にかけて買いが続いていたため、次第に利益確定売りに押された。
チェコ中銀、外貨準備にビットコイン保有検討 FT報道[2025/01/30 06:39 日経速報ニュース 942文字 画像有 ]
【ロンドン=大西康平】チェコ国立銀行(中央銀行)のアレシュ・ミフル総裁は29日、外貨準備として暗号資産(仮想通貨)のビットコインの保有を検討すると明らかにした。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。
30日の理事会で外貨準備の多様化を目的として、ビットコインを購入する計画を提案する予定だ。理事会が承認すれば、外貨準備全体の1400億ユーロ(約22兆6000億円)相当のうち5%程度にあたる数十億ユーロを充てる可能性があるという。
チェコは欧州連合(EU)に加盟するが単一通貨のユーロ圏には入らず、チェコ中銀による独自の金融政策を手がける。
外貨準備は政府や中央銀行が保有する資産で、通貨を安定させるための為替介入や他国への債務返済などに充てる。主に国債などで構成する。政府は犯罪摘発の押収でビットコインを保有するケースはあるが、中央銀行が外貨準備として購入するのは珍しい。
FTの取材に対し、ミフル氏は2024年にビットコイン上場投資信託(ETF)の登場による投資家の関心の高まりや、米トランプ政権での規制緩和にも言及した。ビットコインの流通促進への期待が高まるなか「外貨準備のポートフォリオを多様化させるのにビットコインは適切だ」と語っている。
トランプ氏は、ビットコインを念頭にしたデジタル資産の国家備蓄の創設検討を大統領令に盛り込んだ。
世界の中央銀行の外貨準備は米ドル一極集中からの分散が進む。国際通貨基金(IMF)によると、中銀の外貨準備に占める米ドルの通貨別シェアは16年末の65%から24年6月に58%に下がった一方、人民元が1%から2%と徐々に増えている。
外貨準備の分散は22年のロシアによるウクライナ侵略が後押しした。日米欧は経済制裁としてロシア中銀のドル建てなどの外貨準備を凍結したためだ。中銀は特定の国と結びつかない「無国籍通貨」として金の保有を増やしており、チェコ中銀のビットコイン保有検討もその一環とみられる。
もっともビットコインは実物資産の裏付けを欠くために価格変動が大きく、急落するリスクもある。
これまで主要中銀はビットコインとは距離を置きつつ、中銀自身が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)と呼ばれる電子上の通貨の研究を進めてきた。
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千葉銀行、外部デジタル人材で顧客接点拡大 AI企業買収[2025/01/30 05:00 日経速報ニュース 1705文字 画像有 ]
千葉銀行が異例のTOB(株式公開買い付け)を経てAI(人工知能)システム企業、エッジテクノロジーの完全子会社化に踏み切った。千葉銀はエッジテクノの最大の強みを「約1万人のAIなどの専門家がいること」とする。外部人材を生かし、データを使ったマーケティングの強化や企業支援の幅を拡充して顧客との接点を広げる。
千葉銀は約90億円を投じて2024年12月にエッジテクノを完全子会社化した。地銀がTOBで事業会社を買収した事例は国内初とみられる。エッジテクノはフリーランスのAIエンジニアなどが参画するサービスを運営する。1万人近いエンジニアと関係を持ち、AIシステムなどによる企業の業務支援を手掛ける。
千葉銀が業務提携などにとどまらず、TOBに踏み切った目的は何か。1つが銀行が持つビッグデータに基づいたマーケティング施策を強化することだ。
同行は累計口座登録数が100万人を超えるというアプリやメールを使った「非対面」での営業に力を入れている。エッジテクノの子会社化を通じ、AIに詳しいフリーランスの力を取り入れる。
具体的には、金融資産の額や職業、年齢などビッグデータを分析。結果を踏まえ、住宅や車のローン、デビットカードの案内を必要そうな人に効率よくメッセージや通知を送る。25年度中の始動を目指す。
従来はローンの一部案内を「小学生の子どもがいる家庭に送る」などといったルールに基づいて配信してきた。だが裏付けが乏しく、効果が見えにくい側面があった。同行の担当者は「フリーランスの方々は非常にレベルが高い。グループ会社にすることで、精緻なデータ分析をする上での制約を可能な限りなくした」と説明する。
もう1つのポイントはAI技術を使った企業支援策を増やすことだ。人手不足で苦しむ取引先は多く、窓口での接客対応や工場での部品の異常検知など幅広い分野で省力化したいという声は大きい。
これまでは行員が対応してきたが「専門知識が必要な場合もあり、全て対処するには限界がある」(同行)。今後はエッジテクノのフリーランスらが解決できるような仕組みを作る。
このほかにも自行の業務効率化からマネーロンダリング対策まで、幅広くエッジテクノと協調するという。子会社化による効果を概算できる部分について、28年度末までに30億円とした。
今回のTOBを担当した官沢太郎執行役員は「融資の承認を得る稟議(りんぎ)書ひとつとっても、余計な手間と時間がかかる。25年を千葉銀版『AI元年』にし、業務改革する」と強調した。
千葉銀はスマート農業を手がける地元企業を3月に子会社化するなど、異業種との連携を進めている。銀行業務の幅が広がり、複雑化しているのが背景だ。千葉銀は特にDX(デジタルトランスフォーメーション)に力を入れてきたといい、業務を担う一翼を外部人材に振り向けた。千葉銀とエッジテクノの両者が思い描く形で足並みをそろえられるかが焦点となる。
地銀連携生かし全国で営業広げる
上場廃止となったエッジテクノロジーは、千葉銀の傘下でどのように成長戦略を描くか。島田雄太社長に聞いた。
――完全子会社化の実現の経緯では、エッジテクノの歩み寄りが大きいと聞いた。
「私たちはまだ規模が小さい。事業を大きくしていく上で、営業力の弱さが大きな障壁だった。強固で広い顧客基盤と弊社の強みを生かせるビッグデータ、この2つを持つ企業との提携を模索していた。金融機関以外の企業も含め検討していたが、条件を満たし『ご縁』もあったのが千葉銀だった」
――2022年に上場。2年あまりでの廃止となった。
「(TOBへの)抵抗は全くなかった。既存の顧客との取引も続いていて、現時点で業務に支障はない」
――銀行は規制が多く特殊な業界だ。どのように事業を広げていくのか。
「私たちの業務はオンラインが多く地理的な制約は少ない。まずは地銀への理解を深めつつ、千葉銀の取引先企業などへのアプローチとヒアリングを進める。(千葉銀が主導する)地銀連携のTSUBASAアライアンスで提携する銀行にもお声がけをし、全国で網を拡大していく」
(聞き手は勝莉菜乃)
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神奈川の瀬戸酒造店、38年ぶり醸造復活 世界を視野-酒紀行[2025/01/30 05:00 日経速報ニュース 1167文字 画像有 ]
神奈川県開成町は小田原・箱根にほど近い、県内で最も小さな町だ。この地の水は硬水の丹沢の伏流水と軟水の富士山の水が混ざり、丸みのある酒質を醸し出す。瀬戸酒造店は自然の恵みを生かし、世界に通用する日本酒を生み出す。
創業は幕末の1865年。開成町は水源が豊かで、酒米づくりも盛んだった。「酒田錦」などを自家醸造していたが、出稼ぎの越後杜氏(とうじ)らの確保が難しくなり、1980年に醸造中断を余儀なくされた。
中断から30年以上たった2015年ごろ、元町長ら地元有志が復活支援を働きかけたのが東京の大手建設コンサルタント会社だった。責任者は橋梁設計が専門だった森隆信さん(53)。現在の瀬戸酒造店代表取締役だ。
再建策を提案すると当時の社長は自信がないという。森さんが「うちがやると言ったらどうしますか」と聞くと、「蔵も建物も自由に使っていい」と任された。
会社に戻り、酒蔵再建案を役員会に提案すると「あれ? コンサルじゃなかったの?」と却下された。あきらめず、課題に対処すること20回以上。2年かけて了承を取り付けた。
18年に醸造を再開したが、酒造りは一から。東京農業大学の教授や県内の酒蔵会社の助言を受けて奔走し、難題だった杜氏も何とか確保した。
役員会では「うまい酒を造ることに集中しろ」と厳命された。杜氏にも伝え、コメを洗うにも蒸すにも発酵させるにも、人間の都合ではなく酵母やこうじ菌に合わせるのを念頭に丁寧に作業した。
38年ぶりに復活させた日本酒の柱は3つ。古い蔵にすみ着いていた酵母で造る「酒田錦」、開成町名物のあじさいの花から採取した酵母で造る「あしがり郷」、杜氏が自由な発想で造る「セトイチ」だ。地元や小田原市の酒店で購入できるほか、ホームページから注文できる。
世界を見渡せば日本酒はワインに比べマイナーな存在だ。森さんは「冷やしても温めてもおいしい日本酒は世界の料理とマリアージュ(組み合わせ)できるはず」と世界に目を向けた。
19年以降、フランスのKura Master(クラマスター)、英国開催のインターナショナル・ワイン・チャレンジのSAKE(酒)部門、イタリア・ミラノの酒チャレンジなどに積極的に出品し、多くの銘柄が受賞した。
22、23年にはフランスに出向き、現地の一流シェフたちに日本酒と合わせる料理を考案してもらった。子牛、雌鹿、カエルのもも肉などの料理とのマリアージュは思わぬ発見があったという。
開成町の小学生の酒蔵見学を受け入れる。「開成町のコメから造った日本酒が世界で飲まれている」と説明すると、子どもたちは「すごい」と目を輝かせる。森さんは「子どもたちが地元を誇りに思えば地域が元気になる。そのためにも日本酒を世界の料理のテーブルにのせたい」と夢を膨らませる。
(横浜支局長 池沢健一)
【酒紀行】
・長崎スタジアムシティでビール醸造 特産かんきつも使用
・栃木の小林醸造、事業承継でオーダーメードの酒に挑む
JCBなど、広島の現金レス化推進 訪日客消費取りこぼさず[2025/01/30 02:00 日経速報ニュース 566文字 画像有 ]
JCBや広島銀行など決済事業7社が、広島キャッシュレス推進プロジェクトを発足する。キャッシュレス化の遅れが目立つ県内の観光地などを中心に、決済端末の導入を支援する。近年増えているインバウンド(訪日外国人)などの需要取りこぼし防止につなげる。
プロジェクトは宮島や広島市内などの企業や店舗で、キャッシュレス決済システムの導入を進める。観光客らの購買データを分析し、将来的にはまちづくりにも活用してもらう考え。
総務省の2019年全国家計構造調査によると、広島県の消費支出に占める「現金」以外の割合は29%。31%の東京都や30%の京都府よりも低い。JCBの担当者は「特に宮島では現金決済のみの店が多く、インバウンド消費を取りこぼしている可能性がある」と指摘する。
広島県の調査によると「ストレスなく楽しめた」と感じた観光客は22年で80%。目標の84%に届いていない。県は「キャッシュレス決済への対応は十分とは言えず、受け入れ環境の整備に取り組む必要がある」としている。
プロジェクトには、ひろぎんクレジットサービス、JR西日本、イズミ子会社のゆめカード、KDDIに加えて、キャッシュレス決済端末のブリッジ・モーション・トゥモロー(東京・品川)も参加する。中国経済産業局や中国運輸局、広島県観光連盟などもオブザーバーで加わっている。
卓球の丹羽選手を書類送検 オンラインカジノ賭博疑い[2025/01/30 01:08 日経速報ニュース 509文字 ]
海外のオンラインカジノサイトで賭けをしたとして、千葉県警が、2021年東京五輪の卓球男子団体で銅メダルを獲得するなどした丹羽孝希選手(30)を賭博容疑で書類送検したことが29日、捜査関係者への取材で分かった。任意の事情聴取で容疑を認めたという。スポーツの勝敗予想などで賭けたとみられる。
丹羽選手は取材に「違法と分からずやってしまい、反省している。ファンの皆さまに申し訳ない」と話した。
捜査関係者によると、書類送検は20日付。起訴を求める厳重処分の意見を付けた。容疑は23年初夏、国内からオンラインカジノサイトに接続し、暗号資産(仮想通貨)を元手に賭けをした疑い。
警視庁がオンラインカジノの決済代行業者を摘発したのをきっかけに、全国の利用者が捜査される中、千葉県在住の丹羽選手の関与が浮上した。
丹羽選手は12年ロンドン五輪に出場。16年リオデジャネイロ五輪の男子団体では銀メダルを獲得した。22年秋に国際大会から引退。Tリーグで岡山リベッツに所属し、国内を中心に選手活動を続けている。チームは公式サイトに「事態を重く受け止めている。慎重に事実関係を確認し、適切な対応を検討します」とのコメントを出した。〔共同〕
トランプ・メディア、金融事業に参入 仮想通貨投資など[2025/01/30 日本経済新聞 夕刊 3ページ 371文字 PDF有 書誌情報]
【ニューヨーク=斉藤雄太】トランプ米大統領の立ち上げたSNS運営会社のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は29日、金融サービス事業に参入すると発表した。まず自己資金を暗号資産(仮想通貨)などに投資し、組成した運用商品を個人投資家に販売する計画とみられる。
TMTGはSNS「トゥルース・ソーシャル」の運営と動画の配信サービスを手がける。新たな柱として「トゥルースFi」のブランド名で金融ビジネスを始める。投資戦略の助言や運用商品の組成で個人向け金融大手のチャールズ・シュワブなどと提携する。
TMTGはまず、2024年末時点で抱える現預金など7億ドル(約1100億円)超の手元資金のうち最大2億5000万ドルを投資に回す。ビットコインなどの仮想通貨や、独自に組成する上場投資信託(ETF)などに資金を振り向ける。
神奈川県開成町「瀬戸酒造店」 38年ぶり復活、世界を視野(酒紀行)[2025/01/30 日本経済新聞 夕刊 10ページ 1192文字 PDF有 書誌情報]
神奈川県開成町は小田原・箱根にほど近い、県内で最も小さな町だ。この地の水は硬水の丹沢の伏流水と軟水の富士山の水が混ざり、丸みのある酒質を醸し出す。瀬戸酒造店は自然の恵みを生かし、世界に通用する日本酒を生み出す。
創業は幕末の1865年。開成町は水源が豊かで、酒米づくりも盛んだった。「酒田錦」などを自家醸造していたが、出稼ぎの越後杜氏(とうじ)らの確保が難しくなり、1980年に醸造中断を余儀なくされた。
中断から30年以上たった2015年ごろ、元町長ら地元有志が復活支援を働きかけたのが東京の大手建設コンサルタント会社だった。責任者は橋梁設計が専門だった森隆信さん(53)。現在の瀬戸酒造店代表取締役だ。
再建策を提案すると当時の社長は自信がないという。森さんが「うちがやると言ったらどうしますか」と聞くと、「蔵も建物も自由に使っていい」と任された。
会社に戻り、酒蔵再建案を役員会に提案すると「あれ? コンサルじゃなかったの?」と却下された。あきらめず、課題に対処すること20回以上。2年かけて了承を取り付けた。
18年に醸造を再開したが、酒造りは一から。東京農業大学の教授や県内の酒蔵会社の助言を受けて奔走し、難題だった杜氏も何とか確保した。
役員会では「うまい酒を造ることに集中しろ」と厳命された。杜氏にも伝え、コメを洗うにも蒸すにも発酵させるにも、人間の都合ではなく酵母やこうじ菌に合わせるのを念頭に丁寧に作業した。
38年ぶりに復活させた日本酒の柱は3つ。古い蔵にすみ着いていた酵母で造る「酒田錦」、開成町名物のあじさいの花から採取した酵母で造る「あしがり郷」、杜氏が自由な発想で造る「セトイチ」だ。地元や小田原市の酒店で購入できるほか、ホームページから注文できる。
世界を見渡せば日本酒はワインに比べマイナーな存在だ。森さんは「冷やしても温めてもおいしい日本酒は世界の料理とマリアージュ(組み合わせ)できるはず」と世界に目を向けた。
19年以降、フランスのKura Master(クラマスター)、英国開催のインターナショナル・ワイン・チャレンジのSAKE(酒)部門、イタリア・ミラノの酒チャレンジなどに積極的に出品し、多くの銘柄が受賞した。
22、23年にはフランスに出向き、現地の一流シェフたちに日本酒と合わせる料理を考案してもらった。子牛、雌鹿、カエルのもも肉などの料理とのマリアージュは思わぬ発見があったという。
開成町の小学生の酒蔵見学を受け入れる。「開成町のコメから造った日本酒が世界で飲まれている」と説明すると、子どもたちは「すごい」と目を輝かせる。森さんは「子どもたちが地元を誇りに思えば地域が元気になる。そのためにも日本酒を世界の料理のテーブルにのせたい」と夢を膨らませる。
(横浜支局長 池沢健一)
【図・写真】2018年に自家醸造を38年ぶりに復活した
GPIF、国債入札に直接参加へ 証券会社経由せず[2025/01/30 日本経済新聞 朝刊 5ページ 584文字 PDF有 書誌情報]
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が年内にも財務省の国債入札に直接参加する。証券会社を経由せずに国債を購入することで、GPIFの投資行動に関する情報が広がり、市場に影響を与えることを防ぐ。
財務省は、GPIFが電子決済システム「日銀ネット」に参加して国債に入札できるようにする。29日から1カ月間、パブリックコメント(意見公募)を実施した上で、国債発行に関わる省令を改正する。
国債入札への直接参加はGPIFが要望した。GPIFの2024年9月末の運用資産は約248兆円と大きい。債券市場で大量に買うと市場価格に影響を与える可能性があるため、近年は証券会社を経由して国債入札に応募し、発行市場で新発債を調達してきた。それでも証券会社の落札額などからGPIFの購入タイミングなどが推察できるとの指摘があった。
GPIFでは23年12月、国債の取引において特定の証券会社2社に取引が集中しているとの内部通報があった。事実関係を調査した外部の法律事務所は「癒着等の取引外の特別な関係性を裏付ける証拠はなかった」としたが、GPIFは取引先選定における規定の整備など再発防止策を講じた。再発防止策の一環として国債入札への直接参加を決めた側面もある。
国債の入札は証券会社や銀行、生命保険会社など金融機関が中心で、年金基金としての入札への参加は異例だ。
三井住友FGの国部会長退任 総合金融路線に道筋[2025/01/30 日本経済新聞 朝刊 7ページ 1018文字 PDF有 書誌情報]
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は29日、国部毅会長(70)が6月下旬に退任する人事を発表した。社長や三井住友銀行の頭取としてグループを約14年にわたって率いてきた国部氏はグループ会社の再編を通じ、総合金融グループにつながる路線に道筋を付けた。
特別顧問になる国部氏の後任には三井住友銀行の高島誠会長(66)が就き、三井住友銀行の会長職は三井住友ファイナンス&リース(FL)の橘正喜社長(68)が務める。三井住友FLの社長には今枝哲郎副社長(62)が昇格する。いずれも6月下旬の定時株主総会を経て就任する。
国部氏は1976年に旧住友銀行へ入行し、経営企画を中心にキャリアを重ねてきた。
不良債権処理で多額の損失を計上する見通しとなった2003年3月期決算では、子会社のわかしお銀行との「逆さ合併」を実務面から指揮。このときに捻出した合併差益の約7000億円を使って株式の含み損を処理した。11年に満を持して頭取に就任。17年からは持ち株会社の社長としてグループ会社の再編による連結経営を進めてきた。
代表例が三井住友カードだ。キャッシュレス化が進むなか、NTTドコモが保有していた34%の株式を買い戻して19年4月に完全子会社化した。三井住友カードは銀行口座やクレジットカードといった金融取引をスマートフォンに一体化した「Olive(オリーブ)」の中核を担う存在となっている。
6割を出資していた三井住友FLも住友商事との共同出資に切り替え、連結子会社から持ち分法適用会社へと改めた。厳格な銀行法の適用を受ける連結子会社のままでは業容の拡大に限界があるためだ。自由に事業展開できる子会社のSMFLみらいパートナーズは、再生可能エネルギーなど新たなビジネスの立ち上げで収益力を高めている。
現在のグループ経営はこうした一連の見直しが骨格となっている。本業のもうけを示す業務純益は24年3月期で1兆5602億円。三井住友銀行が占める割合は58%となり、国部氏が持ち株会社の社長に就任する前の17年3月期(74%)から大きく下がった。
25年3月期の連結純利益は1兆1600億円と初の1兆円超えを見込んでいる。それでも米モルガン・スタンレーを持ち分法適用会社とする三菱UFJとは距離がある。三井住友FGの中島達社長は海外の投資銀行ビジネスに活路を見いだしている。国部氏が整えたグループ経営を基盤に収益力をさらに底上げする必要がある。
信越化、純利益6%増、4~12月 電子材料事業が好調、AI向けけん引、還元示唆[2025/01/30 日本経済新聞 朝刊 22ページ 1248文字 PDF有 書誌情報]
信越化学工業が29日発表した2024年4~12月期の連結決算は、純利益が前年同期比6%増の4325億円だった。シリコンウエハーなど電子材料事業が好調だった。同日、積み上がった手元資金を株主還元に振り向ける姿勢を示した。一方で純利益は事前の市場予想平均には届かず、株価は一時約1年2カ月ぶりの安値をつけた。
「手持ち現金はこれ以上(約1兆6000億円)増やさない」。信越化の斉藤恭彦社長は29日の決算説明会でこう話し、投資に振り向ける部分がなければ、株主還元を強化する姿勢を示した。「今、自社株の取得は好機」と還元を示唆する発言もあった。自社株買いについては、すでに24年5月と同12月に実施を表明している。
現預金は24年12月末で1兆5935億円ある。買収を含む大型投資や新型コロナウイルス禍など経済ショックに備えて積み上げてきたが、保有する水準を明確にすることで資金の活用を積極化させる。
4~12月期の売上高は6%増の1兆9296億円、営業利益は4%増の5844億円だった。純利益の25年3月期通期予想に対する進捗率は8割強だった。
けん引役は電子材料事業で、営業利益が2605億円と21%増えた。主力の300ミリウエハーで人工知能(AI)向け需要がけん引し、回路を形成する際に使われるフォトレジスト(感光材)も先端向けが堅調だった。機能材料事業も高機能シリコーンなどがけん引し、営業利益は6%増の783億円に伸びた。
もう一つの収益の柱の生活環境基盤材料事業は11%減益だった。住宅やインフラ向けの塩化ビニール樹脂の出荷が減った。中国企業による過剰生産が続く中、塩ビ市況が上向かず輸出が振るわない。米国では子会社のシンテックが値上げに動き出荷数量も増やしているが、補えない。
株価は下落した。連結全体の純利益は増益を確保したものの、市場予想(QUICKコンセンサス、4433億円)には約100億円届かなかった。正午の発表後に下げに転じ一時前日比4%安の4881円と23年12月以来の安値をつけた。終値は4890円だった。
「(事前の予想比では)電子材料の下振れが大きかった」(モルガン・スタンレーMUFG証券の渡部貴人アナリスト)との声があった。10~12月期から顧客が半導体ウエハーの在庫調整を強めており、品種構成の悪化や棚卸し資産の評価損などが響いた。
電子材料事業の先行きには不透明感が残る。300ミリウエハーについて、信越化の轟正彦取締役は「顧客側で在庫期間が長期化しており、1~3月期も在庫調整が続く」と話す。4~6月期以降については半導体デバイスメーカーの需要回復を見込んでいる。
塩ビ事業では中長期的に需要が増える兆しも出ている。斉藤社長は「トランプ米政権ではインフレ退治をマンデート(使命)とし、住宅を増やすと明言している」とし、住宅需要の取り込みに期待を寄せる。米国西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で発生した大規模な山火事などを受けて復興需要が伸びるともみていた。
見えた小売株の勝ち筋、「3COINS」インフレでも躍進 若者の賃上げ恩恵(スクランブル)[2025/01/30 日本経済新聞 朝刊 23ページ 1456文字 PDF有 書誌情報]
日経平均株価の足踏みが続く中、消費関連株が気を吐いている。2024年3~11月期の小売り決算ではインフレによる節約志向が鮮明になるなど事業環境の厳しさが浮き彫りになった。その中で賃上げの恩恵が大きい若年層による消費には期待が高まっている。
株式市場での消費関連株の優位は24年秋以降に強まった。24年8月末を起点にすると、業種別日経平均「小売業」は当初は日経平均と軌を一にしていたが、11月下旬から明確に差が開いた。
目を引くのが生活雑貨店「3COINS(スリーコインズ)」で知られるパルグループホールディングス株だ。29日時点で株価は24年末比で13%上昇し最高値圏で推移する。業績をけん引する3COINSはファミリー層向けに出店したのが始まりだが、足元では20~30代の女性にも顧客層が拡大しているという。
きっかけは新型コロナウイルス禍での客足減少だ。中心となる税抜き300円を超える商品を拡充し、ネット通販を強化。駅近くの商業施設への出店を増やしたことが若者を呼び込んだ。楽天投信投資顧問の平川康彦第二運用部長は運用するファンドで上位に組み入れる。「SNSのインフルエンサーを活用した商品訴求力が強みで、インフレ下のコスト増加を販売数量の増加で補えている」と評価する。
市場関係者の関心を集めるのが春季労使交渉(春闘)を前にした若者の消費動向だ。かんぽ生命保険の市場運用部で小売りセクターを担当する井尻雅大担当課長は「労働力確保を急ぐ企業が重点的に採用したいのは若者で、今後も若年層に偏った賃上げが継続するだろう」と指摘する。
若年層が消費のけん引役になっているとの見方は多い。三菱総合研究所がクレジットカード利用額をもとに算出する指数「JCB消費NOW」を用いて分析したところ、20~39歳の消費額(四半期ベース)は24年初めから前年同期比で増加し、勢いを増している。一方で40~59歳は前年とほぼ変わらず、60~79歳はマイナスのままだ。
若年層の消費傾向を把握するヒントは、日銀が24年12月に公表した過去の金融政策を総括する「多角的レビュー」にもある。
レビューでは家計の物価観について世代別に分析し、「物価上昇を経験してこなかった若い世代ほど、物価変動に対する予想物価上昇率の感応度が鈍い」と指摘。これを裏返せば「価格が下がるのを待って消費を手控えてしまうデフレ世代に比べ、20代は賃金上昇分を素直に消費に結びつけやすい」(T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト)との解釈が成り立つ。
裏付けるかのように29日の東京株式市場でおよそ2カ月半ぶりの高値をつけたのが衣料品通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOだ。ゾゾタウン事業の会員の平均年齢は33歳という。25年3月期の連結純利益は前期比2%増の452億円と最高益を見込む。
SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は「大幅な賃上げが始まって3年目に入りその効果が一定程度出てくるころだ」とし若者向けのレジャーやアパレル業界を有望視する。29日は化粧品口コミサイト「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルも4%高で取引を終えた。
BofA証券の圷正嗣チーフ日本株ストラテジストは「若者は将来に備えた資産形成にも関心が高く、株高による資産効果も出やすい」と指摘する。若者を取り込める戦略を打ち出せる銘柄が広がれば、賃上げと消費の好循環を通じて日本株の底上げにもつながりそうだ。(大久保希美)
特集――フィンサム2025 3月開催 送金・決済に新潮流、デジタル通貨、地方活性化にも効果[2025/01/30 日本経済新聞 朝刊 33ページ 524文字 PDF有 書誌情報]
金融事業の大きな柱のひとつでもある決済や送金でもフィンテックが新しい潮流を生んでいる。いわゆるデジタル通貨を使った金銭のやり取りは効率化を進めるだけでなく、石破政権がうたう「地方創生」にもつながることになる。
ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)は、価格の変動が激しく、決済や送金では使いづらい。実際の経済活動で使えるものとして登場したのが法定通貨の価値に連動するステーブルコインだ。23年6月施行の改正資金決済法で電子決済手段と位置づけられたことで発行の準備が進む。
これまで、手間と手数料が高かった貿易の決済でもネット経由でステーブルコインを使えば、即座に送金と決済が完了する。
スタートアップのJPYCはプリペイド型ステーブルコインを発行。電子決済に使える資金移動業型ステーブルコイン「JPYC」の発行の準備を進めている。
クロスボーダー決済とともに注目されるのが地域での利用だ。北国フィナンシャルホールディングス(FHD)傘下の北国銀行は昨年4月、同行の預金口座と連動するステーブルコイン「トチカ」を発行。専用アプリでQRコード決済ができ、加盟店手数料は0・5%だ。おカネが地域内で流通することで、新しい経済のエコシステムが期待できる。
特集――フィンサム2025 3月開催 内外の当局者・経営者が語る未来[2025/01/30 日本経済新聞 朝刊 33ページ 515文字 PDF有 書誌情報]
今回のフィンサムでは、政府から加藤勝信財務相、井藤英樹金融庁長官が登壇する。岸田前政権から引き継ぐ「資産運用立国」や「地方創生」に向けたフィンテックの役割や、具体的な政策方針や生成AIの活用などに言及する見込みだ。
平将明デジタル相も登壇する。次世代インターネット「web3(ウェブスリー)」の金融分野への応用などがテーマになりそうだ。民間からは全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)をはじめとした金融界の面々がそろう。また、Sakana(サカナ)AIの伊藤錬最高執行責任者(COO)などAI企業も複数参加。IT(情報技術)企業やコンサルティング業界からの登壇も多数予定している。
海外からの登壇者では、米証券取引委員会(SEC)と並んで暗号資産(仮想通貨)を監督する機関である米商品先物取引委員会(CFTC)のキャロライン・ファム委員長代行が登壇する。暗号資産に肯定的な同氏はトランプ政権でのデジタル資産のあり方などを話す予定だ。
イベント時には、金融関係の国際会議も複数予定されており、参加者はフィンサムにも来場する見通しだ。
【図・写真】ファム氏
【図・写真】福留氏
【図・写真】平氏
【図・写真】井藤氏
【図・写真】加藤氏
自動運転バス路線開設へ レベル4で30年代に 完全キャッシュレスも鍵(名鉄130年の岐路)[2025/01/30 日本経済新聞 地方経済面 中部 7ページ 1150文字 PDF有 書誌情報]
名鉄グループバスホールディングス(HD)は自動運転のバス路線開設に動く。2030年代にグループ内で数路線を設けることを目指す。運転手の対応が不要になりやすい電子決済を料金収受の念頭に置く。人口減少による乗客減や人手不足に対応し、業界で先駆けて新しい運行形態を推進する。
名鉄グループバスHDの清水良一社長が日本経済新聞のインタビューで明らかにした。特定条件下で運転を完全自動化する「レベル4」での自動運転を想定しており、今後定期運行に向け知見を集める。
清水社長は「新しい技術やオペレーションを導入して既存のバスのイメージを変える」と強調。運行開始時期について「エリア選別をしながら30年以降に数カ所を目指す」と話した。自動運転バスは導入コストも高く、民間事業者として可能な規模も見定めながら路線を抽出する方針だ。
自社主導での実証実験も加速する。グループ傘下の名鉄バス(名古屋市)は現在、愛知県岡崎市や日進市で運転手が状況に応じて介入する「レベル2」の自動運転バスを実証運行している。ただ、様々な道路環境における安定走行といった面に重点を置いた試行が多く、同社の担う分野も一部に限られる。
実際の運行では運賃収受や異常時の対応なども欠かせない要素になる。清水社長は「バスの運行全体を含めて我々が主体となって実証をする。安全や運賃などの運行に関する経験値を高めていく」と語った。
清水氏はキャッシュレスが運行実現に向けたカギになるとの認識も示した。「自動運転で現金支払いするのは現実的ではない」と指摘した。完全キャッシュレスのバスも視野に入るとみられる。
自動運転は名古屋市などの都心部を中心に導入を探ることになりそうだ。自動運転の活用で中長期的にバス運転手の人手不足や不採算路線といった課題にも対応できる可能性がある。
バス業界は深刻な運転手不足に直面している。日本バス協会の試算によると、運転手は30年に全国で3万6000人不足するという。中部では足元でJR東海バス(名古屋市)が19歳の運転手を運行に従事させたり、三重交通が大型免許を持つ消防士らを対象に60歳以上の転籍を認めたりするなど知恵を絞る。
名鉄グループバスHDも24年に傘下の企業をまたいだ運転手の活用を始めた。名鉄観光バスの閑散期に同社の運転手数人を名鉄バスの路線バスで従事させた。清水社長はこうした取り組みを今後拡大する方針を示した。
名鉄は鉄道やバス、タクシーといった交通事業を多く持つ。人口減少が進むなか、地域の事情に沿った交通手段で住民の「足」を守る必要がある一方、名古屋駅の再開発事業などの資金負担を踏まえ収益性を高めることも欠かせない。自動運転のような新技術に加え、運行の効率化といった施策も求められる。
(石原誠樹)
広島の現金レス決済促進 JCBなど7社 システム導入支援[2025/01/30 日本経済新聞 地方経済面 広島 23ページ 566文字 PDF有 書誌情報]
JCBや広島銀行など決済事業7社が、広島キャッシュレス推進プロジェクトを発足する。キャッシュレス化の遅れが目立つ県内の観光地などを中心に、決済端末の導入を支援する。近年増えているインバウンド(訪日外国人)などの需要取りこぼし防止につなげる。
プロジェクトは宮島や広島市内などの企業や店舗で、キャッシュレス決済システムの導入を進める。観光客らの購買データを分析し、将来的にはまちづくりにも活用してもらう考え。
総務省の2019年全国家計構造調査によると、広島県の消費支出に占める「現金」以外の割合は29%。31%の東京都や30%の京都府よりも低い。JCBの担当者は「特に宮島では現金決済のみの店が多く、インバウンド消費を取りこぼしている可能性がある」と指摘する。
広島県の調査によると「ストレスなく楽しめた」と感じた観光客は22年で80%。目標の84%に届いていない。県は「キャッシュレス決済への対応は十分とは言えず、受け入れ環境の整備に取り組む必要がある」としている。
プロジェクトには、ひろぎんクレジットサービス、JR西日本、イズミ子会社のゆめカード、KDDIに加えて、キャッシュレス決済端末のブリッジ・モーション・トゥモロー(東京・品川)も参加する。中国経済産業局や中国運輸局、広島県観光連盟などもオブザーバーで加わっている。
家庭乾燥野菜くず 堆肥に 千葉市が仕組み ヨーカドーで回収[2025/01/30 日本経済新聞 地方経済面 千葉 39ページ 366文字 PDF有 書誌情報]
千葉市などは、家庭から出る「乾燥野菜くず」を堆肥にリサイクルする仕組みを構築した。家庭の「生ごみ減量処理機(乾燥減量型)」で処理したくずをイトーヨーカドー幕張店(千葉市)で回収し、リサイクル施設で資源化する。ごみの焼却量を減らすことで二酸化炭素(CO2)排出を減らし、循環型社会の形成を促進する。
処理機を保有する千葉市民が市に事前登録した上で参加できる。店頭に設置した回収ボックスに1キログラム単位に詰めたくずを入れ、みどり産業(千葉県市原市)が堆肥に加工する。肉や魚類のくずも回収対象とする。
参加者には電子マネー「nanaco(ナナコ)」と交換できるリサイクルポイントを付与する。千葉市は市民による処理機の購入を補助しており、年間300~400件ほどの申請があった。これまでは処理後に残るくずの活用が課題となっていたという。
群馬版MaaS、一部英語も併記[2025/01/30 日本経済新聞 地方経済面 北関東 41ページ 296文字 PDF有 書誌情報]
群馬県は29日、スマートフォンを使った次世代移動サービス「GunMaaS(グンマース)」で販売する電子チケットの一部で英語表記を始めた。インバウンド(訪日外国人)の利用を促し、県内の移動をしやすくする。
草津温泉(草津町)や伊香保温泉(渋川市)などの温泉地周辺エリアで自由に乗り降りできるフリーパスなど5種類が対象。英語と日本語を併記する。クレジットカードで訪日前から購入でき、利用時は乗務員にスマホ画面を見せる。
日本政府観光局によると、2023年の観光目的の訪日客のうち群馬を訪れたのは0.5%と低水準だった。県は受け入れ体制を整えており、グンマースの電子チケットの英日併記はその一環。
信越化の純利益6%増、4~12月 市場予想届かず株価下落[2025/01/29 20:17 日経速報ニュース 1249文字 画像有 ]
信越化学工業が29日発表した2024年4~12月期の連結決算は、純利益が前年同期比6%増の4325億円だった。シリコンウエハーなど電子材料事業が好調だった。同日、積み上がった手元資金を株主還元に振り向ける姿勢を示した。一方で純利益は事前の市場予想平均には届かず、株価は一時約1年2カ月ぶりの安値をつけた。
「手持ち現金はこれ以上(約1兆6000億円)増やさない」。信越化の斉藤恭彦社長は29日の決算説明会でこう話し、投資に振り向ける部分がなければ、株主還元を強化する姿勢を示した。「今、自社株の取得は好機」と還元を示唆する発言もあった。自社株買いについては、すでに24年5月と同12月に実施を表明している。
現預金は24年12月末で1兆5935億円ある。買収を含む大型投資や新型コロナウイルス禍など経済ショックに備えて積み上げてきたが、保有する水準を明確にすることで資金の活用を積極化させる。
4~12月期の売上高は6%増の1兆9296億円、営業利益は4%増の5844億円だった。純利益の25年3月期通期予想に対する進捗率は8割強だった。
けん引役は電子材料事業で、営業利益が2605億円と21%増えた。主力の300ミリウエハーで人工知能(AI)向け需要がけん引し、回路を形成する際に使われるフォトレジスト(感光材)も先端向けが堅調だった。機能材料事業も高機能シリコーンなどがけん引し、営業利益は6%増の783億円に伸びた。
もう一つの収益の柱の生活環境基盤材料事業は11%減益だった。住宅やインフラ向けの塩化ビニール樹脂の出荷が減った。中国企業による過剰生産が続く中、塩ビ市況が上向かず輸出が振るわない。米国では子会社のシンテックが値上げに動き出荷数量も増やしているが、補えない。
株価は下落した。連結全体の純利益は増益を確保したものの、市場予想(QUICKコンセンサス、4433億円)には約100億円届かなかった。正午の発表後に下げに転じ、一時前日比4%安の4881円と23年12月以来の安値をつけた。終値は4890円だった。
「(事前の予想比では)電子材料の下振れが大きかった」(モルガン・スタンレーMUFG証券の渡部貴人アナリスト)との声があった。10~12月期から顧客が半導体ウエハーの在庫調整を強めており、品種構成の悪化や棚卸し資産の評価損などが響いた。
電子材料事業の先行きには不透明感が残る。300ミリウエハーについて、信越化の轟正彦取締役は「顧客側で在庫期間が長期化しており、1~3月期も在庫調整が続く」と話す。4~6月期以降については半導体デバイスメーカーの需要回復を見込んでいる。
塩ビ事業では中長期的に需要が増える兆しも出ている。斉藤社長は「トランプ米政権ではインフレ退治をマンデート(使命)とし、住宅を増やすと明言している」とし、住宅需要の取り込みに期待を寄せる。米国西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で発生した大規模な山火事などを受けて復興需要が伸びるともみていた。
【関連記事】
・信越化学、半導体装置で革新に挑む 塩ビと二枚看板磨く
・信越化学、50年磨き続ける塩ビ 営業利益率アップル超え
群馬版MaaSで英語も表記 一部の電子券、訪日客向け[2025/01/29 18:45 日経速報ニュース 349文字 画像有 ]
群馬県は29日、スマートフォンを使った次世代移動サービス「GunMaaS(グンマース)」で販売する電子チケットの一部で英語表記を始めた。インバウンド(訪日外国人)の利用を促し、県内の移動をしやすくする。
草津温泉(草津町)や伊香保温泉(渋川市)などの温泉地周辺エリアで自由に乗り降りできるフリーパスなど5種類が対象。英語と日本語を併記する。クレジットカードで訪日前から購入でき、利用時は乗務員にスマホ画面を見せる。
日本政府観光局によると、2023年の観光目的の訪日客のうち群馬を訪れたのは0.5%と低水準だった。県は受け入れ体制を整えており、グンマースの電子チケットの英日併記はその一環。観光魅力創出課は「日本語表記しかなかったり、現金しか使えなかったりする不便さを少しでも解消したい」という。
三井住友FG国部会長が退任 総合金融グループ路線に道筋[2025/01/29 18:37 日経速報ニュース 1030文字 画像有 ]
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は29日、国部毅会長(70)が6月下旬に退任する人事を発表した。社長や三井住友銀行の頭取としてグループを約14年にわたって率いてきた国部氏はグループ会社の再編を通じ、総合金融グループにつながる路線に道筋を付けた。
特別顧問になる国部氏の後任には三井住友銀行の高島誠会長(66)が就き、三井住友銀行の会長職は三井住友ファイナンス&リース(FL)の橘正喜社長(68)が務める。三井住友FLの社長には今枝哲郎副社長(62)が昇格する。いずれも6月下旬の定時株主総会を経て就任する。
国部氏は1976年に旧住友銀行へ入行し、経営企画を中心にキャリアを重ねてきた。
不良債権処理で多額の損失を計上する見通しとなった2003年3月期決算では、子会社のわかしお銀行との「逆さ合併」を実務面から指揮。このときに捻出した合併差益の約7000億円を使って株式の含み損を処理した。11年に満を持して頭取に就任。17年からは持ち株会社の社長として、グループ会社の再編による連結経営を進めてきた。
代表例が三井住友カードだ。キャッシュレス化が進むなか、NTTドコモが保有していた34%の株式を買い戻して19年4月に完全子会社化した。三井住友カードは銀行口座やクレジットカードといった金融取引をスマートフォンに一体化した「Olive(オリーブ)」の中核を担う存在となっている。
6割を出資していた三井住友FLも住友商事との共同出資に切り替え、連結子会社から持ち分法適用会社へと改めた。厳格な銀行法の適用を受ける連結子会社のままでは業容の拡大に限界があるためだ。自由に事業展開できる子会社のSMFLみらいパートナーズは、再生可能エネルギーなど新たなビジネスの立ち上げで収益力を高めている。
現在のグループ経営はこうした一連の見直しが骨格となっている。本業のもうけを示す業務純益は24年3月期で1兆5602億円。三井住友銀行が占める割合は58%となり、国部氏が持ち株会社の社長に就任する前の17年3月期(74%)から大きく下がった。
25年3月期の連結純利益は1兆1600億円と初の1兆円超えを見込んでいる。それでも米モルガン・スタンレーを持ち分法適用会社とする三菱UFJとは距離がある。三井住友FGの中島達社長は海外の投資銀行ビジネスに活路を見いだしている。国部氏が整えたグループ経営を基盤に収益力をさらに底上げする必要がある。
(中村雄貴、渡辺淳)
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「3COINS」躍進、見えた小売株の勝ち筋 若者に賃上げ恩恵-大久保希美[2025/01/29 18:01 日経速報ニュース 1457文字 画像有 ]
日経平均株価の足踏みが続く中、消費関連株が気を吐いている。2024年3~11月期の小売り決算ではインフレによる節約志向が鮮明になるなど事業環境の厳しさが浮き彫りになった。その中で賃上げの恩恵が大きい若年層による消費には期待が高まっている。
株式市場での消費関連株の優位は24年秋以降に強まった。24年8月末を起点にすると、業種別日経平均「小売業」は当初は日経平均と軌を一にしていたが、11月下旬から明確に差が開いた。
目を引くのが生活雑貨店「3COINS(スリーコインズ)」で知られるパルグループホールディングス株だ。29日時点で株価は24年末比で13%上昇し最高値圏で推移する。業績をけん引する3COINSはファミリー層向けに出店したのが始まりだが、足元では20~30代の女性にも顧客層が拡大しているという。
きっかけは新型コロナウイルス禍での客足減少だ。中心となる税抜き300円を超える商品を拡充し、ネット通販を強化。駅近くの商業施設への出店を増やしたことが若者を呼び込んだ。楽天投信投資顧問の平川康彦第二運用部長は運用するファンドで上位に組み入れる。「SNSのインフルエンサーを活用した商品訴求力が強みで、インフレ下のコスト増加を販売数量の増加で補えている」と評価する。
市場関係者の関心を集めるのが春季労使交渉(春闘)を前にした若者の消費動向だ。かんぽ生命保険の市場運用部で小売りセクターを担当する井尻雅大担当課長は「労働力確保を急ぐ企業が重点的に採用したいのは若者で、今後も若年層に偏った賃上げが継続するだろう」と指摘する。
若年層が消費のけん引役になっているとの見方は多い。三菱総合研究所がクレジットカード利用額をもとに算出する指数「JCB消費NOW」を用いて分析したところ、20~39歳の消費額(四半期ベース)は24年初めから前年同期比で増加し、勢いを増している。一方で40~59歳は前年とほぼ変わらず、60~79歳はマイナスのままだ。
若年層の消費傾向を把握するヒントは、日銀が24年12月に公表した過去の金融政策を総括する「多角的レビュー」にもある。
レビューでは家計の物価観について世代別に分析し、「物価上昇を経験してこなかった若い世代ほど、物価変動に対する予想物価上昇率の感応度が鈍い」と指摘。これを裏返せば「価格が下がるのを待って消費を手控えてしまうデフレ世代に比べ、20代は賃金上昇分を素直に消費に結びつけやすい」(T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト)との解釈が成り立つ。
裏付けるかのように29日の東京株式市場でおよそ2カ月半ぶりの高値をつけたのが衣料品通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOだ。ゾゾタウン事業の会員の平均年齢は33歳という。25年3月期の連結純利益は前期比2%増の452億円と最高益を見込む。
SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は「大幅な賃上げが始まって3年目に入りその効果が一定程度出てくるころだ」とし若者向けのレジャーやアパレル業界を有望視する。29日は化粧品口コミサイト「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルも4%高で取引を終えた。
BofA証券の圷正嗣チーフ日本株ストラテジストは「若者は将来に備えた資産形成にも関心が高く、株高による資産効果も出やすい」と指摘する。若者を取り込める戦略を打ち出せる銘柄が広がれば、賃上げと消費の好循環を通じて日本株の底上げにもつながりそうだ。
(大久保希美)
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千葉市、家庭の乾燥野菜くずから堆肥 ヨーカドーで回収[2025/01/29 17:00 日経速報ニュース 366文字 画像有 ]
千葉市などは、家庭から出る「乾燥野菜くず」を堆肥にリサイクルする仕組みを構築した。家庭の「生ごみ減量処理機(乾燥減量型)」で処理したくずをイトーヨーカドー幕張店(千葉市)で回収し、リサイクル施設で資源化する。ごみの焼却量を減らすことで二酸化炭素(CO2)排出を減らし、循環型社会の形成を促進する。
処理機を保有する千葉市民が市に事前登録した上で参加できる。店頭に設置した回収ボックスに1キログラム単位に詰めたくずを入れ、みどり産業(千葉県市原市)が堆肥に加工する。肉や魚類のくずも回収対象とする。
参加者には電子マネー「nanaco(ナナコ)」と交換できるリサイクルポイントを付与する。千葉市は市民による処理機の購入を補助しており、年間300~400件ほどの申請があった。これまでは処理後に残るくずの活用が課題となっていたという。
J.フロントリテイリング・Cloudpick Japan・三菱HCキャピタル、大丸東京店で無人店舗のPoCを開始[2025/01/29 15:00 日経速報ニュース 1756文字 PDF有 画像有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月29日
J.フロント リテイリング、Cloudpick Japan、三菱HCキャピタル
合同で大丸東京店内の無人店舗を試験運営
2月6日から「2025大阪・関西万博オフィシャルストア 大丸東京店」にて
J.フロント リテイリング株式会社(本社 : 東京都中央区、取締役兼代表執行役社長 : 小野圭一、以下、JFR)、Cloudpick Japan株式会社(本社 : 東京都中央区、代表取締役 : 李悦●(◇)、以下、Cloudpick)、三菱HCキャピタル株式会社(本社 : 東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 : 久井大樹、以下、三菱HCキャピタル)は、JFRが運営する大丸東京店において無人店舗のPoC(概念実証)を開始します。
◇代表取締役名の正式表記は添付の関連資料を参照
※ロゴは添付の関連資料を参照
1.協業の経緯とPoCの目的
大丸松坂屋百貨店、パルコ、GINZA SIXなどを運営するJFRは、コーポレートベンチャーキャピタル「JFR MIRAI CREATORS Fund」を通じて、高い志と優れた技術・ビジネスモデルを持つ未来志向のスタートアップ企業に出資し、新たな価値の創出に向けた協業を進めています。2024年2月、グループの中核を担う百貨店事業・SC事業に変革をもたらすスタートアップ企業の発掘を目的にピッチコンテストを開催し、「ウォークスルー型無人店舗」を開発・提供するCloudpickが入賞しました。三菱HCキャピタルは以前からCloudpickと協業に向けた検討を進めており、このたび、3社でのPoC実施に至りました。
今回、3社によるPoCの第1弾として、2月6日から大丸東京店の「2025大阪・関西万博オフィシャルストア」に無人店舗を導入します。Cloudpickが百貨店でPoCを行うのは初めてとなります。
働き手不足が深刻な社会問題となる中、店舗の省人化と顧客体験価値の向上を同時に追求する必要性が高まっています。JFRグループは、今回グループで初となるスタッフが常駐しない形の無人店舗でのPoCを通して、顧客体験や利便性を検証し、今後の実施可能性を模索いたします。三菱HCキャピタルとCloudpickは、小売事業者の課題である労働力不足をテクノロジーの活用により解決すべく、ビジネスモデルの検証を目的としてPoCに参画します。また、検証を通じて、JFRグループ各社の店舗や他小売事業者への無人店舗サブスクリプションモデルの提供可能性を模索します。3社は、今回のPoCによりウォークスルー型無人店舗のニーズや実施課題を顕在化し、小売事業における店舗の目指すべき姿を検討します。
2.今回のPoCについて
・場所 : 大丸東京店「2025大阪・関西万博オフィシャルストア 大丸東京店」
・期間 : 2025年2月6日(木)~2025年10月頃(予定)
<導入する仕組み>
今回導入する仕組みは、タッチ機能付きクレジットカードをタップして入店し、商品を手に持って店外に出ると、入店時タップしたクレジットカード情報で、自動的に決済ができます。店内設置のカメラでお客様の動きを確認し、商品が置かれた棚の重量センサーと連動することで、お客様がどの商品をいくつ手に取ったのかをAIが判別します。お客様は商品を手に取って店の外に出るだけで、買い物を済ませる事が可能です。
※イメージ画像は添付の関連資料を参照
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
代表取締役名の正式表記
https://release.nikkei.co.jp/attach/686073/01_202501291424.pdf
ロゴ
https://release.nikkei.co.jp/attach/686073/02_202501291424.jpg
イメージ画像
https://release.nikkei.co.jp/attach/686073/03_202501291424.jpg
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/686073/04_202501291424.pdf
Jフロント、大丸東京店に無人店 万博グッズ販売で実験[2025/01/29 13:14 日経速報ニュース 472文字 画像有 ]
J・フロントリテイリングは29日、傘下の大丸松坂屋百貨店が運営する大丸東京店(東京・千代田)でキャッシュレス決済の無人店舗の実験を始めると発表した。2月6日に開設する大阪・関西万博の公式グッズ店で実施する。レジや接客を省くことで客の利便性や人手不足への対応策を探る。
無人店舗はスマートフォンのタッチ機能付きクレジットカードをゲートにかざして入店し、商品を手に取って退店すれば自動でカード決済される。店内設置のカメラと商品棚の重量センサーが連動することで、客がどの商品を手に取ったのかを人工知能(AI)が判別する。事前登録がいらずインバウンド(訪日外国人)も利用できる。レジや接客の従業員は常駐しない。
10月ごろまで概念実証(PoC)を実施し、無人店舗の課題や効果を分析して大丸松坂屋の他店やグループのパルコへの導入拡大を検討する。
実験はJフロントが2024年に開いたスタートアップ企業のピッチコンテストで入賞した、システム開発のCloudpick Japan(クラウドピックジャパン、東京・中央)と三菱HCキャピタルが協力して手掛ける。
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ディープシークに対しトランプ政権の包囲網 TikTok事例なら8カ月後焦点[2025/01/29 11:26 日経速報ニュース 1563文字 ]
株式市場では世界で最も「重要な企業」とされる米エヌビディアの株価がさえない。米国の人工知能(AI)分野での優位性を脅かすダークホースとして登場した中国のAI企業のDeepSeek(ディープシーク)に対し、米政権は早くも包囲網を狭めている。
ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルは2024年12月、25年に投資家が注意すべきサプライズとして、エヌビディアの株価が大幅に下落することをグレースワン(灰色の白鳥)になぞらえて紹介した。それが早くも現実化するとの懸念が高まっている。
エヌビディア株は1月7日に上場来高値(153ドル)を付けたが、米政権の対中半導体規制の強化観測から、株価は下落基調に入った。さらに、ディープシークが開発した低コストの生成AIが、エヌビディア製の高性能なGPU(画像処理半導体)への需要減少につながるとの懸念が強まり、28日の株式市場では一時、4カ月ぶりの安値を付けた。
エヌビディアびいきの証券アナリストからは「絶好の買い場」との声があがる。一方、ブルームバーグ通信によると08年の金融危機を予見したとされるベストセラー「ブラック・スワン」の著者ナシーム・ニコラス・タレブ氏はAI主導の株価上昇に飛び乗った投資家がこれから直面する事態の「ほんの序章に過ぎない」と警告した。タレブ氏は米企業1銘柄の1日当たりの時価総額の減少としては過去最大を記録した27日のエヌビディアの急落の2~3倍の規模の下落が今後発生する可能性があると予想した。
米政権の動きは速い。トランプ政権で暗号資産(仮想通貨)とAI政策を担当する著名ベンチャー投資家のデービッド・サックス氏は28日、米FOXニュースのインタビューで、ディープシークのAIについて「米オープンAIのモデルから知識を蒸留したとの確固たる証拠がある」と述べた。
サックス氏は、ディープシークは新たなAIが既存のAIに質問を繰り返すことで既存のAI知識を模倣する「知識蒸留」という開発手法を使っていると説明した。ディープシークの生成AIの大半はオープンAIが蓄積した知識の模倣ということになる。今後数カ月かけて知識蒸留を阻止する対策に取り組むといい、ディープシークの開発力がそがれる可能性が出てきた。
米ロイター通信は29日、ディープシークが開発したAIアプリをめぐり、米国家安全保障会議(NSC)が国家安全保障への影響を精査していると報じた。米海軍では安全保障の問題から、ディープシークのAIを使用することを禁じたとも伝わった。
参考になるのが米国民の個人情報が中国政府に流出し、安全保障上の脅威になるとして、動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の親会社の中国・字節跳動(バイトダンス)に米国事業の売却を命じた先行事例だ。19年12月に米海軍はサイバーセキュリティ上の懸念を理由に、TikTokの使用を禁止。8カ月後の20年8月に当時のトランプ政権はバイトダンスにTikTokの米国事業の売却を命じた。
その後、紆余(うよ)曲折があり、TikTokを巡っては、米事業をバイトダンスから切り離さなければ国内でのサービスを禁じる新法が今月19日に施行された。2期目のトランプ政権は中国資本からの切り離しまで75日間の猶予を認めており、マイクロソフトがTikTokの米事業への出資について協議している。
米エバコアISIが約200人の機関投資家を対象にした調査では「トランプ政権はディープシークショック後に中国への監視と関税を強化するか」との質問に対し、64%が強化すると回答した。ディープシークに対する米政権の強硬手段はTikTok以上に、早いものになる可能性が高そうだ。
〔日経QUICKニュース(NQN) 張間正義〕
暗号通信、サイバー捜査で強まる締め付け 監視と反発も[2025/01/29 11:00 日経速報ニュース 2024文字 画像有 ]
サイバー犯罪の脅威が増すなか、各国の法執行機関が暗号通信ツールへの締め付けを強めている。2024年には暗号通信アプリ「テレグラム」上で犯罪者が使用していたアカウントの閉鎖が一時急増した。一方、同年12月には証拠共有など国際協力を推し進める国連サイバー犯罪条約が採択された。こうした流れが、プライバシーを侵害し、国家による監視や弾圧につながりかねないと反発する声も上がっている。
オランダ国家警察などは24年10月下旬、「テレグラムは犯罪者に安心を与えるサービスだったが、状況が変わったことを今回の捜査で示した」と声明を発表した。感染した端末のウェブブラウザーに保存されたパスワードやクレジットカード情報を根こそぎ盗み取る「インフォスティーラー」の販売者を摘発。販売者が使っていたアカウントが閉鎖された。
摘発されたインフォスティーラー「メタ」と「レッドライン」は近年、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)やカード不正利用が急増した要因の一つとみられていた。
テレグラムは通信内容を暗号化し、各国政府が開示するよう求めても、ユーザーのプライバシーを守ると強調してきた。一方で、サイバー攻撃の請け負いなど違法取引のマーケットの場にもなってきた。しかし24年8月、創業者のパベル・ドゥーロフ氏が違法取引を放置したとしてフランス当局に逮捕された。翌月、捜査機関からの要請に対し、ユーザーの情報を開示することをプライバシーポリシーに明記した。
国際刑事警察機構(ICPO)のサイバー犯罪対策のトップを務めたNECの中谷昇執行役は「テレグラムもこれまで全く捜査協力をしてこなかったわけではないが、悪名が大きくなりすぎて明確な対応を迫られる形となったのではないか」と話す。
オランダ国家警察などの摘発直後の同10月31日、米セキュリティー企業のスパイクラウドは、190個のサイバー犯罪者のアカウントが閉鎖したことを確認した。摘発の延長か、または警察声明を受けて犯罪者が利用をやめたのか、同警察とテレグラムは日本経済新聞の取材に応じておらず背景は不明だ。スパイクラウドのトレバー・ヒリゴス上級副社長は「摘発と何らかの相関関係はあるだろう」とみる。
イスラエルの調査会社KELAによると、テレグラムのポリシー変更後、サイバー犯罪者の情報交換サイトでは「シグナル」や「ディスコード」など他の暗号通信アプリを検討する議論が続いている。同社ディレクターのビクトリア・キベリビッチ氏は「テレグラムには利便性や既存の顧客基盤という優位性があり、他のツールへの移行は小規模だが、バックアップとして様々なツールが使われ始めている」と話す。
通信経路を暗号化するツール「Tor(トーア)」についても、ドイツ警察が一定条件下で発信元を特定する方法を開発したと地元メディアが同9月に報じた。トーアも元々は強権国家におけるプライバシー保護を目的に開発された技術だが、サイバー犯罪ビジネスの温床になっている。
ドイツ警察はトーアのネットワーク中にひそかに設置した情報収集用の中継器で違法な通信を捕捉し、ネットワークに入る前の通信と照合する「タイミング分析」を利用したという。一方、管理団体のトーアプロジェクトは脆弱性のある通信アプリを利用している時だけ分析できる汎用性のない手法だと反論。「トーアは依然としてプライバシー保護に最適な手法だ」と強調した。
ネット犯罪の捜査とプライバシーの相克は長らく議論の的になってきた。西側諸国も含め警察機関の利用が指摘されているツールへの批判も根強い。本来はテロリストなどの摘発に利用する、スマートフォンのロックを解除するツールや、メールを受信しただけでスマホに感染する盗聴ツールが、反体制派の政治家やジャーナリストの監視や弾圧に悪用されているとして人権団体から非難を浴びる。
同12月には国連が、捜査の強化を促すサイバー犯罪条約を、多数の団体・企業の反対を押し切って採択した。米マイクロソフトやメタ、日本のNTTなど150社以上が参加する技術団体は「透明性や説明責任の仕組みがないまま、多くの個人情報が国家間で共有される」と声明で非難した。人権団体の反対表明も相次いだ。
条約の目玉は締約国に対し、互いに電子的な証拠の共有を求める条文だ。国際刑事法に詳しい防衛大の石井由梨佳准教授は「日本が副議長として議論をリードし、情報通信技術の発展に対応した共助の仕組みが出来たことは意義深い」と話す。
一方、ロシアや中国などから亡命した活動家らに関するデータの共有を求められる懸念もある。石井准教授は「条約は主権や公的秩序などを害する場合は共助要請を拒否できるとしている。国際協力と人権保障を両立できるよう対応することが肝要だ」と指摘する。
グローバルでのサイバー犯罪対策が求められる中、市民のプライバシー保護についても議論を深める必要がある。
(寺岡篤志)
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MMD研究所、「2025年暗号資産(仮想通貨)の取引動向に関する調査」の結果を発表[2025/01/29 10:40 日経速報ニュース 724文字 PDF有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月29日
2025年暗号資産(仮想通貨)の取引動向に関する調査
暗号資産(仮想通貨)の取引状況、長期保有は「ビットコイン」、短期売買は「エイプコイン」がそれぞれトップ
7割以上が今後も暗号資産(仮想通貨)の取引を続けたいと回答
・ https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2406.html
MMDLabo株式会社(東京都港区、代表取締役 : 吉本浩司)が運営するMMD研究所は、20歳~69歳の男女43,087人を対象に2025年1月10日~1月15日の期間で「2025年暗号資産(仮想通貨)の取引動向に関する調査」を実施いたしました。調査結果は以下のとおりです。
※本リリースでは、アンケート調査により回収されたサンプルを人口構成比に合わせるために、ウエイトバック集計しています。
【調査結果サマリー】
■暗号資産(仮想通貨)の取引状況、長期保有は「ビットコイン」、短期売買は「エイプコイン」がそれぞれトップ
■暗号資産(仮想通貨)の保有額はいずれのサービスも「1万円未満」が最多
■暗号資産(仮想通貨)を取引し始めた時期は「2023年~現在」が最多
取引を始めた理由上位は「暗号資産の将来性に期待」「資産の分散投資」「長期的な資産形成」
■7割以上が今後も暗号資産(仮想通貨)の取引を続けたいと回答
若年層の方が今後の取引意欲が高い結果に
*以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/686028/01_202501291057.pdf
米AI担当高官、ディープシーク「オープンAI模倣の証拠ある」 米報道[2025/01/29 09:19 日経速報ニュース 425文字 ]
トランプ米政権で仮想通貨と人工知能(AI)政策を担当する著名ベンチャー投資家のデービッド・サックス氏は米東部時間28日の米FOXニュースのインタビューで、中国の新興企業DeepSeek(ディープシーク)のAIについて「米オープンAIのモデルから知識を蒸留したとの確固たる証拠がある」と述べた。「オープンAIはこの現状について快く思っていないだろう」とも付け加えた。
サックス氏は、ディープシークは新たなAIが既存のAIに質問を繰り返すことで既存のAI知識を模倣する「知識蒸留」という開発手法を使っていると説明した。ディープシークの生成AIの大半はオープンAIが蓄積した知識の模倣ということになる。サックス氏は証拠の裏付けについては明らかにしなかった。
今後数カ月かけて「我々の主要AI開発会社が知識蒸留を阻止する対策に取り組むことが見込まれ、いくつかの模倣モデルの開発を確実に遅くするだろう」と指摘した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
大阪万博、7つの注意点 会期前半・日時予約で混雑回避-編集委員 宮内禎一[2025/01/29 05:00 日経速報ニュース 2576文字 画像有 ]
2025年国際博覧会(大阪・関西万博、4月13日~10月13日)の開幕まで3カ月を切ったが、意外に知られていないことがまだまだある。予約方法や会場のルールなど、来場の前に知っておくべき7つの注意点をまとめた。
①来場は会期前半(4~7月)がお勧め
過去の万博では会期後半に入場者が集中し大混雑したため、運営主体の日本国際博覧会協会は安価な前売りで早期の入場を促す。開幕日から4月26日までの間に1回使える「開幕券」は大人(18歳以上)4000円。通常の「1日券」(同7500円)の半値近い。開幕日から7月18日まで使える「前期券」も同5000円に抑えた。
万博の開場時間は午前9時から午後10時。混雑時を避ける「平日券」(平日午前11時以降入場)、「夜間券」(午後5時以降入場)もある。会場に近いユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のチケットとのセット割引も検討中だ。
②入場券は日時の予約が必要
入場券はパソコンやスマートフォンを通じて専用サイトで名前などを登録して万博IDを取得し、電子チケットを購入する。面倒なのは来場日時の予約が必要なこと。混雑緩和対策だが、「予約方法が複雑でわかりにくい」との批判が多かった。
このため昨秋から旅行会社など指定の販売事業者あるいはコンビニのセブンイレブン、ローソン、ミニストップ、ファミリーマートの店頭で紙のチケットを購入できるようにした。紙チケットは予約なしでも午前11時以降なら来場可能だが、混雑が予想される特定日は入場できないといった制限も多い。
行列回避へ、日時予約を導入するパビリオンやイベントもある。万博協会のホームページで予定を確認しながら予約し、枠をオーバーした場合は抽選になる。1日の予定を組み立てるのはけっこう難しい。
③会場はマイカーの乗り入れ禁止
会場となる大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」に通じる鉄道は大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)中央線のみ。夢洲と大阪市内を結ぶ道路はトンネルと橋が1つずつあるだけで、会場にマイカー用の駐車場はない。
車で訪れる場合は夢洲の隣の舞洲(まいしま)、堺市、兵庫県尼崎市に設ける専用駐車場に止めて、会場まではシャトルバスを利用する。駐車場の利用は有料で、予約が必要だ。
混雑するとしても大阪メトロ中央線の利用がお勧め。夢洲駅から東の入場ゲートまではすぐで、時間が読みやすい。新大阪駅、大阪駅など主要駅からは有料のシャトルバスが出ていて便利だが、JR桜島駅発着以外は予約での乗車となる。
④大型荷物は持ち込めない
幅60、奥行き90、高さ40センチメートルを超える荷物のほか、キャスター付き荷物は会場内に持ち込めない。東西のゲートでは各100個まで大型荷物を預かるが、1個1万円と高額。地下鉄の混雑などを考えてもスーツケースなどはホテルか大阪市内のコインロッカーに預けて訪れるのがよい。
⑤会場内はキャッシュレス決済のみ
買い物や飲食はクレジットカード、電子マネー、スマートフォンを用いたコード決済で現金は使えない。それらの決済手段がない場合は万博協会が運用するデジタルウォレットや会場内でチャージできるプリペイドカードを利用する。キャッシュレス社会を進めるための試みだが、不慣れな来場者が途方に暮れる恐れもある。
⑥弁当など食品は持ち込み可能
禁止の予定だったが、マイボトルやペットボトルの飲料も含めて食品は持ち込めるよう変更した。世界最大級の木造建築物「大屋根リング」の上から景色を眺めながら食べるのもいいかもしれない。ビンや缶、アルコール類の持ち込みは禁止。
1月27日からは大阪市内全域が路上喫煙禁止となり、指定喫煙所など以外での喫煙は1000円の過料が徴収される。万博会場内での喫煙も禁止で、ゲート付近に喫煙所を設ける。
⑦夏場は暑さ対策が必須
6~9月は暑さ対策が必須だ。昨夏、大屋根リングの上部の通路をサーモグラフィーカメラで測定したところ表面温度は70度近かった。万博協会は暑さ指数(WBGT)で熱中症の危険度を予測し、情報提供や対策を行う。神戸大都市安全研究センターの大石哲教授は「照り返しや蒸し暑さを考えると、地面に近いベビーカーや車イスの利用者は特に要注意」と警告する。
こまめにパビリオンなど屋内に入ったり水分を取ったりする必要がある。大屋根リングの下の通路や静けさの森は日陰になり風も通りやすい。混雑だけでなく、暑さの点からも会期前半の来場が快適だろう。
政府や万博協会は「未来社会の実験場」という万博のコンセプトに沿って、電子チケットの事前予約による混雑緩和やビッグデータの活用、キャッシュレス化など高い目標を設定した。しかしデジタル化で世界に後れを取る日本社会がついていけず、前売りの低迷など混乱を招く一因になっているのは否めない。高齢者も含めて楽しめるよう、販売方法などで柔軟な対応が求められる。
海外や未来に目を向ける機会に
かねて「何が見られるかわからない」という指摘が多かったが、展示やイベントの内容については昨秋以降、次第に明らかになってきた。
「万博の華」といわれる海外パビリオンは、個性的な展示やイベントが売り物だ。イタリア館は天球儀を肩に担いだ姿で有名な大理石彫刻「ファルネーゼのアトラス」を日本初公開する。バチカン市国の出展スペースにはバロックの画家カラヴァッジョの代表作「キリストの埋葬」が展示され、「バチカン美術館で高さ5メートルほどのところに展示している作品を目線の高さで見られる」という。
「いのち輝く未来社会のデザイン」という万博のテーマに沿って映画監督の河瀬直美さんや生物学者の福岡伸一さんら8人のテーマ事業プロデューサーがそれぞれ企画したパビリオンは建築も展示も一見の価値がある。iPS細胞から作った「動く心臓」などの最先端技術も間近に見られる。このほか内外のアーティストが登場する催しや、世界中の食が楽しめるレストランも人気を呼びそうだ。
160に近い国・地域が半年間も集って自国の魅力をアピールし交流する催しは、今後の日本ではもう開かれないかもしれない。次第に整ってきた会場の様子を見るにつけ、特に子どもたちや若者が海外や未来に目を向けるまれな機会になるとの思いを強くしている。
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名鉄グループ、レベル4自動運転バス「30年代に数路線」-名鉄130年の岐路[2025/01/29 05:00 日経速報ニュース 1326文字 画像有 ]
名鉄グループバスホールディングス(HD)は自動運転のバス路線開設に動く。2030年以降にグループ内で数路線を設けることを目指す。運転手の対応が不要になりやすい電子決済を料金収受の念頭に置く。人口減少による乗客減や人手不足に対応し、業界で先駆けて新しい運行形態を推進する。
名鉄グループバスHDの清水良一社長が日本経済新聞のインタビューで明らかにした。特定条件下で運転を完全自動化する「レベル4」での自動運転を想定しており、今後定期運行に向け知見を集める。
清水社長は「新しい技術やオペレーションを導入して既存のバスのイメージを変える」と強調。運行開始時期について「エリア選別をしながら30年以降に数カ所を目指す」と話した。自動運転バスは導入コストも高く、民間事業者として可能な規模も見定めながら路線を抽出する方針だ。
自社主導での実証実験も加速する。グループ傘下の名鉄バス(名古屋市)は現在、愛知県岡崎市や日進市で運転手が状況に応じて介入する「レベル2」の自動運転バスを実証運行している。ただ、様々な道路環境における安定走行といった面に重点を置いた試行が多く、同社の担う分野も一部に限られる。
実際の運行では運賃収受や異常時の対応なども欠かせない要素になる。清水社長は「バスの運行全体を含めて我々が主体となって実証をする。安全や運賃などの運行に関する経験値を高めていく」と語った。
清水氏はキャッシュレスが運行実現に向けたカギになるとの認識も示した。「自動運転で現金支払いするのは現実的ではない」と指摘した。完全キャッシュレスのバスも視野に入るとみられる。高齢者が多い地域などで受け入れられるよう行政と連携して体制を整えることが欠かせない。
自動運転がバス路線で運用されるようになれば、中長期的にバス運転手の人手不足や不採算路線といった課題にも対応できる可能性がある。
バス業界は中長期的に深刻な運転手不足に陥る。日本バス協会の試算によると、運転手は30年に全国で3万6000人不足するという。中部では足元でJR東海バス(名古屋市)が19歳の運転手を運行に従事させたり、三重交通が大型免許を持つ消防士らを対象に60歳以上の転籍を認めたりするなど知恵を絞る。
名鉄グループバスHDも24年に傘下の企業をまたいでの運転手の相互活用を始めた。名鉄観光バスの閑散期に同社の運転手数人を名鉄バスの路線バスで従事させた。清水社長はこうした取り組みを今後も拡大する方針を示した。休憩所の改装など労働環境の改善で離職者も減少しているという。
グループ傘下の名鉄バスは25年秋に名古屋駅前―栄地区間の運行を開始するスマート・ロードウェイ・トランジット(SRT)の運行を担う。すでに名鉄バス営業所に基地を設置しており、運行開始までに慣らし運転などの準備作業を進める。
名鉄は鉄道やバス、タクシーといった交通事業を多く持つ。人口減少が進むなか、地域の事情に沿った交通手段で住民の「足」を守る必要がある一方、名古屋駅の再開発事業などの資金負担を踏まえ収益性を高めることも欠かせない。自動運転のような新しい技術の推進に加え、運行の効率化といった施策も求められる。
(石原誠樹)
マスク氏のX、米国で送金サービス開始へ VISAと提携で[2025/01/29 04:54 日経速報ニュース 697文字 画像有 ]
【シリコンバレー=山田遼太郎】米起業家イーロン・マスク氏が率いる米X(旧ツイッター)は28日、米カード大手のビザと提携してSNSアプリ上で送金サービスを始めると明らかにした。Xのアカウントをデビットカードとひも付け、利用者同士のお金のやりとりを可能にする。
リンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者(CEO)がXへの投稿で表明した。Xのアプリにウォレット(電子財布)の機能を持たせる。ビザのサービス「ビザダイレクト」を介して、Xのアプリとデビットカードの間で入出金ができるようにする。銀行口座への入金も可能とする。
米国では個人間送金アプリとして米決済大手ペイパル・ホールディングスが手がける「ペイパル」や「ベンモ」が普及している。Xでも利用者間で同様の送金が可能になる。SNS上のクリエーターがアプリ上でコンテンツの対価を受け取るなどの用途を想定する。
ヤッカリーノ氏は具体的な提供開始時期や地域を明らかにしていない。米CNBCによると1~3月中にも開始する。Xは米国内の40以上の州で金融サービスの認可を取得しており、まず米国で始める見通しだ。
マスク氏にとってXと金融サービスの融合は念願となる。のちに合併でペイパルとなる金融サービスの「X.com(エックス・ドット・コム)」を1999年に起業した経緯がある。22年に旧ツイッターを買収すると翌年にXに改名した。多様な機能を備える「スーパーアプリ」に進化させる一環として金融の強化を掲げてきた。
24年1月にも、年内に個人間送金のサービスを始めると発表していた。送金事業の免許取得といった体制が整うまで時間を要し、当初の計画からは遅れている。
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仏検察、仮想通貨バイナンス捜査 欧州で資金洗浄疑い[2025/01/29 04:40 日経速報ニュース 280文字 画像有 ]
【パリ=北松円香】パリ検察は28日、暗号資産(仮想通貨)交換業の世界的大手バイナンスについて、資金洗浄の疑いで捜査を開始したと発表した。捜査は2019年から24年にかけてフランス国内及び欧州連合(EU)における違法な疑いのある行為が対象となる。
仏メディアによると、仏当局は22年2月からバイナンスの資金洗浄疑惑に関する捜査に着手した。今回始まったのは裁判所の予審判事が公判が必要かどうかを判断する、「予審」と呼ばれる捜査だ。
バイナンスを巡っては米シアトルの連邦地方裁判所は24年4月、資金洗浄の罪で創業者のチャンポン・ジャオ被告に禁錮4月の判決を下した。
X、アプリで送金 利用者同士 まず米、ビザと連携[2025/01/29 日本経済新聞 夕刊 1ページ 377文字 PDF有 書誌情報]
【シリコンバレー=山田遼太郎】米起業家イーロン・マスク氏が率いる米X(旧ツイッター)は28日、米カード大手のビザと提携してSNSアプリ上で送金サービスを始めると明らかにした。Xのアカウントをデビットカードとひも付け、利用者同士のお金のやりとりを可能にする。
リンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者(CEO)がXへの投稿で表明した。Xのアプリにウォレット(電子財布)の機能を持たせる。
ビザのサービス「ビザダイレクト」を介して、Xのアプリとデビットカードの間で入出金ができるようにする。銀行口座への入金も可能とする。
米国では個人間送金アプリとして米決済大手ペイパル・ホールディングスが手がける「ペイパル」や「ベンモ」が普及している。
Xでも利用者間で同様の送金が可能になる。SNS上のクリエーターがアプリ上でコンテンツの対価を受け取るなどの用途を想定する。
バイナンス、資金洗浄疑いで捜査[2025/01/29 日本経済新聞 夕刊 3ページ 212文字 PDF有 書誌情報]
【パリ=北松円香】パリ検察は28日、暗号資産(仮想通貨)交換業の世界的大手バイナンスについて、資金洗浄の疑いで捜査を開始したと発表した。2019年から24年にかけてフランス国内や欧州連合(EU)加盟国内における違法な疑いのある行為が対象となる。
仏メディアによると、仏当局は22年2月にバイナンスの資金洗浄疑惑に関する捜査に着手した。今回始まったのは裁判所の予審判事が公判が必要かどうかを判断する「予審」と呼ばれる捜査だ。
24年国内消費、力強さ欠く 0.3%増で2年連続伸び縮小 食品など節約、旅行も不振[2025/01/29 日本経済新聞 朝刊 5ページ 1418文字 PDF有 書誌情報]
国内消費が力強さを欠いている。民間のクレジットカード決済額を基に分析した2024年の消費額は物価変動を除いた実質で前年比0.3%増と小幅な増加にとどまり、伸び率は2年連続で縮小した。食品など節約志向が根強いほか、旅行需要が振るわず、ホテルや旅館の宿泊代金が1割以上減少した。
厚生労働省によると24年11月の実質賃金は4カ月ぶりにプラスに転じた。企業による賃上げの動きが消費の底上げにつながるかが注目だ。
データ分析のナウキャスト(東京・千代田)とJCBがクレジットカード決済額に基づく消費データを対象に、24年12月までの最新の状況が確認できる東京都の実質ベースの指数を分析した。22年の消費額は前の年と比べて5.0%増、23年は同1.1%増で、伸び率は縮小傾向が続く。
24年の消費はモノが前年比0.2%減、サービスは0.7%増だった。モノのなかで消費減速が目立ったのが家電などの機械器具小売業で、3.7%減だった。新型コロナウイルス禍でテレワークが増え、自宅の家電を買い替える需要が一巡し、21年以降は前年比マイナスが続く。
気温の高さなどが影響し、織物・衣服・身の回り品小売業は3.3%減だったほか、スーパーなどの各種商品小売業も2.1%減少した。帝国データバンクによると、24年の飲食料品は1万2520品目の値段が上がり、消費者の節約志向が強い。
一方、ドラッグストアでの消費を含む医薬品・化粧品小売業は2.6%増と好調だった。物価高で様々な商品の値段が上がる中、生鮮食品や日用品まで手ごろな値段でそろえるドラッグストアで少しでも安く購入しようとするニーズがあったとみられる。
サービスは前年比0.7%増え、外食が4.6%増と最も伸びが大きかったが、前年の11.8%増からは減速した。ナウキャストの中山公汰データアナリストは「新型コロナ禍の反動で外食は強く出ていたが、巡航速度に戻ってきた」と見る。
低調さがきわだったのが旅行消費だ。ホテルや旅館の宿泊は11.7%減となり、2年連続マイナスとなった。23年よりもマイナス幅が拡大した。国内旅行需要の一巡や、訪日外国人(インバウンド)の増加により宿泊や旅行の価格上昇で旅行を控える動きが背景にあるとみられる。
内閣府が1月に発表した24年12月の景気ウオッチャー調査では「国内旅行者数の減少が続き、インバウンドも季節的に少ないため、売り上げが減少している」(北陸の都市型ホテル)といった声もあった。
政府統計でも消費が振るわない構造は同じだ。総務省が発表する家計調査は直近の11月まで4カ月連続でマイナスとなった。11月は物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.4%減だった。
厚生労働省が24日発表した24年11月の毎月勤労統計の確報値によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.5%増えた。速報値ではマイナスだったが、賞与などが反映され4カ月ぶりにプラスに転じた。
25年1月24日に日銀は追加利上げを決めた。みずほリサーチ&テクノロジーズは日銀の追加利上げでは高齢世帯を中心に利子収入が増える一方、現役世代には住宅ローン負担が増すと分析する。合計でみると家計全体では年間6000億円程度のプラス効果になるとみる。実質賃金のプラス定着に加え、利上げによる家計へのプラス効果が25年以降、消費にも表れてくるかが注目だ。
【図・写真】食品などの節約志向が根強かった
ドラッグ店とスーパー、九州で火花 コスモス薬品、売上高1兆円へ[2025/01/29 日経MJ(流通新聞) 2ページ 1612文字 PDF有 書誌情報]
九州地盤のドラッグストア業界がスーパーから顧客を奪い勢力を拡大している。地場最大手のコスモス薬品は徹底したローコスト経営で出店を加速、売上高は2025年5月期に初めて1兆円を超える見通しだ。対するスーパー側もイオン九州が新業態で反攻に打って出るなど、激しい競争を繰り広げている。
「コスモスには薬よりも食品や日用品を買いに来る」。福岡市近郊にあるJR篠栗線の柚須駅近く。平日の午後4時ごろ、ドラッグストアコスモス柚須店(福岡県粕屋町)を仕事帰りに訪れた20代の会社員女性は、夕食用に皿うどんの麺や卵などを買い求めた。ティッシュなど生活必需品が切れた時にも同店を頼りにするという。
コスモスの強みは充実した食品の品ぞろえと破格ともいえる安さだ。コメやカップ麺、冷凍食品など幅広く取りそろえ、ある店舗では6枚切り食パンを税込み89円で販売する。節約志向の消費者の支持を集め、加工食品の売上高は全体の6割を占める。
コスモスの横山英昭社長は「当社(の存在意義)はローコストオペレーションに磨きをかけることにあると思っている」と強調する。郊外の幹線道路沿いの大型店を基本とし、同一地域で集中的に出店する「ドミナント」戦略により低コストで安定した調達網を構築。店内では商品を売れ筋に絞り、現金決済に限ることで業務や決済手数料の負担をなくす。
徹底したローコスト経営は取引先への姿勢にも表れる。同社と取引がある食品メーカーの幹部は「コスモスへの納品ミスは許されない」と打ち明ける。季節の変わり目など陳列商品の入れ替え時に棚に残れるかどうか、厳しく評価されるという。
店舗数は右肩上がりに増えている。24年11月末時点で1546店と、前年同月末比120店(8%)増えた。業界ではM&A(合併・買収)で店舗網を一気に広げようとする企業が多いなか、コスモスはあくまでも自前出店を貫く構えだ。
横山社長は「今期(25年5月期)と来期は年間120店、その後も当面同じペースで出店を続けていきたい」と意気込む。640店舗を展開する地盤の九州だけでなく、関東や中部などでも店舗網を拡大している。25年5月期の売上高は前期比7%増の1兆370億円、純利益は微増の245億円を見込む。
九州でコスモスと激しく競い合うのが地域2番手のドラッグストアモリ(福岡県朝倉市)だ。24年3月期の売上高は1989億円と、前の期から1割近く伸びた。24年10月時点で九州を中心に393店舗を展開する。
売り場にはニンジンやタマネギ、鶏肉など様々な生鮮食品が並び、もはやスーパーだ。クレジットカード決済などで顧客の利便性を高めつつ、セールや割引クーポンを駆使しコスモスより低価格を打ち出す商品も多い。
ほかにもサンドラッグ傘下のダイレックス(佐賀市)は医薬品や総菜を取り扱うディスカウントストアを九州から甲信越まで399店舗(24年9月時点)展開し、増収増益が続いている。
ドラッグ勢に押されるスーパー側も逆襲を狙う。イオン九州は22年、ウエルシアホールディングスと共同出資でイオンウエルシア九州(福岡市)を設立。調剤機能を備えたドラッグストアと生鮮食品スーパーを融合した店舗で迎え撃つ。
23年4月の初出店を皮切りに、店舗数は25年1月末に10店舗となる予定だ。25年2月期からの3年間で福岡県内の駅前や住宅地を中心に50店舗の出店を目指す。
九州経済産業局によると、九州7県のドラッグストア販売額は23年度に7933億円と前年度比8%増えた。店舗数は5%増え、増加率は全国を2ポイント上回る。ただ23年10月の推計人口に基づく九州の人口1万人当たり店舗数は1.23と、全国の1.52より少なく「出店余地はまだある」(業界関係者)。好立地を巡る競争は今後さらに激しさを増しそうだ。
(西部支社 堀田真優音)
【図・写真】コスモス薬品は自前出店を貫く(福岡県粕屋町の店舗)
生体認証決済、埼玉の20店に 東武・日立が開発の「サクララ」[2025/01/29 日経MJ(流通新聞) 4ページ 381文字 PDF有 書誌情報]
東武鉄道と日立製作所は共同開発した生体認証による決済サービス「サクララ」が埼玉県越谷市と川越市周辺の飲食店など20店舗で15日から利用できるようになったと発表した。同サービスは2024年に「東武ストア」など東武グループの一部店舗で導入が始まった。一般の飲食店への導入は今回が初めてとなる。
サクララは専用端末で指静脈の模様を読み取り、電話番号を入力して本人確認して事前登録したクレジットカードで決済する。利用者は「手ぶら」で買い物が出来る。東武グループ以外にも導入を進めている。
日立は生体認証技術の導入先を増やし、顧客データの活用など新たなサービスの展開を狙っている。
南越谷商店会の関森初義会長は「『サクララ』は利便性と安全性において画期的だ。街の活性化につなげたい」と話した。
【図・写真】「サクララ」を導入した「海鮮問屋 孝進丸」(15日、埼玉県越谷市)
JR東、スイカで鉄道サブスク 運賃割引や駅ビルのクーポン 28年度にも、行政サービスも対応[2025/01/29 日経MJ(流通新聞) 5ページ 1292文字 PDF有 書誌情報]
JR東日本は交通系ICサービス「Suica(スイカ)」を使ったサブスクリプション(定額課金)を2028年度にも始める。毎月一定額を支払うことで運賃を割り引いたり、駅ビルのクーポン券を付与したりするサービスを想定する。電子決済のシェア争いが激しくなるなか、柔軟に使える機能を増やして新たな生活インフラに育てる。
JR東の共通アプリ「Suicaアプリ(仮称)」を28年度に取り入れる。従来はスイカのほか、切符予約サイト「えきねっと」やクレジットカード「ビューカード」などグループの会員サービスが分散していた。アプリの導入で鉄道や買い物、金融といった各機能をまとめて使えるようにし、事業の垣根を越えたサブスク展開を目指す。
例えば毎月3000円を支払えば、最寄り駅を起点にどの駅にも半額運賃で乗り放題できるようなサービスをつくる。駅ビルで一定額の買い物をした利用者には帰りの運賃を割引きにするなどの特典も設ける。駅ナカでのイベント開催日や記念日に合わせてクーポン券を配るなど、鉄道の利用促進につながる企画も検討する。
これまでスイカは2万円までしかチャージできなかった。今後コード決済機能を施し、利用上限を引き上げる。一度に使える金額が増えれば、クーポンや割引券を獲得しやすくなる。後払い機能も設けることで決済金額・頻度の向上につなげる。
スイカは累計1億超の発行数を誇る。鉄道利用に加え、電子マネーとしても使える利便性から、コンビニエンスストアや飲食店など様々な業種との相互利用が進んだ。
一方、電子決済のシェア競争は激しさを増している。経済産業省の23年調査によると、キャッシュレス決済額の84%をクレジットカードが占め、スイカを含む電子マネーは5%にとどまる。「PayPay」などコード決済(9%)も独自のポイントを強みに台頭する。
スイカの優位性を保つには、従来の決済手段にとどまらない機能の拡充が求められる。人口減で移動需要も縮小するなか、鉄道や商業の縦割りを崩して利便性を高めて、沿線内外の顧客を引きつける独自の戦略を打ち出すことが重要になっている。
JR東の喜勢陽一社長は「定期券や定期外のような鉄道の当たり前を超え、顧客ごとに合わせた割引きやクーポンなど今までにない便利な移動体験を提供する」と語る。スイカに蓄積するビッグデータを活用し、日々の生活に根ざしたサービス展開を目指す。
スイカの情報を使い、新幹線の到着時間に合わせて旅先の駅にタクシーを呼べる自動配車サービスの展開を模索する。駅ビルや店舗での消費データなどを人工知能(AI)で分析することで、健康状態に合わせた食事や運動メニューの提案もできる。
沿線各地の自治体向けには、特定エリアのみで使える「ご当地Suica(仮称)」を導入する。マイナンバーカードと連携し、地域の特性に応じた割引商品や乗り合いバスの利用、給付金の受け取りなど行政サービスにも対応できるようにする。
(石崎開)
【図・写真】モバイルスイカを活用して柔軟なサービス開発を急ぐ
【図・写真】28年度をめどに鉄道のサブスクサービスを始める(京浜東北線)
X、アプリで送金、利用者同士 まず米、ビザと連携[2025/01/29 日本経済新聞 大阪夕刊 一面 18ページ 499文字 PDF有 書誌情報]
【シリコンバレー=山田遼太郎】米起業家イーロン・マスク氏が率いる米X(旧ツイッター)は28日、米カード大手のビザと提携してSNSアプリ上で送金サービスを始めると明らかにした。Xのアカウントをデビットカードとひも付け、利用者同士のお金のやりとりを可能にする。
リンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者(CEO)がXへの投稿で表明した。Xのアプリにウォレット(電子財布)の機能を持たせる。ビザのサービス「ビザダイレクト」を介して、Xのアプリとデビットカードの間で入出金ができるようにする。銀行口座への入金も可能とする。
米国では個人間送金アプリとして米決済大手ペイパル・ホールディングスが手がける「ペイパル」や「ベンモ」が普及している。Xでも利用者間で同様の送金が可能になる。SNS上のクリエーターがアプリ上でコンテンツの対価を受け取るなどの用途を想定する。
ヤッカリーノ氏は具体的な提供開始時期や地域を明らかにしていない。米CNBCによると1~3月中にも開始する。Xは米国内の40以上の州で金融サービスの認可を取得しており、まず米国で始める見通しだ。
マスク氏にとってXと金融サービスの融合は念願となる。
24年消費、実質0.3%増 旅行など減少で2年連続伸び縮小[2025/01/28 18:24 日経速報ニュース 1397文字 画像有 ]
国内消費が力強さを欠いている。民間のクレジットカード決済額を基に分析した2024年の消費額は物価変動を除いた実質で前年比0.3%増と小幅な増加にとどまり、伸び率は2年連続で縮小した。食品など節約志向が根強いほか、旅行需要が振るわず、ホテルや旅館の宿泊代金が1割以上減少した。
厚生労働省によると24年11月の実質賃金は4カ月ぶりにプラスに転じた。企業による賃上げの動きが消費の底上げにつながるかが注目だ。
データ分析のナウキャスト(東京・千代田)とJCBがクレジットカード決済額に基づく消費データを対象に、24年12月までの最新の状況が確認できる東京都の実質ベースの指数を分析した。22年の消費額は前の年と比べて5.0%増、23年は同1.1%増で、伸び率は縮小傾向が続く。
24年の消費はモノが前年比0.2%減、サービスは0.7%増だった。モノのなかで消費減速が目立ったのが家電などの機械器具小売業で、3.7%減だった。新型コロナウイルス禍でテレワークが増え、自宅の家電を買い替える需要が一巡し、21年以降は前年比マイナスが続く。
気温の高さなどが影響し、織物・衣服・身の回り品小売業は3.3%減だったほか、スーパーなどの各種商品小売業も2.1%減少した。帝国データバンクによると、24年の飲食料品は1万2520品目の値段が上がり、消費者の節約志向が強い。
一方、ドラッグストアでの消費を含む医薬品・化粧品小売業は2.6%増と好調だった。物価高で様々な商品の値段が上がる中、生鮮食品や日用品まで手ごろな値段でそろえるドラッグストアで少しでも安く購入しようとするニーズがあったとみられる。
サービスは前年比0.7%増え、外食が4.6%増と最も伸びが大きかったが、前年の11.8%増からは減速した。ナウキャストの中山公汰データアナリストは「新型コロナ禍の反動で外食は強く出ていたが、巡航速度に戻ってきた」と見る。
低調さがきわだったのが旅行消費だ。ホテルや旅館の宿泊は11.7%減となり、2年連続マイナスとなった。23年よりもマイナス幅が拡大した。国内旅行需要の一巡や、訪日外国人(インバウンド)の増加により宿泊や旅行の価格上昇で旅行を控える動きが背景にあるとみられる。
内閣府が1月に発表した24年12月の景気ウオッチャー調査では「国内旅行者数の減少が続き、インバウンドも季節的に少ないため、売り上げが減少している」(北陸の都市型ホテル)といった声もあった。
政府統計でも消費が振るわない構造は同じだ。総務省が発表する家計調査は直近の11月まで4カ月連続でマイナスとなった。11月は物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.4%減だった。
厚生労働省が24日発表した24年11月の毎月勤労統計の確報値によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.5%増えた。速報値ではマイナスだったが、賞与などが反映され4カ月ぶりにプラスに転じた。
25年1月24日に日銀は追加利上げを決めた。みずほリサーチ&テクノロジーズは日銀の追加利上げでは高齢世帯を中心に利子収入が増える一方、現役世代には住宅ローン負担が増すと分析する。合計でみると家計全体では年間6000億円程度のプラス効果になるとみる。実質賃金のプラス定着に加え、利上げによる家計へのプラス効果が25年以降、消費にも表れてくるかが注目だ。
メルカリ、NFTの取引サイト開設 無形資産の売買を展開[2025/01/28 18:11 日経速報ニュース 559文字 画像有 ]
フリマアプリのメルカリは28日、デジタルコンテンツの持ち主を証明し希少性を担保する「NFT」(非代替性トークン)の取引サイトを立ち上げたと発表した。暗号資産(仮想通貨)のウォレット(電子財布)や口座の開設をせずに簡単にNFTを取引できる。物の売買に加えて無形資産の売買に事業領域を広げる。
取引サイト名は「メルカリ NFT」。メルカリ利用者が米国のNFT取引サイト「OpenSea(オープンシー)」上の商品を購入できるようにした。オープンシーで購入した商品はメルカリ NFTにも出品できる。現時点ではスマートフォンアプリは存在せず、ウェブブラウザ上で利用できる。
利用者がNFTを購入する際に取引手数料はかからない。出品者は商品が売れると、NFTの売価の10%を販売手数料としてメルカリに支払う。
サービス開始当初はオープンシーが取り扱うデジタルアートの取引が中心となる。今後は国内外の事業者やIP(知的財産)の所持者と連携し、トレーディングカードやエンタメに関連したNFTの取引も目指す。
メルカリは仮想通貨や単発バイト仲介などを通じて無形資産の取引にも注力している。2021年にはプロ野球パ・リーグ6球団のプレー動画をNFT付きで販売するサービスを始めたが、NFTブームの一服を受けて24年3月末に終了していた。
手間いらず、「TEMAIRAZU」シリーズがSeisin World Tour Masterとシステム連携を開始[2025/01/28 15:22 日経速報ニュース 1037文字 PDF有 画像有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月28日
手間いらず、韓国からの送客に強みを持つホールセラー、
株式会社Seisin World Tour Masterと連携を開始
手間いらず株式会社が提供する、複数のオンライン宿泊予約サイトを一元管理できる『TEMAIRAZU』シリーズ( https://www.temairazu.com/ )(以下、「TEMAIRAZU」)は、韓国からの送客に強みを持つホールセラー、株式会社Seisin World Tour Masterと、2025年1月28日からシステム連携を開始しました。
※ロゴは添付の関連資料を参照
株式会社 Seisin World Tour Masterは、韓国からのインバウンド向けホテル手配サービスを運営している旅行会社で、OTAとリアルエージェントを兼ね備えたハイブリッド企業です。ホテルと旅行会社とのやりとりに関するお困りごとを24時間対応できる体制を整えていることが特徴です。韓国大手の旅行会社であるハナツアーやモードツアー、ヨギオテ、マイリアルトリップなどのダイナミックパッケージ商品でホテルを提供しています。2025年からは東南アジアや中華圏にも販売を拡大していく予定です。
今回のシステム連携により、『TEMAIRAZU』シリーズを導入している宿泊施設は、また1つ販売チャネルの選択肢が増えることになります。株式会社Seisin World Tour Masterを通して韓国からの集客が可能となり、稼働率の向上と売上増加への貢献が期待できます。
■『TEMAIRAZU』シリーズシステム概要
『TEMAIRAZU』シリーズは、国内宿泊施設向けに複数の宿泊予約サイトの料金と在庫の一元管理を行う基本機能と、予約情報の高速取得やイールドマネジメント機能等を備えた予約管理システムです。宿泊施設は、『TEMAIRAZU』シリーズを利用することで、一括で在庫と料金のコントロールができ、収益を上げ、コスト削減が可能となり、利益の最大化が実現できます。
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
ロゴ
https://release.nikkei.co.jp/attach/685999/01_202501281519.png
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/685999/02_202501281519.pdf
freee、freee会計で「購買進捗モニター機能」を提供開始[2025/01/28 15:21 日経速報ニュース 1380文字 PDF有 画像有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月28日
freee会計、「購買進捗モニター機能」の提供を開始
購買申請の情報から領収書等の回収作業を可視化して月次の締め作業を効率化
■マジ価値サマリー(このお知らせでお伝えしたいこと)
●freee会計は「購買進捗モニター機能」の提供を開始しました
●購買申請を起点とした支払依頼や経費精算、freeeカードUnlimitedの利用の有無やステータス、予算消化率を一覧で確認できるため従業員から回収すべきものが可視化され月次の締め作業を効率化します
フリー株式会社(本社 : 東京都品川区、CEO : 佐々木大輔)はfreee会計において「購買進捗モニター機能」の提供を開始しました。従業員からの購買申請を起点として、それらに紐づく支払依頼や経費精算、freeeカードUnlimitedの利用の有無やステータス、予算消化率を一覧で確認できるため従業員から回収すべきものが可視化されます。
■ステータスを可視化して月初の回収業務と月次の締め作業を効率化
※参考画像(1)は添付の関連資料を参照
スモールビジネスの経理担当者において、月初のタイミングは請求書や経費精算、クレジットカードの領収書を従業員から回収する作業と月次の締め処理など多くの業務を抱えています。経理担当者にとって、従業員からの申請が上がるまで作業の進捗状況を把握するのは難しく、どの業務を完了させるよう促すべきかが明確にならないケースが多々あります。その結果、全体の進捗が見えにくく、期日直前に申請が提出される可能性や、予算の超過が発生しても制御できないという不安やリスクを常に抱えることになります。また、催促を行いたくても、個々の状況を把握できないため、全体アナウンスにとどまらざるを得ない状況に陥りがちです。
「購買進捗モニター機能」を活用することで、購買申請に紐づく経費精算、支払依頼の申請状況や、freeeカードUnlimitedの利用明細の有無、予算消化率を一覧で確認できるため、支払業務の進捗を正確に把握し、予算超過を未然に防ぐためのチェックが可能です。
例えば月末時点で未払いが残っている購買申請には「未回収」、支払いが延期になった購買申請には「延期」といったステータスを付与し、月締めで処理が必要な申請を分類することができます。今後は未回収の申請がある場合に従業員に催促通知ができる機能も開発予定です。
・freee会計の購買進捗モニター : https://youtu.be/Qqn9TanDJts?si=Ec3eIXxZKiom65nI
※参考画像(2)は添付の関連資料を参照
https://youtu.be/Qqn9TanDJts
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
参考画像(1)
https://release.nikkei.co.jp/attach/685998/01_202501281516.jpg
参考画像(2)
https://release.nikkei.co.jp/attach/685998/02_202501281516.jpg
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/685998/03_202501281516.pdf
午前の日経平均続落、2日目のDeepSeekショック 全面リスクオフ回避[2025/01/28 12:47 日経速報ニュース 1923文字 画像有 ]
28日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落し、午前終値は前日比225円(0.57%)安の3万9340円だった。中国の人工知能(AI)企業のDeepSeek(ディープシーク)が開発した生成AIで、米AI産業の優位性が脅かされるとの懸念「ディープシークショック」による、半導体・AI関連銘柄売りは2日目に突入した。午前の日経平均は一時600円を超える下げに見舞われたが、銀行など割安株シフトが進み、底堅さが感じられる展開だった。
午前の東京株式市場では、アドバンテストは一時10%あまり下落し、2カ月ぶりの安値を付けた。アドテストは今月10日に付けた上場来高値から2割あまり下げた格好だ。東京エレクトロンやディスコに加え、AIデータセンター向けの電線需要の拡大を追い風に買われていたフジクラや古河電気工業なども売られた。エネルギー需要が鈍化するとの見方から、高効率のガス火力発電プラントを手掛ける三菱重工業なども急落した。
ディープシークが開発した廉価で高性能な生成AIへの警戒から、米巨大IT企業はAIサービスでディープシークにシェアを奪われ、高性能半導体への需要が減退するとの懸念から27日の米株式市場ではエヌビディアやブロードコムなどが急落。米半導体大手を大口顧客に抱えるとみられる日本の半導体・AI関連銘柄への売りはこの日も続いた。きょうはトランプ米大統領が27日、外国製半導体チップなどに近く関税を適用する方針を明らかにしたと伝わったことも逆風となった面がある。
市場では近年、半導体関連銘柄が大きな投資テーマだったこともあり、AI関連を中心に株式相場の上昇をけん引してきた。今回のディープシークショックで割高だった半導体関連の調整色が強まれば、海外投資家のセンチメント悪化を通じて日本株のさらなる下落を招くリスクも残る。
市場の一部で想起されているのが2024年8月の日本株急落の記憶だ。当時、24年7月末に日銀が追加利上げを決定した後、24年7月の米雇用統計が労働市場の軟化を示す結果となり、米景気不安が強まった。投資家心理の悪化を受け、金利の低い円を借りて高利回りの資産で運用する「円キャリートレード」が急速に巻き戻されたことで円高・ドル安が進行。結果、同月5日に日経平均が4000円以上下落する歴史的な株安が起きた。
前週末24日に日銀は追加利上げを決めており、状況は似通いつつある。みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストらは28日付リポートで、これまでAI開発では米国に優位性があったが「中国が低コストで高性能のAIを開発したことにより、その優位性に疑問符が付いたことがドル安につながった面がある」と指摘。米半導体関連銘柄の調整が強まることで円高が進めば、日本株相場の下押しにつながる。
半面、当時と異なる点もある。いまのところ、24年夏のような株式市場からの全面的な資金逃避は起きていない。午前の東証株価指数(TOPIX)は朝安後に上昇に転じて、午前は0.45%高で引けた。三菱UFJフィナンシャル・グループは連日で上場来高値を更新し、みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループは昨年来高値を付けた。東京建物など不動産株に加え、朝方は売られたトヨタ自動車など自動車株の一角も上昇に転じた。食品や製薬などディフェンシブ株にも買いが優勢で、午前終了時点の東証プライムの値上がり銘柄数は1185と全体の7割を超え、全面安の展開からはほど遠い。前日の米株式市場でも消費関連や金融の割安株は上昇し、相場を下支えした。ハイテク株からの資金流出の受け皿となった。
ソシエテ・ジェネラル証券の斎藤勉マルチアセットストラテジストは「ディープシークショックの影響は半導体関連にとどまる」と話す。割高だった米ハイテク株の調整が進んで日本の半導体関連にも売りが出るのは従来のようなテック株の調整の範囲内だとして「米国も日本も株式市場そのものから資金流出が起きない限り、相場全体を大きく押し下げる可能性は低い」と説明する。
モルガン・スタンレーMUFG証券の和田木哲哉株式アナリストは27日付リポートで「中長期的には生成AIでも、スーパーコンピューターがパソコンへとダウンサイジングし、半導体や製造装置など関連市場が大きく拡大したのと同様の効果が見込めよう」とみる。半導体市場の成長シナリオは不変とみて、強気の見通しを維持する関係者も多い。
ディープシークショックの行く末に関心は高まるが、今のところ昨夏のような全面的なリスフオフになっていない点には注目だ。
〔日経QUICKニュース(NQN) 大貫瞬治〕
シンガポール配車アプリTADA、「運転手本位」で大手に挑む[2025/01/28 12:08 日経速報ニュース 1798文字 画像有 ]
【NQNシンガポール=秋山文人】シンガポールの配車アプリ「TADA(タダ)」が事業を拡大している。2024年12月には香港に進出し、5カ国・地域にサービスエリアを広げている。手数料の低さを武器に、グラブやウーバーなど先行する巨人とは異なる独自の戦いでアジア市場を開拓している。
■ドライバーの負担抑制
シンガポール在住の50歳代の女性はある日、乗車したライドシェアのドライバーからこう言われた。「まわりのドライバーはTADAを使い始めているよ。こっちのほうがもうかるからね」。他社のアプリを使っていた女性はそれ以降、TADAへと乗り換えた。
TADAはシンガポール発の配車アプリで、モビリティーへのブロックチェーンの活用を目指す企業MVLラブズの子会社として発足した。サービスはタイ、カンボジア、ベトナムへと展開した。
ライドシェアのドライバーは配車アプリを使って利用客を得る際、一般的にアプリの利用料金(プラットフォームフィー)と、運行料金に応じて支払う手数料(コミッションフィー)を支払う。
TADAの最大のポイントは後者のコミッションフィーが発生しない点だ。コミッションフィーは会社によって異なるが運行料金の1~2割になるイメージだが、TADAではこれが掛からない。ドライバーが払うのは毎回1.05~1.25シンガポールドルのプラットフォームフィーのみだ。
利用者にとっても体感的には安い利用料金が提示される。ある平日の昼間にシンガポールの中心街から郊外のナイトサファリまでの料金を検索したところ、グラブは32シンガポールドル程度だったがTADAだと30シンガポールドル弱だった。ドライバーは手取りが多いとしてTADAの利用客を優先して選ぶようになる。他社のアプリではクルマがつかまらなかったのに、TADAだとすぐに呼べたというケースにもつながる。
「シンガポールで事業を始めた段階ではTADAは後から参入した立場だった。グラブやゴジェックなどの先行組と同じことをやっていても戦えなかった。コミッションフィーを取る先行組とは異なるビジネスモデルにした」。TADAのショーン・キム最高経営責任者(CEO)はコミッションフィーを求めないスタイルにした背景をこう説明する。「固定の料金だけ支払ってもらい、彼らの売り上げを減らさない」
暗号資産(仮想通貨)を販売奨励金(インセンティブ)に使うのも検討したが、好ましい結果にならないと判断した。「派手な手法に頼らず、オーガニック(有機的)な成長を目指した」(キムCEO)
合理的な料金を提供するサービスとしてTADAがドライバーの間で広がった。「ドライバーが常にTADAを選んでくれるようになるのが望ましい。TADAにとってはドライバーを囲い込むのに必要なコストが他社ほど掛からなくなり、営業コストが低下するからだ」
■香港でウーバーに挑む
新たな市場として進出したのが香港だ。東南アジア以外では初めての市場となる香港は、ウーバーの存在感が大きいので知られる。配車アプリの巨人に挑む格好だが、キムCEOはたんたんと商機を語る。「どんな市場でも、独占的な先行企業がある。だが先行企業は高いコミッションフィーを請求しがちだ」。だからこそ同社のコミッションフィー無料の戦略は「競争的な武器」になる。「アジア、特に東南アジアではうまくいった。同じモデルを使えば、他地域でも良いパフォーマンスを上げられる」
配車アプリ大手は配車以外にもサービスを広げてきた。グラブやウーバーは料理宅配で、ゴジェックは通販企業と統合した。金融も手掛ける。
だがTADAではこうしたビジネスとは距離を置く。配車にこだわる。電動二輪や電動三輪などの製造を手掛けるが、これも配車サービス向けだ。「ブロックチェーンを使い、非中央集権的金融の仕組みを作る。そうすれば、カンボジアやベトナムなどの国で、おカネがなかなか借りられないドライバーに対してクルマを貸して支援することができる」
「上場を考えるのであれば、ナスダックやニューヨーク証券取引所(NYSE)など米市場を目指す」と話すキムCEO。だが「上場は通過点でありゴールではない」とも話す。配車産業は大手を中心に競合がひしめく市場だ。競争環境は厳しいが、TADAは独自のスタイルで居場所を模索している。
MMD研究所、「2025年暗号資産(仮想通貨)のシェア・満足度調査」の結果を発表[2025/01/28 10:32 日経速報ニュース 1056文字 PDF有 ]
【プレスリリース】発表日:2025年01月28日
2025年暗号資産(仮想通貨)のシェア・満足度調査
最も取引額の多い暗号資産(仮想通貨)の取引所・販売所の
トップは「bitFlyer」、次いで「Coincheck」「SBI VCトレード」
総合満足度は「GMOコイン」がトップ、次いで「メルカリのビットコイン取引サービス」「bitFlyer」
・ https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2404.html
MMDLabo株式会社(東京都港区、代表取締役:吉本浩司)が運営するMMD研究所は、予備調査では20歳~69歳の男女43,087人、本調査では暗号資産(仮想通貨)の取引所・販売所利用者593人を対象に2025年1月10日~1月15日の期間で「2025年暗号資産(仮想通貨)のシェア・満足度調査」を実施いたしました。調査結果は以下のとおりです。
※本リリースでは、アンケート調査により回収されたサンプルを人口構成比に合わせるために、予備調査のみウエイトバック集計しています。
※暗号資産(仮想通貨)の取引所・販売所利用者593人の内訳は以下のとおりです。
bitFlyer(n=100)、Coincheck(n=100)、SBI VCトレード(n=100)、楽天ウォレット(n=100)、GMOコイン(n=100)、メルカリのビットコイン取引サービス(n=93)
【調査結果サマリー】
■暗号資産(仮想通貨)の取引経験は5.5%
うち、男性の方が取引経験が多く、「男性40代」がトップ、次いで「男性30代」「男性20代」
■現在取引している暗号資産(仮想通貨)の上位は「ビットコイン」「イーサリアム」「エックスアールピー、リップル」
■最も取引額の多い暗号資産(仮想通貨)の取引所・販売所のトップは「bitFlyer」、次いで「Coincheck」「SBI VCトレード」
■暗号資産(仮想通貨)の取引所・販売所の総合満足度は「GMOコイン」がトップ、次いで「メルカリのビットコイン取引サービス」「bitFlyer」
■暗号資産(仮想通貨)の取引所・販売所のNPS(R)は「GMOコイン」がトップ、次いで「bitFlyer」「楽天ウォレット」
*以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/685941/01_202501281029.pdf
仮想通貨交換業のコインベース・グローバル(@COIN/U) ▲6.71%[2025/01/28 08:05 日経速報ニュース 198文字 ]
◎仮想通貨交換業のコインベース・グローバル(@COIN/U) ▲6.71%
【NQNニューヨーク】代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコイン価格が水準を切り下げた場面で関連銘柄が売られた。ビットコイン投資で知られるマイクロストラテジー(@MSTR/U)も大幅安となる場面があった。米国の人工知能(AI)開発への不透明感から27日の米株式市場で関連銘柄が売られ、投資家のリスク回避姿勢が強まった。
米個別株騰落 アップル3.1%高 AT&T6.2%高 コインベース6.7%安[2025/01/28 07:58 日経速報ニュース 1197文字 ]
【NQNニューヨーク=横内理恵】27日の米株市場で値動きが目立った銘柄は以下の通り。△は上昇、▲は下落。
◎アップル(コード@AAPL/U) △3.17%
中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」が低コストで高性能の生成人工知能(AI)を開発したことを受け、27日の米株式市場で半導体やハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)などAIインフラ関連とされる銘柄が軒並み売られた。アップルはAI投資が比較的少なく、安価なAIモデルの恩恵を受ける可能性も意識された。セールスフォース(@CRM/U)やセキュリティー関連などソフトウエア株の一角も買われた。
◎通信のAT&T(@T/U) △6.25%
27日に発表した2024年10~12月期決算で売上高や特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。主力の携帯電話事業が底堅く、力を入れている個人向けインターネット事業も好調だった。個人向けインターネット事業は25年12月期通期も2ケタ台の増収と高い伸びを予想する。
◎バイオ製薬のモデルナ(@MRNA/U) △0.57%
24日に欧州連合(EU)に今後最長4年にわたって新型コロナウイルスワクチンを提供することで合意したと発表した。注射器にすでに薬剤が入ったタイプなども提供できるようになる。株価は6%あまり上げる場面があった。エバコアISIが27日に目標株価を60ドルから50ドルに引き下げたのに加え、前週に株価が2割上昇していたこともあり、利益確定売りで伸び悩んだ。
◎エヌビディア(@NVDA/U) ▲16.96%
中国の人工知能(AI)開発企業「DeepSeek(ディープシーク)」が低コストで高性能のAIを開発したことを受け、米国のAI開発への巨額投資に対する懸念が広がった。半導体のブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)などにも売りは広がった。マイクロソフトなどのハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)も下げた。
◎仮想通貨交換業のコインベース・グローバル(@COIN/U) ▲6.71%
代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコイン価格が水準を切り下げた場面で関連銘柄が売られた。ビットコイン投資で知られるマイクロストラテジー(@MSTR/U)も大幅安となる場面があった。米国の人工知能(AI)開発への不透明感から27日の米株式市場で関連銘柄が売られ、投資家のリスク回避姿勢が強まった。
◎オンライン融資のソーファイ・テクノロジーズ(@SOFI/U) ▲10.26%
27日に2024年10~12月期決算とあわせて発表した25年1~3月期や25年12月期通期の利益見通しが市場予想に届かなかった。24年10~12月期の売上高は予想を上回ったが、先行きの経営環境への不透明感につながった。
個人が選ぶベスト投信 アクティブ1位「結い2101」[2025/01/28 04:00 日経速報ニュース 2437文字 画像有 ]
個人投資家が年に1度、優れた投資信託を選ぶ「Fund of the Year(FOY)2024」が24日に発表された。18回目の今回は初めて、運用担当者が組み入れ銘柄を選ぶ「アクティブ(積極運用)型」と指数に連動する「インデックス型」に分けて結果を集計した。アクティブ型では独立系の鎌倉投信の「結い2101」、インデックス型は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(通称:オルカン)が1位に選ばれた。
金融業界からも高い関心
FOYは本当に良いと思える投資信託を個人投資家たちが投票で選び、それを広めることでよりよい投資環境をつくることを目指す手作りのイベント。上位入賞の投信は例年SNSなどで広く取り上げられ販売増にもつながるため、金融業界の注目度も高い。前回までは投信に関するブログを書いている投信ブロガーが対象だったが今回から投資経験のある個人全体に広げ、410人が投票した。
投信に詳しい個人の間では、長期ではインデックス型がコスト面での利点などからアクティブ型より好成績になりやすいことが知られ、過去は上位の大半をインデックス型が占めてきた。下位に埋もれがちだったアクティブ型も幅広く紹介したいという狙いで、今回から両方を分離して投票できるようにした。
アクティブ型1位の「結い2101」は独立系の鎌倉投信が2010年に運用を開始。「人・共生・匠(たくみ)」をキーワードに、社会に必要とされる良い企業を選ぶ。必ずしも高リターンを目指さず、相場急変時の値下がりを軽減する「守りながら増やす」運用が特色で、株式の組み入れ比率は昨年末で約65%。その他は預貯金や社債などだ。昨年8月の相場急落時も、最安値だった5日までの3営業日で日経平均株価(配当込み)は2割下げたが、「結い2101」は1割の下落でとどまった。
投資家と投資先企業の結びつきを大切に考え、毎年決算後の受益者総会では投資先企業の経営者などを招き投信の保有者が親しく交流することでも知られる。
24日、渋谷のイベントスペースでの表彰式であいさつした鎌倉投信の鎌田恭幸社長は「いかにお金を効率的に増やすかと同様に、いかにいい未来を創るかも大事。投資には資産形成だけでなく社会全体の価値を拡大する力がある」と話した。会場の投資家からは「投信の保有を通じていい社会を創る一翼を担っているという誇りを持てる」などの声があった。
2位は「セゾン・グローバルバランスファンド」。世界全体の株式と債券に半分ずつ運用する。セゾン投信の瀬下哲雄執行役員は「運用側の努力と積み立てなど投資家の投資継続が合わさって、長期のリターンが増えていく」と話した。
アクティブ型上位は「共感」呼ぶ「顔の見える投信」
3位の「コモンズ30ファンド」はコモンズ投信が運用。世界で成長し続けられる、質の高いグローバル企業を30社程度厳選し、30年の長期目線で投資する。投資家と投資先企業の交流会も活発に開くほか、投資家からの信託報酬の一部で社会起業家を応援する活動にも長期的に取り組んでいる。投資家からは「投資することで社会貢献もできる」との評価がある。伊井哲朗社長は「多くの優れたアクティブ型投信がしっかりと企業を評価し、良い企業の株価が上昇することでインデックス型のリターンもよくなる」と挨拶した。
セゾン投信の経営者だった中野晴啓氏が昨年4月に運用を開始したばかりの「なかの日本成長ファンド」も6位に入った。長期的な利益成長が見込まれる企業への厳選投資を通じて投資家の資産の長期的な拡大を目指す。
前年はアクティブ型では「結い2101」に続く2位だった「ひふみ投信」は8位。昨年末まで5年の基準価格上昇率が46%と日経平均(配当込み)の86%をかなり下回った。会場の投資家からは「最近の成績が今ひとつで、順位が相対的に低くなったようだ」との声があった。
アクティブ型で上位に来た投信の顔ぶれをみると、その大半は明確な運用哲学を持ち、それを運用担当者が投資家との交流会などを通じて発信し続ける「顔が見える投信」だ。それが投資家の支持につながり、積み立ての継続を通じた資産の拡大に結びつく。インデックス型投信の人気が続く中、アクティブ型が勢いを取り戻すカギの一つは、投資家からの共感をどう呼び込むかにありそうだ。
インデックス型首位は「オルカン」
一方でインデックス型の第1位はオルカン。今回のFOYではアクティブ型とインデックス型の両方の投票を集計した総合順位も合わせて発表したが、オルカンは総合でも1位だった。オルカンは、アクティブ型とインデックス型が分かれていなかった過去のFOYを含めて、6年連続の総合1位となった。個人投資家からは「これさえあれば投資は完了」「超定番の安心感」「長期・分散・低コストという投資の基本を簡単に実現している」などの評価が聞かれた。「eMAXIS Slim」シリーズはインデックス型上位10投信のうち4つを占める人気ぶりだ。
運用会社である三菱UFJアセットマネジメントの代田秀雄常務は「投資の第一歩はインデックス型でいいが、投資を続けるとだんだんアクティブ型や個別株にも関心が高まっていくことが多い。運用会社としてそうした投資対象の選別もサポートしていきたい。また今後大きな下落局面が訪れないとも限らず、継続するためには仲間づくりが大事。交流サイトの『オルカンカフェ』などを通じてお手伝いしていく」と話した。
表彰式の後は、上位に選ばれた運用会社の経営者、役員などと、会場を訪れた個人投資家約70人の新年会を兼ねた交流会。アルコールを楽しみながら個人投資家が投信運用者に様々な質問や意見交換をする例年の光景がみられた。ゲストとして訪れていた投資教育家の加藤航介氏は「多くの運用会社の幹部と個人が交流できる機会としてもとても珍しく貴重なイベントだ」と語った。
(編集委員 田村正之)
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・新NISA、2年目の一工夫 「サテライト」で地域分散
・2025年も「オルカン・S&P500」のままでいいのか?
ETF、世界で流入85%増え過去最高 昨年1.5兆ドル[2025/01/28 02:00 日経速報ニュース 1576文字 画像有 ]
世界の上場投資信託(ETF)への純流入額は2024年に1兆5400億ドル(約240兆円)と前年比85%増え、3年ぶりに過去最高を更新した。米国の株価指数に連動する銘柄が株高に沸くマネーの受け皿となった。暗号資産(仮想通貨)であるビットコインへの投資手段としても存在感を増している。
調査会社モーニングスター・ダイレクトのデータを集計した。これまで最高だった21年(1兆2060億ドル)を大きく上回った。
ETFはExchange Traded Fundの略で、取引所に上場する投資信託を指す。一般に非上場の投信より手数料が割安で、株式と同様に取引所で売買できる。世界のETF残高は24年末時点で13兆9460億ドルと、23年末から26%増えた。
ETFでも米国1強は鮮明だ。24年にETFに流入した資金のうち7割が米国上場のETFだ。流入額上位10位の銘柄のうち7銘柄は米株価指数への連動を目指すインデックス型ETFだ。
最も資金を集めた「バンガード・S&P500 ETF」は米S&P500種株価指数に連動した運用成果をめざすETFで、運用残高は24年末時点で5800億ドルを超える。
世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツが米証券取引委員会(SEC)に提出した24年9月末時点の報告書によると、開示した銘柄群の時価総額全体の7%超を占めたのがS&P500連動型の「iシェアーズ・コアS&P500 ETF」だった。三菱UFJアセットマネジメントの松尾健治シニアリサーチアナリストは「ヘッジファンドもETF志向を強めている」と指摘する。
流入額3位には米ブラックロックが運用するビットコイン現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト」が入った。SECが24年1月に現物ビットコインのETFを承認して以降、機関投資家を中心に急速に資金を集めた。米トランプ新政権のもとで規制が緩和されるとの期待も重なり、マネー流入に弾みがついた。
連動する指数を持たず市場平均を上回る運用成績を目指すアクティブETFには24年に約3300億ドルが流入し、全体の2割超を占めた。残高は初めて1兆ドルを超えた。世界のETF残高に占める割合は20年末に3%程度だったが、24年末には7.5%に高まった。
米運用会社インベスコによると、世界のETF市場は28年までに20兆ドルに拡大する見込みだ。
JPモルガン・アセット・マネジメントの黒木雄喜ETF商品室長は「株や債券だけでなく、最近はアクティブ型やオルタナティブ(代替)資産にもETF投資の選択肢が広がった」と指摘。「資産配分を柔軟に見直しでき、グローバルな機関投資家の間では投信からETFへの切り替えが今後も進む」と話す。
商品の「優勝劣敗」も進みそうだ。英調査会社ETFGIによると、世界のETF業界の新規設定本数は24年に1988本と20年(1131本)から76%増えた。一方で償還数は622本と20年(656本)と並ぶ高水準だった。
ニッセイ基礎研究所の前山裕亮主任研究員は「超低価格商品など王道の商品と差別化した特徴を打ち出さなければ投資家の注目を集めにくい」と指摘する。
(大久保希美)
新NISAでのETF買い付け額、投資信託の15分の1
日本ではETFの活用は道半ばだ。日本証券業協会によると新NISA(少額投資非課税制度)でのETFの買い付け額は24年9月末時点で約4000億円と投資信託の15分の1にとどまる。
政府も対策を進めており、自民、公明両党が24年12月に決定した25年度与党税制改正大綱では、NISAのつみたて投資枠におけるETFの最低取引単位の見直しなどが盛り込まれた。金融機関での事務処理の負担を減らすことでETFの取扱数を増やし、国民の資産形成を後押しする狙いだ。
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・期待先行のトランプ相場、米欧株最高値 関税警戒は後退
三菱UFJ、上場来高値 海外で収益、構造改革下支え[2025/01/28 日本経済新聞 朝刊 9ページ 1137文字 PDF有 書誌情報]
追加利上げ、業績拡大期待
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の株価が27日の取引時間中に一時1963円の高値をつけ、株式分割考慮後で1950円の上場来高値を上回った。上場来高値をつけるのは19年ぶり。日銀の追加利上げに伴う業績拡大の期待のほか、海外で収益を積み上げる体質を確立した構造改革も下支えしている。
終値は前週末比14円(1%)高の1921円だった。終値ベースでも2006年4月につけた1930円の高値に迫った。
3メガバンクでは三井住友FGが前週末比58円(2%)高の3808円、みずほFGが同63円(2%)高の4049円をつけた。いずれも足元、06~08年以来の高い水準で推移する。
銀行株が高値をつけるのは日銀が24日に追加利上げを決め、さらに利上げが進むとの観測から収益改善への期待が高まっていることが大きい。
三菱UFJは円金利が0.25%上昇するごとに、上がってから3年後の収益が年1800億円プラスになるとの試算を24年秋に示した。金利の上昇は低利で調達した預金から得られる貸出金の利回りの上昇や運用成績の改善に直結する。
三菱UFJは総資産が399兆円と、200兆円台の三井住友FGやみずほより多く、日銀の利上げに伴う収益改善も大きくなるとの見方がある。
さらに22年末の米地銀MUFGユニオンバンクの売却や不採算資産の整理など、海外での構造改革が進み、収益性が高まっていることへの評価がある。
米モルガン・スタンレーから得られる利益は年3000億~4000億円規模に上る。傘下行合算の海外の貸出金利ざやは24年4~9月期で1.44%と前年同期に比べ0.11%拡大した。22年度に比べると4割程度広がった水準だ。
ただ足元の三菱UFJの株価は株主還元の強化を期待している面もあるようだ。24年4~9月期時点の中核的な自己資本で構成する「CET1比率」は11.2%と、三菱UFJが目安に定める上限の10.5%を上回る。
市場は企業を評価する際に収益貢献に時間のかかる成長戦略だけでなく、目先の株主還元に注目しやすい。実際に三菱UFJでは24年5月に発表した自社株買いが市場の期待を下回ったのを背景に、株価が一時下落傾向になった経緯もある。
三菱UFJのPBR(株価純資産倍率)は足元で1倍を超えて推移しているが、2倍をうかがう銀行もある主要な米銀に比べてなお低い水準にある。三菱UFJは24年、グループ傘下の銀行と証券2社が顧客の同意を得ずに重要情報を共有していた問題で金融庁から業務改善命令を受けた。貸金庫での窃盗事件が明らかになるなど法令順守の体制が問われている。
法令順守の懸念が払拭できるかも、市場の評価の向上に向けた要素の一つとなる。
ETF、世界で流入最高 昨年85%増の1.5兆ドル 米株やビットコインけん引[2025/01/28 日本経済新聞 朝刊 11ページ 1326文字 PDF有 書誌情報]
世界の上場投資信託(ETF)への純流入額は2024年に1兆5400億ドル(約240兆円)と前年比85%増え、3年ぶりに過去最高を更新した。米国の株価指数に連動する銘柄が株高に沸くマネーの受け皿となった。暗号資産(仮想通貨)であるビットコインへの投資手段としても存在感を増している。
調査会社モーニングスター・ダイレクトのデータを集計した。これまで最高だった21年(1兆2060億ドル)を大きく上回った。
ETFはExchange Traded Fundの略で、取引所に上場する投資信託を指す。一般に非上場の投信より手数料が割安で、株式と同様に取引所で売買できる。世界のETF残高は24年末時点で13兆9460億ドルと、23年末から26%増えた。
ETFでも米国1強は鮮明だ。24年にETFに流入した資金のうち7割が米国上場のETFだ。流入額上位10位の銘柄のうち7銘柄は米株価指数への連動を目指すインデックス型ETFだ。
最も資金を集めた「バンガード・S&P500 ETF」は米S&P500種株価指数に連動した運用成果をめざすETFで、運用残高は24年末時点で5800億ドルを超える。
世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツが米証券取引委員会(SEC)に提出した24年9月末時点の報告書によると、開示した銘柄群の時価総額全体の7%超を占めたのがS&P500連動型の「iシェアーズ・コアS&P500 ETF」だった。三菱UFJアセットマネジメントの松尾健治シニアリサーチアナリストは「ヘッジファンドもETF志向を強めている」と指摘する。
流入額3位には米ブラックロックが運用するビットコイン現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト」が入った。SECが24年1月に現物ビットコインのETFを承認して以降、機関投資家を中心に急速に資金を集めた。米トランプ新政権のもとで規制が緩和されるとの期待も重なり、マネー流入に弾みがついた。
連動する指数を持たず市場平均を上回る運用成績を目指すアクティブETFには24年に約3300億ドルが流入し、全体の2割超を占めた。残高は初めて1兆ドルを超えた。世界のETF残高に占める割合は20年末に3%程度だったが、24年末には7.5%に高まった。
米運用会社インベスコによると、世界のETF市場は28年までに20兆ドルに拡大する見込みだ。
JPモルガン・アセット・マネジメントの黒木雄喜ETF商品室長は「株や債券だけでなく、最近はアクティブ型やオルタナティブ(代替)資産にもETF投資の選択肢が広がった」と指摘。「資産配分を柔軟に見直しでき、グローバルな機関投資家の間では投信からETFへの切り替えが今後も進む」と話す。
商品の「優勝劣敗」も進みそうだ。英調査会社ETFGIによると、世界のETF業界の新規設定本数は24年に1988本と20年(1131本)から76%増えた。一方で償還数は622本と20年(656本)と並ぶ高水準だった。
ニッセイ基礎研究所の前山裕亮主任研究員は「超低価格商品など王道の商品と差別化した特徴を打ち出さなければ投資家の注目を集めにくい」と指摘する。
(大久保希美)
トランプストーム赤く染まる市場(1)「親ビジネス」米政権に期待 M&Aや規制緩和推進 ESG投資は資金流出[2025/01/28 日本経済新聞 朝刊 11ページ 1819文字 PDF有 書誌情報]
米国でトランプ第2次政権が発足し、大統領の一挙手一投足が市場を翻弄している。トランプストーム(嵐)が吹き荒れる世界の市場を追う。
米国の投資家や企業には、トランプ政権の親ビジネスの側面に期待感が強い。米運用会社ギャベリー・ファンズはM&A(合併・買収)が増えるとみて、M&Aが株価上昇のカタリスト(材料)になりそうな銘柄への投資に力を入れる。
ギャベリーで割安株投資の共同最高投資責任者(CIO)を務めるケビン・ドライヤー氏は「トランプ政権下では経営者の信頼感が改善し、米連邦取引委員会(FTC)は友好的になる」とみる。FTCは反トラスト法(独占禁止法)を担当する。民主党政権下ではM&Aによる寡占化が競争を阻害するとして警戒する傾向が強かった。
再編が活発になりそうなのが金融業界だ。米地銀ホーム・バンクシェアのジョン・アリソン最高経営責任者(CEO)は16日、決算説明会で規制緩和への期待を語った。「合併審査が4~5カ月で終わるようになるなら銀行のM&Aは増えるだろう」と買収で成長するチャンスとみる。
期待はすでに株価に表れている。米銀キャピタル・ワン・ファイナンシャルは24年2月にクレジットカード大手ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズの買収を発表し、実現の可否が注目されている。昨年11月の大統領選でトランプ氏が勝利した後、両社の株価は約3割上昇した。
民主党の急進左派、エリザベス・ウォーレン上院議員やオカシオコルテス下院議員らは、キャピタル・ワンが過去に消費者から搾取したなどとして規制当局に買収差し止めを求めている。ビジネスに厳しい民主党を苦々しく思う経営者も多い。
1992年にジョージ・ソロス氏とともに英国の通貨ポンドへの売りをしかけたスタンレー・ドラッケンミラー氏は米CNBCで「49年の投資家経験のなかで最も反ビジネスの政権から最も親ビジネスの政権に代わる」と期待の度合いを表現した。投資家も事業家も意欲的になる「アニマルスピリッツ(血気)が帰ってきた」とみる。こうした空気が株高の原動力となっている。
親ビジネスへの礼賛は金融業界にとどまらない。航空業界では航空交通管制の運用改善で遅延が減ると期待されている。米ユナイテッド航空のスコット・カービーCEOは、トランプ氏自身もこの問題に詳しく「解決に取り組んでくれている」と決算会見で明かした。「規制の負担を取り除き、経済拡大に注力するこの政権を大いに信頼している」とした。
血気さかんな「赤いマネー」が広がる一方、リベラルな「青いマネー」は退潮している。最たる例がESG(環境・社会・企業統治)投資だ。
米モーニングスターの集計では24年にESG関連の投資信託から196億ドル(約3兆円)の資金が流出した。政治的な逆風に押されている。米テキサス州北部地区連邦地方裁判所は今年1月、米アメリカン航空が年金基金の運用委託先に米運用大手ブラックロックを含めたことを違反とした。運用にESGの理念を持ち込むなという判断だ。
運用会社は対応に苦慮している。米バンガード・グループは顧客の機関投資家や個人に議決権行使の判断を委ねる制度を拡充中だ。自ら判断すると批判対象になりやすいためだ。顧客はESG要素を加味するかどうかなど議決権行使の方針を選べる。今年の株主総会に向けては、保守色が強い議決権行使助言会社イーガン・ジョーンズの助言に沿う選択肢も加えた。
株高の裏には、親ビジネスのトランプ氏は株安につながる政策は避けるだろうという楽観がある。第1次政権の18年に中国に貿易戦争をしかけ、同年の米S&P500種株価指数が6%下落した出来事を忘れてしまったかのようだ。異常気象が増えているのに、トランプ政権が気候変動問題に対応しない点にも投資家は目を背けている。
冷静な声もある。三菱UFJアセットマネジメントの石金淳チーフファンドマネジャーは「対中関税の懸念が晴れたわけではないのに、リスク資産への買いが過熱気味だ」とし、米国株には1割程度、調整する可能性があるとみる。
トランプ政権の具体策はみえない部分が多く「当面はトランプ氏の発言を待つしかない」(米ブレークリー・ファイナンシャル・グループのピーター・ブックバーCIO)。旋風が突如、やむリスクも抱える。
【図・写真】著名投資家のドラッケンミラー氏(写真左)はトランプ政権誕生で米経済は息を吹き返すと主張する
<数表>財務短信[2025/01/28 日本経済新聞 朝刊 17ページ 589文字 PDF有 書誌情報]
構造計画研究所ホールディングス(208A)
株式分割=2月28日現在の株式1株を2株
ソフトフロントホールディングス(2321)
第三者割当増資=2109万7600株▽発行価格=82円▽払込期間=3月25日~4月25日▽割当先=Potus Helios Fund VIIに670万7300株など計7先
第15回新株予約権21万3000個▽潜在株式数=2130万株▽発行価格=1個につき624円▽割当先=GCL Nihon、SQY HK Investmentに各6万3000個など計4先▽払込日=4月25日▽行使期間=4月25日~2028年4月24日▽行使価格=1株につき91円
ヘリオス(4593)
第三者割当増資=812万5000株▽発行価格=240円▽払込日=2月13日▽割当先=Athos Asia Event Driven Master Fundに480万200株など計4先
第26回新株予約権4万625個▽潜在株式数=406万2500株▽発行価格=1個につき300円▽割当先=Athos Asia Event Driven Master Fundに2万4001個など計4先▽払込日=2月13日▽行使期間=2月14日~2028年5月9日▽当初行使価格=1株につき276円
GRCS(9250)
減資=4月4日付で資本金の額を3億1352万4000円減少▽新資本金=5000万円
岡藤正広(27) 利は川下にあり 「コンビニの父」の助言 セブンイレブンに提携打診で(私の履歴書)[2025/01/28 日本経済新聞 朝刊 40ページ 1388文字 PDF有 書誌情報]
ファミリーマートは伊藤忠商事の経営が苦しいさなかの1998年にセゾングループから打診を受けて資本参加した会社だ。丹羽宇一郎さんが社長昇格の直前にまとめたディールで、最後にはセゾンの実力者として知られた西武百貨店会長の和田繁明さんと無言で対峙した「沈黙の30分」は語り草になっている。
巨額損失を出し人員削減に追い込まれ、商社不要論までささやかれた苦しい状況での決断だ。1350億円で3割を出資することには、社内で反論も根強かったと聞く。繊維一筋の私にとっては縁遠い話だったが、今となっては伊藤忠の財産だと思う。
「利は川下にあり」
これは私の経営戦略の柱をなす考えだ。スーツ生地を輸入して国内で販売する仕事をしていた私が、生地の展示会で目撃したシーンをヒントにブランドビジネスを築いていった。商材は生地から服へと広がり、やがて小売り業にまで進出していった。消費者の声を直接拾い経営戦略に反映するマーケット・インに徹することで、自ら付加価値を創造していけるからだ。
その点、老若男女を問わず24時間お客さんが訪れるコンビニは可能性の宝庫だ。2015年にチャンスが巡ってきた。サークルKとサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスがファミリーマートとの経営統合を検討するという。実は以前から伊藤忠出身のファミリーマート社長がユニーに持ちかけていた話なのだが、真剣に考えてくれるとの返事をもらった。
ただ、正直に言うと我々が欲しいのはコンビニだけだった。スーパーのユニーまで抱えるのはリスクが大きいのではないか。こう考えた私はある人を訪れた。当時セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さん。言わずと知れた「コンビニの父」だ。
人づてに鈴木さんは挨拶だけの訪問は歓迎しない人だと聞いていたので、いきなり直球を投げ込むことにした。
「ファミリーマートと提携しませんか」
同時にユニーとファミリーマートとの経営統合交渉が進んでいることも打ち明けた。サークルKサンクスと合算すればローソンを抜いてコンビニ2位となる計算だ。もし続けざまに不動の首位であるセブンイレブンと提携すれば、日本に超巨大な小売り連合が誕生することになる。
もちろん勝算があっての提案だ。このコンビニ2強連合構想は実現しなかったが、何度も足を運ぶ中で鈴木さんからこんな助言をいただいた。
「商社にスーパーの経営は不可能ですよ」
やはり、ユニーがネックになるというご意見だった。「この人が言うなら間違いない」。私の仮説が確信に変わった。まずはユニーもろとも統合してファミリーマートとサークルKサンクスの融合を進めるが、いずれユニーは切り離さなければならない。
格好の相手はすでに意中にあった。ドン・キホーテだ。鈴木さんからも助言をいただいた。2段階に分けてユニーの全株式を売却した。ユニーはその後、ドン・キホーテのもとで業容を拡大しており互いにメリットが大きい取引だったと思う。
こうして我々は当初の狙い通りにサークルKとサンクスを手に入れた。約4年がかりの業界再編。だが、これでファミリーマートの経営体制が盤石になったわけではない。
そう気づかせてもらった相手がいる。ソフトバンクグループ創業者の孫正義さんだ。
(伊藤忠商事会長CEO)
【図・写真】ファミリーマートへの出資は丹羽宇一郎さん(右)が決断した
「春節」商戦、関西も期待高く 中国人消費が高級品シフト 円安追い風、客単価上昇[2025/01/28 日本経済新聞 地方経済面 関西経済 10ページ 1390文字 PDF有 書誌情報]
中国の春節(旧正月)に伴う大型連休が28日から始まる。中国人客の宿泊予約が新型コロナウイルス流行前を上回るホテルもあり、関西でも関連消費が活発になりそうだ。日用品や家電を大量に購入する「爆買い」が落ち着く一方、ブランド品など高級品の人気が高まっており、小売店など企業側も商機を探る。
「円安なので中国でブランド品を買うよりも安い」。24日、南京市の40代の男性弁護士は家族5人で大丸心斎橋店を訪れた。カルティエのネックレスなど2日間で120万円を買い物に費やした。有馬温泉にも出かけたという。春節に合わせて早めに仕事を休む人も多く、繁華街はすでに中国人旅行客でにぎわう。
全日本空輸(ANA)の中国から関西国際空港に向かう航空便で、春節期間(28日~2月4日)の予約数は2024年比で約1.5倍だ。席数の9割が埋まった。中国旅行予約サイト最大手の携程集団(トリップドットコムグループ)は人気の海外旅行先として、いちばんに日本を挙げている。
ホテルの予約も堅調だ。ザ・プリンス京都宝ケ池(京都市)の予約は前年の春節期間と比べて3割増え、コロナ禍前の19年と同水準だ。団体旅行から比較的高所得の個人客へのシフトが進み、客室単価もコロナ禍から3割高を見込む。ホテルニューオータニ大阪(大阪市)は予約数が19年を3割上回る。
中国からの訪日客は24年に大きく回復した。福島第1原子力発電所の処理水放出問題の影響などがあったが、日中間の国際便も復活してきた。関空の10月の中国人入国者は19年の8割近い水準で、同4割程度だった23年から大幅に増えた。
三井住友カードが提供するデータ分析サービス「Custella(カステラ)」を用い、中国人観光客の関西での決済動向を分析したところ、24年11月のクレジットカードの決済単価は19年同月から2割上昇した。全訪日客の決済単価は2割ほど下がっており、中国人の単価の上昇が際立つ。
大丸心斎橋店では24年12月の免税売上高が19年同月から4割増えた。宝飾品などの売れ行きが好調で客単価も2倍近くになった。同店では中国版インスタグラムといわれるSNS「小紅書(RED)」で春節特別商品の情報発信を始め、需要をつかむ。
小売り以外の業種も中国人客を取り込もうと動く。JR西日本は中国の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントで、大阪駅前の商業施設「KITTE大阪」の和菓子や手ぬぐいなど日本みやげを買うのにお薦めの店舗を紹介している。新幹線や在来線の経路案内のほか、観光スポットやクーポンを提案するサービスも始める予定だ。
日本総合研究所の藤山光雄・関西経済研究センター所長は、中国の景気低迷の影響はあるとしつつも「査証(ビザ)発給要件の緩和などで今後も中国人観光客は増えるだろう」と見通す。
25年国際博覧会(大阪・関西万博)の開催も追い風になる。重慶市から大阪を訪れた50代女性は「10年開催の上海万博は楽しかった。娘が大阪に住んでいるので万博が始まったらまた必ず日本に来たい」と話した。
中国旅行サイトでは大阪万博に合わせた周遊先としてユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や熊野古道、淡路島などを紹介している。コロナ禍前は関西の訪日客の4割を占めていた中国人客の動向は、今年の関西経済の浮沈のポイントになりそうだ。
(谷本克之)